遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

フランシス・フォード・コッポラ監督『ゴッドファーザー』(1972年)

2017-01-31 15:39:45 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

The Godfather (1972) - Trailer

2017/1/31

アメリカのマフィア、コルレオーネファミリーの代替わりを3時間かけてじっくり描いた話。

案外、最初のドンが親しみやすい。

見た目も話し方も気のいいおじいちゃんという感じで、些事に振り回されていたり、薬の売買は拒否したりする。

一方で、冷静に脅迫用の「小道具」を見つける有能な部下がいたりするところ。

朝、起きたら手が血でベトベトって嫌すぎる。

もともとマフィアだと思って見ているから多少悪いことしてても平気だし、ちょっと仁義通しただけでも善人に見える。

食卓の狭さにファミリーの結束が見える。

中盤以降の人間関係が複雑すぎて飲み込めず。

それでも、跡取りのマイケルは有能でかっこいいし、このジャンル独特の次々と人が死んでいくことによるテンポのよさで、何とか最後まで見ることが出来た。

「シチリア女はショットガンより危ないぞ」とイタリア人に言わせるのは相当だと思う。

ゴッド・ファーザー (字幕版)
クリエーター情報なし
メーカー情報なし
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

森崎東監督『男はつらいよ フーテンの寅』(1970年)

2017-01-30 21:41:39 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

男はつらいよ フーテンの寅 HDリマスター版(第3作)

2017/1/30

渡世人の寅次郎が、旅館の女将に惚れて番頭役を請け負うが、結局フラれる話。

寅次郎が久々に「とらや」に帰ってくる→大しくじりしてまた旅に出る→本格的に「マドンナ」と仲良くなるが、フラれる…というのが、一応ここまでのテンプレになっている。

あいかわらず寅次郎の調子のよすぎるところは辟易としてしまうが、愛嬌と頼りがい、自分は決しておいしいところを持っていかないところでバランスを取っている。

お見合いの件でのタコ社長もかなりひどい。

助け合ったり、迷惑を掛け合ったりするところが、当時の人間関係として自然なんだろうと思うと、寅次郎のやってることも許せるような気がする。

実際に金を払うことになった、とらやの皆さんはほんと気の毒だけど。

叔父(森川信)の「知らねえよ、俺ぁ~」「バカだねぇ。ほんとバカだねぇ」がだんだんクセになってくる。

松竹 寅さんシリーズ 男はつらいよ フーテンの寅 [DVD]
クリエーター情報なし
松竹
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山田洋次監督『続・男はつらいよ』(1969年)

2017-01-29 00:20:22 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

車寅次郎らしさ 第2作 続・男はつらいよ

2017/1/28

渡世人の寅次郎が、学生時代の恩師に再会して娘ともども仲良くなっていく話。

恩師は東野英治郎。

「マドンナ」は彼の娘で佐藤オリエ。

寅次郎が母親と再会するという話の中軸になりそうなところは、ポイントだけ抑えて、あくまでも師弟の友情を描いている。

ただの命令形に愛情が込められる恩師の貫禄。

あいかわらず寅次郎は勝手でどうしようもないけど、前作よりひどい目にあっていたり、葬式を取り仕切ったりと、「愛嬌」や「頼りがい」も見えてくる。

娘は、思わせぶりな態度を取りすぎ。

前作は結婚式、今回は葬式。そして母親との再会。

人生におけるベタに劇的なシーンを真正面から描いている。

渥美清の母親がミヤコ蝶々。似ている。

連れ込み旅館の雰囲気とうなぎのエピソードの唐突さが好み。

「ネバ!ネバ!」

松竹 寅さんシリーズ 続・男はつらいよ [DVD]
クリエーター情報なし
松竹
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

yhs『夢見がち学園の華麗なる一日』

2017-01-27 22:05:02 | 演劇を見てきた

2017/1/27

yhsの若手4人が同じクラスの高校生という体で学園生活の各シーンを演じるオムニバス。

かなり序盤でゲストの先輩役者が大喜利を出題したり、学園長こと南参さんが「ロシアン鮪の握り」を始めたりと、演技とアドリブが混在する大らかな雰囲気。

おかげでかわいらしく個性的な4人をじっくり観察できた。

大喜利は佐藤杜花さんの活躍が光った。

Q:人気者かるたの「お」を教えてください。

A:おいなりさん皮の中身はテレサテン

おかげで先生のほうがかなりやりにくそうだった。

ほか、駄洒落指南、行方不明松尾、肝弁当通風など。

「名前だけでも覚えて帰ってくださいね」的な役者名と役名を一致させているところや、始まる前にババ抜きして助走タイムを作っているところに、演出の優しさを感じる。

当然、映像使うんだろうと思って不思議がっていたら、普通にミスだった。言わなきゃいいのに正直。

※欲求にまかせて描いた。完全に素人仕事。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『あたらしい憲法の話』(戯曲)

