遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

メロトゲニ『こぼれた街と、朝の果て。 ~その偏愛と考察~』(TGR2019)

2019-12-03 21:38:26 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/11/27

・気がつくと鎖に繋がれていた男女が、原因究明や脱出を目指して右往左往する話。

・まず、雑な感じでそのへんにいる人たちの記憶を飛ばして一か所に集め、鎖に繋いでみた、という感じの不条理な状況。

・見た目も登場人物の目的もわかりやすく、不条理のオープニングとしても、とても優れている。

・いかにも意味ありげで、目下何の役にも立たなそうなアイテムが箱に入っている。やったことないけど、リアル脱出ゲームってこんな感じだと想像。

・不条理な状況だからこそ、演技はリアル度高め。

・各人が意識を取り戻してから、状況に戸惑い、記憶をたどり、混乱する。そのリアクションを丁寧に描いているので、臨場感を持って楽しめる。

・これだけ設定が強いと、その説明で手一杯になりそうなところ、役者さんの気の利いた演技でエンタメとしての強度も高い。

・氏次啓くんの床ドンとか、白鳥雄介くんのギョッとする姿勢からの話の割り込み方、廣瀬詩映莉さんと片山英紀さんとの掛け合い、「タピッ」などなど。

・深刻な空気を壊せない中でも、うまくスキをついて面白いことを差し込んでくる。

・手数の多そうな演者たちなので演出の取捨選択がいいのかも。

・早めに構造をほのめかしていくのもクレバーな方針。

・食事やトイレの話がうやむやになっているのも、ソフトな伏線。

・情報の小出しの仕方がうまい。設定的には、それこそ「どこにでもある話」なので引っ張る意味がない。

・そして、盛り上がりどころは別にちゃんと用意している。

・コマ切れのセリフが重なっていくところのスピード感。かっこいい。

・判明した状況そのものよりも、判明のさせ方が良かった。

・アキラさんの最後の行動、自分だったら書けない生々しさ。

・多くの人が経験するであろう「どこにでもある話」を、どこにもなさそうな方法できれいに組みなおす。

・遠くの不条理と思って楽しんでいたら、いつの間にかすぐ隣に座っていた感じでヒャッとなる。

2019/11/29 20:00の回)

■CAST
コマチ:原彩弓(メロトゲニ)
アキラ:まちだまちこ(メロトゲニ)
マルカワ:白鳥雄介(メロトゲニ)
ナオユキ:戸澤亮(NEXTAGE)
タカノ:青地洋
サリ:廣瀬詩映莉
アヤメ:西澤香夏(ソラカメ)
ナギ:山田桃子(ブルドッキングヘッドロック)
ハマタニ:片山英紀(劇団ピーチロック)
ショウ:田畑賢人

札幌公演限定キャスト
ユキノ:五十嵐穂
マミコ:泉香奈子(パインソー)
サノ:氏次啓


■STAFF
作・演出:村田こけし(メロトゲニ)
音楽:森脩平(本棚のモヨコ)
振付:めんたいこ(メロトゲニ)
舞台監督(東京):中野雄斗(株式会社ステージワークURAK)
舞台監督(札幌):上田知
照明(東京):川島唯
照明(札幌):高橋正和
音響(東京):島村幸宏
音響(札幌):奥山奈々(Pylon inc.)
舞台美術・宣伝美術:金子ゆり(メロトゲニ)
宣伝写真:金子ゆり(メロトゲニ)奥山奈々(Pylon inc.)
映像:22エモン(トウキョウトガリネズミ)
制作:白鳥雄介(メロトゲニ)岩間麻衣子(大人の麦茶)中野莉久 午来有彩
札幌制作:寺地ユイ(きまぐれポニーテール)鎌塚慎平(木製・ボイジャー14号)主催:メロトゲニ 

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)


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