最速新幹線500系 来夏、東海道区間を引退
![来夏、東海道区間から引退する新幹線500系(手前)](https://osaka.yomiuri.co.jp/img/20060831p302-a-A20060831142214560M.jpg)
世界最速300キロを誇る東海道・山陽新幹線の500系が、来夏の新型車両N700系の投入を境に東海道区間から引退する。1997年のデビュー以来、「高速化追求のあまり、居住性を犠牲にした」と批判され続けてきた。車両を保有するJR西日本が用意する「第二の人生」は、「300キロひかり」構想だ。500系の雄姿は山陽路で生き続ける。
15メートルもある飛行機のような先頭形状、ウナギのようなかつてない斬新な車体が話題になった。97年8月、「世界最速の列車」としてギネスブックに載った。
スマートな先頭の形を維持するため、最前、最後部の乗降扉を犠牲にした。丸い断面の車体は「窓際席で圧迫感を感じる」と、不評を買った。こうした“欠点”が、快適性重視の流れに乗れなかった大きな要因。N700系の車体傾斜システムで可能になる東海道区間の曲線270キロ通過に対応できないのも、引退を強いられる理由の一つだ。
JR西日本は07年度末までにN700系を8編成製造し、順次、9編成ある500系と交代させる。
「300キロひかり」構想では、8両編成の「ひかりレールスター」並みに短くして使う案が浮上している。内装も一新する予定だ。
500系にとっては新たな門出。ただ、鉄道ファンからは「よれよれになるまで使うと晩節を汚しかねない」と、早めの引退を望む声もある。