遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

intro『蒸発』(観フェス2017)

2017-02-28 21:16:05 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:intro『蒸発』(有料)地域:北海道

2017/2/27

2011年の公演を劇場でも見ている。

雨漏りのひどい家で暮らす母と犬のところに、息子夫婦が帰省してくる話。

無気力な兄、一見まともな弟、潔癖な嫁、妙に馴れ馴れしいかつての同級生たち。

癖の強い人たちが癖の強い動きをする。

特に男連中がクネクネしている。

終盤お母さんもクネクネするので心象表現のひとつなんだろうけど、作者から観た「男」をデフォルメした姿だと思ったほうが納得できる。

急にそれらしいことを言って仕切りだす兄に笑ってしまう。確かにそういう人はいる。

終盤の渾身の一人語りに、周りのひとたちの「体を掻くだけ」というリアクションが斬新。

ざっくり解釈すると心の時間が止まった人たちの話ということでいいと思う。

止まったままだとボロボロになって腐るというところまで描かれている。

最後に登場する小道具が演劇そのもののメタファーだったりするのかな。「祭り」は大事。

================メモ================

「芸術」に投票

上演時間:1:27:20

公演時期:2015/8/6

作者・演出:イトウワカナ

過去記事:intro「蒸発」※同じようなこと書いている。

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ななめ45°『For スマイル(日本語音声字幕付)』(観フェス2017)

2017-02-27 21:32:04 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:ななめ45°『For スマイル(日本語音声字幕付)』(有料)地域:関西

2017/2/27

海のそばに住む男が、釣りをしたり泳いだり、過去を懐かしんだり寂しがったりする話。

ひとつの話で1時間というのは、パントマイムとしては長尺の部類。

普通お話を作るときは、動きや言葉、絵、音を使って表現するけど、パントマイムの場合、動きと音しかない。

なので説明的、記号的になるのは仕方ないんだけど、本作の場合は、表現の抽象度を高くしているので、そのへんのストレスが少ない。

ただ、わからない人は置いてく感じ。

何をしているのかよくわからない動作が結構多くて困った。集中力がいる。

当たり前といえば当たり前だけど、本来、PCの画面で見るような話ではないのかも。

映写機の子供が育っていくパートくらい単純化してもらえれば、素直に楽める感じになる。

観劇三昧のおすすめポイントなど読んで、これも311以降の話なのかなと思う。

あるのなら台本を読んで答えあわせしたい。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:02:16

公演時期:2015/05/08

作者・演出・キャスト:白木原 一仁

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告知・札幌オーギリング『正規軍興行』

2017-02-26 23:59:59 | 告知

2017/2/19

当ブログは、基本的に遠藤の備忘録ですが、ごくたまに告知をします。

来る2月26日の日曜日、札幌オーギリングの正規軍興行に参戦させていただきます。

今回は「正規軍」の一員として、悪の大喜利軍団「aWo」との対抗戦を行います。

悪とは言うものの、抜群のチームワークを誇るaWoはとても優れた大喜利ユニットです。

彼らのパフォーマンスが、札幌オーギリングをただの大喜利イベントに収まらない存在にしていると言っても過言ではありません。

私自身は気持ちが空回りするタイプなので、敵対心よりも、愛情と尊敬をこめて彼らと戦いたいと思います。

ちなみに、来月、別口で東海エリアの劇作家が北海道に攻めてくるらしいです。

札幌を拠点として活動する劇作家として、札幌オーギリングのファイターとして、しっかり研鑽を積んで迎え撃ちたいと思います。


詳細はこちら。

札幌オーギリング 「正規軍興行」

 

札幌の大喜利ファイターが集結!
ストーリーのある大喜利対決のみのお笑いライブ!

 

2016年12月の興行で、ベルトを手にした楽太郎が宣言したのは「札幌オーギリング正規軍」の復活であった。
aWoの結束力や惡魔倶楽部の登場による“悪”に対抗するため、「楽太郎と愉快なおじさんたち」と「38万パワーズ」が手を組んだ。
復活した正規軍による自主興行が初開催となる。
「新生・正規軍」の初陣。どんな大喜利対戦となるのか?!
また、同日には、正規軍の選手が参加しての「札幌オーギリング ベストバウト上映会」も開催される。

 

2017年2月26日(日)
【ベストバウト上映会】12:45開場/13:00スタート
【正規軍興行】 17:30開場/18:00スタート

<会場>
演劇専用小劇場BLOCH
(札幌市中央区北3条東5丁目岩佐ビル1F)