2017-01-27 07:35:15 | 読書感想文

作/柴幸男・「あたらしい憲法の話」出演者  原作『あたらしい憲法のはなし』『日本国憲法』」

 

2016/1/24

人が国民として生きていくことを極めて抽象化して見せる話。

抽象化は演劇というジャンルが得意とするところ。演劇の場合、見せたくないところは見せないで済む。

物事の「構造」だけを取り出すのに適している。

映画やテレビドラマだとどんなに抽象化した話を作りたくても、画面の端々に余計な情報が映ってしまう。

本作では、国とは国民とはという、他ジャンルの表現ではなかなか難しい大きなテーマを、その構造を取り出す力で表現している。

狭いところに人が集まってくる。人が集まればトラブルが増える。

見ている側にとっても、徐々にストレスが溜まってくる。

しかし、ある登場人物が現れ、思わぬポジティブな収束を迎える。

読むだけでも面白いが、水をばしゃばしゃかけあう様子も楽しそう。

ままごと「戯曲公開プロジェクト」

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山田洋次監督『男はつらいよ』(1969年)

2017-01-26 00:15:17 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

男はつらいよ HDリマスター版(第1作) ※予告編かっこいい。

2017/1/25

久々に故郷に帰ってきた露天商の寅次郎が、妹の交際や自身の恋に空回りする話。

この寅次郎が、今の感覚だと信じられないくらい口が悪くてえげつない。

家族だったら絶対イヤ。

結果的にまとまったから良かったものの、妹のさくらはもっと怒っていいと思う。

さくらはほんとに美人。似てない。

名作シリーズの第一作の割には話のバランスが悪い。

終盤の結婚式シーンでいきなり出てきた婿の父親、志水喬が強引に話をまとめていた。

寅次郎はさっきまで陰口たたいていたのに、すぐそれにのっかっているのも調子よすぎる。

余興四人組がかわいい。すいかの名産地。

寅次郎は、身内だといやだけど、物語の登場人物としては面白い典型だと思う。

なにぶん半世紀近く前の作品なので、共感できないところはひとまず置いて、以後シリーズも追ってみたい。

※仮に露天商としたけど、違う気がする。

男はつらいよ HDリマスター版(第1作)
クリエーター情報なし
メーカー情報なし
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モーガン・スパーロック監督『ラッツ』(2016年)

2017-01-25 00:07:42 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

Morgan Spurlocks RATS Trailer (2016) Documentary Movie ※このトレーラー、サービスしすぎ。

2017/1/24

世界各地のネズミ駆除の様子を集めたドキュメンタリー作品。

全体的にホラー映画のような効果音や構図で、恐怖感をガンガン煽っている。味付けが濃い。

映像自体にはそんなに手を入れていないと思うけど、水洗便所からネズミが這い出てくるところは、本気にしていいかどうか迷う。

他にもいろいろショッキングな映像を集めている。

アメリカの街中に積んである黒いゴミ袋を蹴っ飛ばすと中にいた大量のネズミが排水溝へ逃げていくところ、捕まえたネズミを解剖すると寄生虫でいっぱいなところ、駆除剤に耐性のついたネズミを捕食した大型動物がその毒で死んで腐乱しているところ、インドのネズミ寺など。

特にイギリスでのヨークシャーテリアの集団によるネズミ狩りが怖い。

見た目はかわいい小型犬なのに、ネズミを見つけると狂喜して奪い合う。

ベトナムだと、そんなネズミをさばいて食っちゃうんだから、ほんとたくましい。

※関係ないけど、同名のパニック映画(たぶん)を見つけた。

ラッツ [DVD]
クリエーター情報なし
クリエイティブアクザ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジョン・キース・ワッソン、ジェーン・ウェルズ監督『売春 闇の巨大産業』(2013年)

2017-01-24 08:45:27 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2017/1/24

