gooブログはじめました!

健康的食生活のための情報を発信です。
1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[◎大根]食生活について語ろう

2022年11月03日 | 美容ダイエット

◎大根Japanese radish だいこん
 冬場の保存食としての大根は大活躍です。汁物、おでん、おろしにも欠かせません。
加工品としての切干大根、四つ割りにして干した割り干し大根といわれているものがあります。最近ではほとんど見かけなくなりましたが、大根の葉を寒風にさらして干した「ホシナ」は、栄養価は高いですが、美味しさからいうといまいちかも知れません。
 アブラナ科の根菜類の野菜です。地中海沿岸が原産地といわれていますが野生種は見つかっておらず確定していません。栽培種では中央アジアを起源地のひとつと考えています。 BC2700年~BC2200年の古代エジプトで、現在のハツカダイコンに近いものがピラミッド建設労働者の食料としていたのが最古の栽培記録としてヘロドトス(紀元前490年~480年?)の歴史書にあります。
発祥地から西へ伝播の大根は、ヨーロッパでハツカダイコン、クロダイコン、小ダイコンなどを栽培していますがヨーロッパでのダイコンの広範な普及は遅く15〜16世紀ごろです。イギリスへは15世紀、フランスでは16世紀ごろから栽培するようになりましたが、あまり普及しませんでした。
一方で東に伝えられた大根は、中国の北部と南部に分かれ、著しく分化し、さらに日本に伝播で多くの品種を生んでいます。江戸時代にヨーロッパのクロダイコンが日本に渡来した記録も残っていますが、それは定着しませんでした。明治時代になってハツカダイコンがヨーロッパから伝来し、栽培利用するようになりました。

日本では、最古の記録は、712年成立の歴史書『古事記』における仁徳天皇の歌にあり、古名のすずしろ、(於朋花)おおねが知られるように古くより食用としていました。縄文時代か弥生時代に稲作以前に伝来ともいわれています。主に華南ダイコンを中心に九州から日本へ渡来し、また、後に華北ダイコンも朝鮮半島を経由して東北に伝わったという説が有力です。
大根を今日のようにダイコンと読むようになったのは室町時代(1338年~1568年)中期の文明年間(1469~1487)に、節用集(せつようしゅう)に古名の「おおね」に「大根」の字を当てて記載しています。
華北型ダイコンは、日本の品種の主流を占めています。ハツカダイコンは明治以降の導入で、小さいダイコンは南ヨーロッパおよび中国北部の小形の品種群です。
江戸前期にはすでにいくつかの品種が分化し栽培していたことが当時の農書から読み取ることができます。江戸時代中期の1730年代には100種もの品種を確認しています。近年には、さらに中国野菜としての華北型・華南型の品種の導入で、品種は多様化し、丸型・緑皮紅肉・紅皮白肉、緑皮緑肉・総太り型、紅皮白肉・長型、外皮が黒色のクロダイコンなどなどがあります。
全国各地、四季を通じて栽培、年中出回っています。それぞれ春大根、夏大根、秋大根、冬大根として親しまれ野菜の中で最も多い産出量です。生産量の6割が加工製造用としての消費です。

 8、9月に種まきし初冬11、12月に収穫する秋冬大根が一般に好まれ、その中でも扱いやすい青首大根の栽培が多い傾向です。地面より出ている中まで緑の大根がありビタミンCとクロロフイルの抗酸化、脂肪分解作用をも兼ね備え、葉っぱも緑黄食野菜としての価値があります。
おろし、刺し身のつま、酢のもの、漬物、煮物、味噌汁の実、切干大根に毎日の食卓に欠かせない食材です。
毛穴が真っ直ぐあるものは、甘味があり、波形にみえるものは辛味があるといわれ辛味成分(生育初期、根の部分に多い)は、イソチオシアネート(脂肪分解・ピロリ菌撃退作用)で、おろして組織が壊された時に遊離し辛くなるのです。アミラーゼの消化酵素を多く含みます。大根アミラーゼは、ph5.5付近、60~65度で最も活性化し漬物では浅漬けの短期のものではいくらかは活性化するのですが長期に漬けこむタクワンにはないといわれます。
大根100g中にエネルギー18kcal、水分94.6g、タンパク質0.5g、脂質0.1g、炭水化物4.1g、灰分0.6g(カリウム230mg、カルシウム24mg、鉄0.2mg)、ビタミンA効力(0)μg、ビタミンD(0)μg、ビタミンE(0)mg、葉酸34μg、ビタミンC12mg、食物繊維1.4gを含みます。辛味・ビタミンCは、内部より外皮に近いほど多く含みます。

