白マムの以心伝心

タイトル「日本のこと 日本のもの」
をあらためました。
オーフェン・マムの
とりとめのない雑多なブログです。

奈良 円照寺 (通称 山村御殿) その1

2012-02-01 20:13:21 | 円照寺・興福院・正暦寺
<お知らせ>
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宜しくお願いします。
マムより

  




<奈良 普門山 圓照寺>






奈良市山町1312
近鉄奈良駅より「山村町」行きバス
円照寺前下車徒歩5分


山号 普門山
宗派 臨済宗妙心寺派
本尊 如意輪観音
*  華道「山村御流」の家元
*  山門より先は非公開






円照寺は
斑鳩の中宮寺、佐保路の法華寺と共に大和三門跡
と呼ばれる皇族や元貴族が住職を務める門跡寺院
です。

歴史的は三門跡寺のなかで一番新しい・・・、
といっても1640年、後水尾天皇の第1皇女であった文智女王
が出家されて庵を結ばれたのがはじめの古刹です。


この円照寺は、奈良市郊外の山村(やまむら)にまるで身を
かくすようにひっそりと堂宇を展開しています。

一般に知られるようになったのは三島由紀夫の
最後の作となった「豊饒の海(ほうじょうのうみ)」
4部作のなかに登場する月修寺はこの円照寺が
モデルということが広まったことと、

前門跡山本静山尼(平成2年入寂)さまが
昭和天皇のお妹(絲子さま)ではないかという
本が出版されたこと、



昭和天皇の妹君
・・・謎につつまれた悲劇の皇女
(文春文庫)河原敏明著



に、つきるように思います。







近鉄奈良駅前から山村行きのバスに乗り
20分ほどで、円照寺バス停に到着します。
運賃は200円。


奈良駅からさほど遠いとはいえないのに
なにもない淋しい風景です。








バスを降りると整然とした石畳の参道が目の前に
あらわれます。


あたりはとても静かで1歩足が進むごとに
世俗から遠のいていくのがわかります。

昭和天皇の妹ではといわれた静山尼さまは
8才にして京都の男爵であった養父母の
もとから離されて得度をされ、この森閑とした寺で
小学校にも上がらず79歳の生涯を終えられて
います。







*沼があった。沼辺の大きな栗の強い緑のかげに休んだのであるが、
風ひとつなくて、水すましの描く青黄いろい沼の一角に、
枯れた松が横倒しになって、橋のように懸っているのを見た。*



三島由紀夫の4部作の<天人五衰>のなかの描写通り
参道右手に青緑色の陰鬱な沼が広がっていました。



石畳は砂利となり
先に進むにつれて緑は濃くのしかかり
空気がすべてを拒絶するような冷たいものに
変わっていくのを感じます。











*その杉木立の暗みの中を、白い蝶がよろめき飛んだ。
点滴のように落ちた日ざしのために燦と光る羊歯の上を、
奥の黒門のほうへ、低くよろばい飛んだ。<天人五衰>より*







お小さかった静山尼さまは乳母に連れられて
この寺に入られたその夜、乳母と布団に
入られて寝入られたといいます。
夜中に目が覚めると乳母がいない・・・。


泣き叫びながら部屋から部屋を探したと
後年記述されています。










*車寄せの陸舟松が奥に見透かされる山門に立ったとき、現実に自分の身が
ここにあることを本多は殆ど信じかねた。<天人五衰より>*







参道入り口には通行禁止の立て看板。
そして山門にも拝観不可の札。
が、
その流麗な文字ゆえにか嫌な気持ちは
一切おきません。




















次回は山門をくぐり境内をご案内します。                          次回



  






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