・車蝦Tiger prawn, Kuruma prawn,Bamboo prawn くるまえび
クルマエビ科、東北中部以南の沿岸、水深100mの砂泥地に生息するが東南アジアでの養殖が盛んで多くを輸入している。
夜行性で雌は卵を抱かずに受精卵を一気に放してしまい、メスがオスより大きくなる。体長20cm、生息地によって青灰色から茶褐色をして光沢があり横縞があるのを特徴とする。体を丸めると車輪のようにみえることから名前がついたという。
成長により呼び名が変わり5~6cmサイマキ(細巻)・コマキ(小巻)、10cmマキ(巻)・チュウマキ(中巻)、それ以上でのものをクルマエビ、さらに大きくなると大車(おおぐるま)とも呼ばれる。寿命は1~3年と短い。明治38年に熊本で畜養が、その後に養殖も行われている。「天草の車えび」として県の魚の指定を受けている。
最近はクルマエビの値が高く、代用とし大形の大正蝦(タイショウエビ)で別名はコウライエビ(高麗蝦)といい、朝鮮半島の渤海(ぼっかい)・東シナ海などで捕獲したものが出回る。晩秋から春にかけてを旬とし名前の由来は大正時代に日本に入ってきたことからとしている。
車エビの産卵が6月から8月にかけて活発に行なわれ4月より10月頃までを旬とする。 クルマエビが美味しい旬は晩秋から冬。これは水温が下がり冬の冬眠期になるとクルマエビに含まれている甘味を感じるアミノ酸のグリシンが最も多くなる。
海老の中でイセエビとともに高級食材として淡白で最も美味とされ旨みを主体にした刺身、寿司だね、焼き物、煮物、フライ、天ぷらにしている。生きたもののおどりぐいがおこなわれるが味の低下、腐敗が起こりやすいことから新鮮なもの、調理に急速冷凍されたものを用いる。
100g中生でエネルギー97cal,水分76.1g,蛋白質21.6g,脂質0.6g,炭水化物Trg,灰分1.7gを含む。旨みの成分は、グルタミン酸(神経伝達物質)、ベタイン(肝機能改善)、アルギニン(成長ホルモンの分泌を促す)が多い。
&クルマエビ科Penaeidae くるまえびか、
動物界Animalia、節足動物門Arthropoda、甲殻亜門 Crustacea、軟甲綱(エビ綱)Malacostraca、十脚目(エビ目)Decapoda、根鰓亜目(こんさいあもく:クルマエビ亜目)Dendrobranchiata、クルマエビ上科 Penaeoidea、クルマエビ科(ウシエビ科)Penaeidaeとなる。
根鰓亜目(クルマエビ亜目)は受精卵を海中に放出し、卵の時期からプランクトンとして浮遊生活を送る。エビ亜目は卵を腹肢に抱えて保護する。クルマエビ科は49属が知られる。
体長は数cm程度のものから30cmに達するものまで種類によって異なるが、同種内ではメスの方がオスよりも大きい。完全に淡水のみで生活する種類はいないが、クルマエビ Marsupenaeus japonicus、ウシエビ属 Penaeus、ヨシエビ属 Metapenaeus 等の沿岸生種は汽水域や淡水域にもみられる。
昼は砂泥底に潜(ひそ)み眼だけを出して休み夜に歩いて動き出し、貝類や多毛類等の小動物、藻類も食べる。遊泳類のエビの種類で車エビ、大正エビ、ブラックタイガー(ウシエビ)が知られる。
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