大根根:皮つき皮無し生・茹で検索結果表示 (mext.go.jp)

可食量切干大根10g(カリウム320mg、カルシウム54mg、鉄1.0mg、食物繊維2.1g)です。
葉・ゆで
100gでエネルギー24kcal、水分91.3g、タンパク質2.2g、脂質0.1g、炭水化物5.4g、灰分0.9g、ナトリウム28mg、カリウム180mg、カルシュウム220mg、マグネシュウム22mg、リン62mg、鉄2.2mg、亜鉛0.2mg、銅0.03mg、マンガン0.25mg、ビタミンA:370μg、ビタミンD:(0)、ビタミンE:4.9mg、ビタミンK:340μg、ビタミンB1:0.01mg、ビタミンB2:0.06mg、ナイアシン0.9mg、ビタミンB6:0.10mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸54μg、パントテン酸0.11mg、ビタミンC21mg、食物繊維3.6gを含みます。
カイワレ大根・なま
100gでエネルギー21kcal、水分93.4g、タンパク質2.1g、脂質0.5g、炭水化物3.3g、灰分0.6g、ナトリウム5mg、カリウム99mg、カルシュウム54mg、マグネシュウム33mg、リン61mg、鉄0.5mg、亜鉛0.3mg、銅0.03mg、マンガン0.35mg、ビタミンA:160μg、ビタミンD:(0)、ビタミンE:2.1mg、ビタミンK:200μg、ビタミンB1:0.08mg、ビタミンB2:0.13mg、ナイアシン2.0mg、ビタミンB6:0.23mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸96μg、パントテン酸0.29mg、ビオチン5.6μg、ビタミンC47mg、食物繊維1.9gを含みます。

 在来品種のなかには宮城県小瀬地区の小瀬菜大根(こぜなだいこん)のように葉と根を食用としている専用の品種もあります。
かいわれ大根はサラダに、また薬味として、屋内で工業的に生産しています。
 その他にオキシダーゼ(ポリフェノール酸化酵素:蛋白質、脂質分解、発ガン物質〈こげ:ベンツピレンBenzpyrene{ベンゾピレンBenzopyrene〉抑制、解毒作用)、カタラーゼ(酸化還元酵素:成分損失、変色に関与)、グリコシダーゼ(配糖体加水分解酵素:栄養の吸収をよくする)の酵素を含んでいます。アミラーゼはでんぷんを分解する酵素で、食物の消化を助け、胸やけや胃もたれを防ぎます。これらの成分は加熱に弱いので、生でとったほうが効果的で、オロシとしての利用がおすすめです。
そんな大根ですから種類も数多くあります。大根の種類はどのようなものがあるのでしょうか。

日本の大根は華南系、華北系の2つのルートから入ってきたのではと推測しておりルーツとしています。
その後に国内で独自に発達してきましたが、1970年代以降は多くが青首大根に市場の占拠の様相を呈しています。日本で育成してきた大根では、その種類は100種もあると云われます。青首(宮重種)、関東の「三浦大根」「亀戸大根」、京都の「聖護院大根」、岐阜の「守口大根」、加賀の「源助大根」、鹿児島の「桜島大根」などがよく知られます。


華北系大根は赤、黒、緑、紫など様々な色の大根がありヨーロッパ・アジア系になります。日本で主に栽培しているのにはラデッュRadish(二十日大根)があります。
この系統は、根が中型や大型で肉質は厚くて硬く、多様な色素もあり耐寒性と貯蔵性が高いとしています。辛味も強く、主に漬物や生食、薬味などに利用しています。 
内部まで例えば肉が赤色の紅心や緑色の青首など色のあるのは中国系です。
外側がカラフルなカラーで、中身が白いものはヨーロッパ群で、スペインのラウンドブラック(黒だいこん)が有名です。