・アメリカの売春婦とその関係者のインタビューで構成したドキュメンタリー。

・売春というと、売り手と買い手がいるところまでは想像するまでもないけど、その間にいる「ポン引き(pimps)」の存在がとても重要。

・日本語の「ポン引き」とは結構ニュアンスが違う気がする。

・彼らは、まず男女の関係として女性と仲良くなる。金銭的な援助もする。それから金を稼ごうと持ちかける。

・そうなると逃げられない。

・すでに情もあるし経済的な恩もある。

・後ろめたいから家族にも相談しにくい。

・それから暴力的な支配に入る。

・女性は、騙されたことにも気づかず、売春を続ける。

・騙されたことに気づいても、なかなかそれを認めることが出来ない。

・おしりにポン引きの名前のタトゥーを入れている女性も出てきたけど、気の毒としか言いようがない。

・このへんの感覚は前に見た『CHAT チャット ~罠に落ちた美少女~』で見た感じと一致する。

・カルトに似ている。

・DVの構造にも似ている。

・同じようなことは、日本でも多そう。

・ただ、日本だと売春は貧困の問題なのに対して、アメリカでは人身売買の感覚が強い。

・生活のためにやむにやまれず…ではなく、金儲け、成り上がりの手段。

・それは売春婦にとってではなく、ポン引きにとっての話。女性はあくまで売り物。

・人を人と思わない感覚はアメリカのほうが強いかも。

・11歳から売春をやらされた女性も登場する。同年代の子は他にもたくさんいたと言うけど、さすがに日本ではありえないと思う。

・本作は、売春を絶対悪として描いているけど、仮に撲滅できても、生活ができなくなる人が続出するはず。

・大麻みたいに合法化する話も出ていたけど、被害者がいる話なので、そちらも簡単ではない。

・旗幟鮮明なのは、アメリカのドキュメンタリーの特徴っぽい。個人的にはそのほうが考えやすいので好み。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケヴィン・マクドナルド監督『空のハシゴ』(2016年)

2017-01-21 23:49:56 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

蔡國強展:帰去来

2017/1/21

ツァイ・グオチャンによる芸術作品「スカイラダー」の製作を映したドキュメンタリー。

絵の具は火薬。キャンパスは空。

空に向かって直立するハシゴを作る。

思ったよりも完璧で巨大だった。

スケールが大きすぎる。

他の火薬を使った作品もすごい。こわい。

火薬と煙で空に巨大なエチゼンクラゲみたいな物体が生まれる。

それがちゃんと絵画に見える。

前情報なかったらどれもテロを疑うくらい派手で物々しい。

北京オリンピック開閉会式でパフォーマンスをやって批判されていたのが、考えさせられる。

「他のオリンピックだって芸術家が参加している」と反論していたけど、北京の場合は、オリンピックで不幸になった人がたくさんいたから問題になったのであって。

ここまで空間を完全に支配できる人材はそうそういないだろうから国のほうは利用したいだろうし、距離感が難しそう。

※動画は横浜美術館から。日本に住んでいたこともあった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジェレミー・コナー監督『ファニー・オア・ダイ ドナルド・トランプのアメリカを変えちゃう男 ザ・ムービー』(2016年)

2017-01-20 22:55:51 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

Funny Or Die Presents Donald Trump’s The Art Of The Deal: The Movie Trailer

2017/1/20

「ドナルド・トランプが自ら脚本・監督・主演で作った映画のビデオテープ」を見つけたので、みんなで見てみよう…という体の映画。

そういう作品なので、主演のドナルド・トランプは本物のジョニー・デップが演じている。わけがわからない。

トランプがタージマハールがほしいと言っていても、発想がぶっ飛びすぎていてギャグなんだか何なんだかよくわからず、困惑する。

たぶんアメリカに詳しい人なら、風刺として楽しめるんだと思う。

たとえば、日本の総理大臣でこんな映画を作ったら、死人が出るレベルで炎上するので、見ているほうも心の準備が追いつかない。

トランプが差別的なことばっかりしているくらいなら風刺の範囲だけど、ウンコネタまで行くと、ただの子供の悪口じゃないかとも思ってしまう。

表現の風通しがいいのはいいことだけど、刹那的なガス抜きにすぎないという感じもする。

※現代は『Funny Or Die Presents Donald Trump’s The Art Of The Deal: The Movie』。長い。本人の著書名をもじっている。

Trump: The Art of the Deal
クリエーター情報なし
Ballantine Books
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする