・飛魚Flying fish とびうお
トビウオ科、胸びれが長く紡錘形(ぼうすいけい)をしている。海上を飛行(滑空)し飛距離400mにも及び、体長40cm程度、背が青銅色、腹部が白く、春の産卵の時期になると関東の沿岸海域に群れをなしてやってきて温暖な東京湾以南の海域を回遊している。
白身の淡白さがよく産卵後の5~10月に定置網で捕獲し旬とする。内臓が小さく鮮度が落ちにくいとされ油の乗りが少なく肉質の締まった魚で新鮮なものを刺し身、揚げ物、焼き物、多くは干物、カマボコ、ちくわの原料にしている。島根(県魚)、長崎県では、「あご」といってあごが落ちるほどおいしいとし15cmの小魚を焼き干し、又はそのまま干して乾燥させたものを、煮干、粉末、丸干しとし、出し用に、つまみ、茶漬けにしている。
蒲鉾は、2%ほどの塩を加えることによって魚肉の筋繊維中のアクチンActinとミオシンMyosinが結合しアクトミオシンActomyosin(加熱によって水を取りこみ変性しぷりぷりとした食感を生む)となって粘りを持ってくる。その魚の質によって粘りの度合いが異なりそこに他のすり身、副原料(調味料、卵白、でん粉)を混ぜあわせたりして製造する。
卵は、「とびっこ」といわれて寿司だねに使われる。魚は、時期によって脂肪含有量に差があって旨みが異なり美味しく食べられる旬の時期のものを選ぶことが大切で一般的には、脂ののっている産卵前の魚を旬としている。
白身で脂の少ない魚では、淡白なほうがより好まれる傾向で産卵後の脂ののりがより少なくなった魚を旬とする。最近は、冷凍技術の発達により遠洋漁業によって多くの種類の魚が季節を問わず水揚げされるようになって季節感が失われる傾向にある。
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