・健康食品過剰摂取の報告 けんこうしょくひんかじょうせしゅのほうこく
健康食品の過剰摂取による健康被害の報告が、ときどき聞かれます。
アマメシバ、白インゲン、アガリクス、イチョウの葉エキス、コンフリー、にがり、キトサン、プロポリス、ウコンなど最近になって報告されたものです。
健康食品は医薬品と違い安全で副作用がないと一般にいわれています。品質の均一性、純度が保証されているわけではなく、製品によって開きがあります。
また、摂取量、生理作用の目安についての科学的根拠があいまいになっています。健康食品を摂取するにあたっての安全の基本は、摂取量によって健康被害を引き起こす可能性についてよく知ることが大切です。
製品化されたものでは、大きく表記されたものの他に生理作用を高めるためにビタミン類、その他を加えて製造しているいわゆる加工食品なのです。製品の原材料によってアレルギーを起こすこともあります。安易な乱用は慎まなければなりません。
医薬品は、有効性と安全性の科学的に長期に渡り検証がなされ根拠をもって国が販売を認めています。
摂取量に充分注意して健康被害の発生を未然に防ぐように努めて行くことが大切です。
上記の健康食品について健康被害を簡単に記載しました。
アマメシバ
過剰摂取により肺機能障害が報告され2003年9月よりアマメシバの粉末、錠剤、エキスにしたものの販売を禁止している。
白インゲン
完熟した乾燥豆は昔から加熱調理を行わず生のままで食べると嘔吐、下痢等の消化器症状を起こすことが知られている。原因物質の一つとして、生のインゲン豆に含まれる、アルカロイド、青酸配糖体や「レクチンLectin」という糖結合タンパク質がある。
アガリクスAgaricus
アガリクスを飲んで肝機能障害になった。
イチョウの葉
葉をお茶にしたときには有害物質を一緒に取ることになり除去されるべきアレルギー(湿疹、皮膚障害、腹痛の発症)物質ギンコール酸Ginkgolic acid (アルキルフェノール類:もともと葉〈0.1~1%〉の粉砕物に多く含まれる。
クロレラChlorella
過剰摂取で皮膚障害を起こし、その原因物質としクロロフィル(葉緑素)分解物のフェオホルバイドPheophorbide等を見出した。
昭和50年代頃に健康食品として錠剤で販売され光過敏症の健康被害多発して問題となる。フェオホルバイド量の基準が100mg/100g以下と定められている。
コンフリーComfrey
海外からの摂取による肝障害の健康被害が多数報告されている。
にがり
強い意識障害があり、高カルシウム血症、高マグネシウム血症が認められた。
キトサンChitosan
エビやカニの甲羅からとれるキトサンを摂取し肺炎を起こした。
アナフィラキシーショックなどのアレルギー症状が報告されている。
プロポリスPropolis
皮膚のかゆみと発疹が現れ肝機能の異常が見つかっている。
ウコン
肝機能障害の多くの報告がある。
うこん色素ADIの暫定措置として0.1mg/kg(WHO:0~3mg/kg)としている。
上記の健康食品の傾向としてフラボノイド系が多く使われているようです。
摂取基準は定まっていませんが人で20mg~1g/1日程度摂取しているといわれています。「過ぎたるは及ばざるが如し」過剰摂取により健康被害の報告が見られているのです。また自身のアレルギー体質であるかどうかをよく知ることも大切です。
用法、用量を守って正しく利用することが重要なことです。
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