華南系大根の特徴は根が細長く、小型、中型で肉質は柔らかく多汁なので貯蔵性は低いですが、耐寒性はあります。漬物や煮物に適しています。 

主な品種としては
◇青首大根(宮重種みやしげしゅ): 愛知県原産で長さ40cm、大根の上部が緑色をした大根で、辛みが少なくて甘みがあって、水分の多いのが特徴です。
生産者、流通側から、大きさが手頃で栽培しやすく、引き抜くのが楽、上から下まで同じ大きさで扱いやすいこともあります。おろしやサラダのなどの生食のほか、煮崩れしにくいので煮物、汁物と多用しています。

◇三浦大根は三浦半島では江戸時代より大根の栽培が行われており、1925 年に「三浦大根」と正式に命名しています。三浦産の高円坊大根と東京都練馬区で作られている練馬大根を交配して誕生した大根です。関東を中心に冬大根として人気のあった三浦大根でしたが、1979 年にやってきた大型台風20号により大きな被害を受けました。これをきっかけに、甘くて収穫しやすい青首大根の栽培が盛んになり、三浦大根は衰退していってしまったのです。

◇守口大根:長さ1~2m近くにもなる世界一長い大根で、主に漬け物としています。平成19年(2007年)8月29日に大阪府の「なにわの伝統野菜」に認証しています。
 16世紀ごろから栽培が始まったといわれ秀吉が、食し大いに賞賛し、その名を「守口漬」と命名したことから、「守口大根」と呼ばれるようになったと伝えられています。
 現在は、愛知県・岐阜県の木曽川沿いで栽培しています。

◇桜島だいこんの鹿児島県原産の世界最大の丸型大根で大きいもので20~30kgあります。その大きさにも関わらず肉質は緻密で柔らかで甘味もあり、煮物にも漬物にもできます。

◇聖護院だいこん:直径20cm、重さ4kgの京都府産で、桜島大根と似て丸型で苦味がなくほんのり甘味さえあるこの大根は、長時間炊いても煮崩れせずとろけるような味わいになるのが特徴です。おでん、ふろふき大根としているのが一般的です。

◇辛味大根:「しぼり」とか「ねずみ」とか呼ばれることもあります。長さ15cm、径7cm、重さ250~300g程度でネズミとはそのズングリした姿、形からついています。
肉質はややでんぷん質ですが、緻密な身であり煮炊きもできます。しかし辛味が強いのでもっぱら「おろし」用になります。
おろしても水分がでにくい為、蕎麦ツユが薄まらず、薬味として重宝しています。

◇ラデッシュRadish:赤系の廿日だいこんはヨーロッパ系大根になります。

◇ホースラディッシュHorseradish:わさびの香りのする白色の根で、別名「西洋わさび」、「わさび大根」ともいます。日本ではチューブ、粉ワサビの大半の主原料ですが、西洋料理でもソースにしたり、おろしてローストビーフ、生ガキ、魚料理、肉料理の薬味になります。

大根と名の付いている桜島大根、聖護院大根などは、丸い形でカブの仲間のようにも見えますが、日野菜かぶの用に長いカブもあります。

両方ともアブラナ科ですが違いは、大根はダイコン属、葉がごわごわでチクチクして、花色は白・薄紫、ダイコンは「根が肥大」、根っこの痕(あと)や、ひげの痕跡(こんせき)があります。
カブはアブラナ属、丸い葉で柔らかく、花色は黄色、カブの丸いところは「茎」、カブは胚軸が肥大したものです。
 胚軸というのは、最初に出てくる子葉(双葉)と根の間の茎の部分です。丸いカブの先からひょろりと伸びたひげがカブの根で掘り上げると長い根がついてきます。
胚軸は根ではないので細胞壁が薄く、そのためにカブは柔らかいです。
触って見てつるつるしています。大根に比べて細胞壁が薄くかぶは煮物にするとすぐに型崩れということが多いのです。 
大根・蕪ともに、一旦花が咲くと、スがはいって食べられなくなってしまいますので、開花前に掘り起こし採取する必要があります。

大根は、おろし、刺し身のつま、のもの、漬物、煮物、おでん、味噌汁の実、切干大根に毎日の食卓に欠かせない食材です。これからの季節、特に欠かせません。

 

ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。

 


コメント    この記事についてブログを書く
« [デセン酸]食生活について語ろう | トップ | [岩茸]食生活について語ろう »

コメントを投稿

美容ダイエット」カテゴリの最新記事