Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

「子どもに対する理解」の変化…

2009-11-30 12:21:50 | 子育て
落ち着いた雰囲気のキャンパスの学習院大学の西2号館の501教室で

学習院大学と豊島区主催の「としまコミュニティ大学講座」を受講してまいりました。



滝川一廣先生に初めてお会いしたのは、2006年の7月…


「人間学アカデミー」のシンポジウムの打ち上げに、スクーリングの後邪魔した際です。

そのあと、確か一昨年と今年とシンポジウムに伺いましたので、これで4回目になります。


今回のご講義のテーマは「事件の中の子どもたち」で、「子どもの犯罪の推移」などの
様々なデータをもとにして、主に「戦後の社会構造の変化」や
大人や親側の「子どもに対する理解の変化」や「子育てをする際の意識の変化」などについて

丁寧にお話をしてくださいました。

未成年による凶悪な犯罪や殺人自体は、減っていること

また、昔から、「理不尽な、理解できないような事件はあった」という事実と

現在までの「子どもへの温かく丁寧な子育て」を活かしながら

「成長の途中にある子どもたちの成熟」を促すように
教育し育てていくような関わりが大切であるとおっしゃっていました。


今、ちょうど「子育て支援者養成講座」にも参加して

子どもたちの置かれている社会状況や子どもたちの様子について、お聞きしていましたが

今回、改めて自分の中で整理できたように感じました。

「社会構造や産業構造や価値観の大きな変化」の時期に犯罪がピークを示す

1940年代 :敗戦の混乱期

1950年後半から1960年代:第一次産業(農業など)⇒第2次産業(工業化)

1970年後半から1980年代:⇒第3次産業(サービス)高度消費社会 

          以前は憚られた「わがまま・ぜいたく」という考え方が

         「自分の欲求や自分に正直、自分を大事にする」価値観へと変換した。


子どもに対する「子ども観」も、

以前は「子どもは、とんでもないこと分別のないことをするもの」という理解だった。

経済的安定に伴って、ゆとりのある「豊かで丁寧な子育て」をするようになり

「子どもたちも大人しくて優しく」なったが、
半面「デリケートで傷つきやすい」側面を持つようになった。

一方、最近のように「日本での貧困率17%」というように

経済的な厳しさによって、ゆとりがなくなって
「したくても丁寧な子育てがしにくくなる」さらに少子化の傾向になったり

「虐待」などに結び付くケースも出てくるが、
そのためには「社会構造や支える仕組み」によるネットワークが必要になる。


最後に発達障害についてのご質問が出ましたが

まず、発達の遅れを持つ方が ・犯罪を犯す
                  ・犯罪の被害者になる
                  ・冤罪事件に巻き込まれる ことがある。

現在の「消費産業」では、ヒトの欲求や欲望を、察したり引き出したり煽ったり…
という対人関係の能力が求められるので

その部分に苦手がある人たちには、適応の難しい側面があるが

得意なことを生かして、農業や職人さんのような「モノづくり(生産)」や
「知的生産」に携わるなど、

「できることを評価し居場所を保証すること」が大切ではないでしょうか。

と、締めくくられました。


なるほど…と、府に落ちることがいくつもあって

大人側の「子どもに対する理解が変わったこと」と「子どもの変化」は

裏表一体なのかもしれない…

「子どもの子どもらしさ」」って、何なんだろう…と

昔「子どもだった自分」を想いだしながら、改めて考えさせられました。


それから、ご質問できませんでしたが

「子どもから大人への『成熟する過程』について」

具体的には、どんな方向性が目指されているのか?

どんなことを、すればいいのかしら?ということが気にかかりました。


そして、今現在の社会の変化の方向は、逆戻りすることはできませんから

多くの方々が様々なご意見を出し合いながら、色々な手立てを講じたり、観方を整理していくことで

それが、多様なカタチになるとしても

少なくとも、より良いと考えられる方向に変えていくことができますように!!!



ところで、経済的な価値だけではない(まぁ、まずは付随するものかもしれませんけれど…)

「生きがいややりがいや歓び」を感じられる

それも「自分の喜びと他者の喜び」をつないだり、

お互いのそれぞれの存在に価値を認め合えるような「社会の構造変化」が

起きてくる可能性って、あるのでしょうか…


そんなことを、ふと考えている私です…



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。