<チケット>
【上 映 会】 500円
【正規軍興行】1200円
【通 し 券】1500円
(当日料金 各200円増)


<出場予定選手>
楽太郎/三上 翔/鈴木/ヤギハツマ/安楽光/澤田へそ太郎/
GJ/遠藤雷太/日野ヤヨイ/安藤友樹/ぞえちゃん
菊池旭/小原アルト/山本輔/佐々木さん/小林つばさ/及川広大
ミウラ・ネーロ・ディ・セッピア/ドン・サトシーノ
※上映会の出演者確定次第、HP上でお知らせいたします。

<進行>
氏次啓/コタロー。/盛合でぇすけ / 上田龍成
(出場予定選手は変更になる場合がございます)

<問い合わせ先>
(WEB)http://ogiring.com/
(TEL) 080-6064-4316
(E-mail)wavision.info@gmail.com

 ご予約はこちらから

http://ogiring.com/archives/1070

※画面下部に予約フォームがあります。

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激団しろっとそん『チョコレートタウンとトラブルカカオ』(観フェス2017)

2017-02-26 09:20:46 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:激団しろっとそん『チョコレートタウンとトラブルカカオ』(有料)地域:関西

2017/2/24

アイドルのアポロを助けるため、友人たちが特殊能力「カカオマジック」を使って、「トラブルカカオ」の謎を解こうとする話。

動画の尺は114分で、この本編は60分くらい。

20分を軽く超える二段階前説から本編、本編が終わってもオマケコーナーが30分ある。

公演は「文化祭」と称し、お客さんには「保護者」というロールプレイを求める。

心の距離を置いて観たら負けという感じ。

最初の前説師の安定感。

「しろっとそんは臆病な生き物ですね。みなさまの話し声や携帯電話の音に驚いて威嚇行動を取ります。」のようなことを言っていた。

アポロ、カプリコ、アルフォート、ホワイトロリータ、LOOKという絶妙にいい感じのお菓子を登場人物名にしている。

話はまどマギっぽい。

終始、女の子たちがキャッキャ言ってる。眩しい。

狭い舞台は大阪に多い気がするけど、お笑い用だったりもするんだろうか。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:54:33

公演時期:2016/02/13

作者・演出:大牧ぽるん

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オパンポン創造社『オパンポン☆ナイトvol.3〜曖昧模糊〜』

2017-02-25 00:31:52 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:オパンポン創造社『オパンポン☆ナイトvol.3〜曖昧模糊〜』(有料)地域:関西

2017/2/23

30分前後の長尺コント×4。

合計129分でたっぷり。

非関西人が関西人に求める面白さが詰まっていてケラケラ笑いながら見る。

笑いも感動も軽いけど、安っぽくはない。

4つのエピソードは一応独立しているけど、登場人物をスライドして登場させることで、大きな物語につなげていくやり方。

コントライブの定番っぽいけど、もしコントを書く機会があったらマネてみたい。

「掘る」というキーワードで繋いだのが巧み。

タイトルロールがばかばかしさを通り越して現代アートみたいになっててかっこよかった。

いくらPCの荒い画素だからって野村有志さんの肌がすべすべすぎる。

いろいろ対策をとってはいるんだろうけど、あの小さい面積でよくフォローできるなと感心。

自縛霊の場違い感がものすごいのに、時間がたつとちゃんと慣れたのにも驚いた。

================メモ================

「笑える賞」に投票

上演時間:02:09:24

公演時期:2014/05/16

作者・演出:野村有志

第一話「ヤーヤーヤー」 西川さやか×池下敦子×野村有志 他
第二話「オオカミ中年」浅雛拓×野村有志 他
第三話「ジョウキョウ日記」殿村ゆたか×池下敦子×野村有志 他
第四話「待アイ室」ジョニー大塚×野村有志 他

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VOGA『Social walk』(観フェス2017)

2017-02-24 08:29:02 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:VOGA『Social walk』(有料)地域:関西

2017/2/22

野外舞台で行われた群唱と踊り。物語らしい物語はない。

「本当に大切なものは目には見えない」という『星の王子様』のようなテーマで統一されている。と思う。

わずかに掛け合いがあるものの、基本的には詩と詩未満の単語、掛け声で構成されている。

どんな方針で書かれているんだろう。

演劇を見ることは作者の意図を当てるゲームではないんだけど、それでも考えざるを得ない仕組みになっている。わからなかったけど。

それでも、一目見れば、たくさんの関係者が膨大な時間を費やして作られた作品なのは明らか。

歌ではないけど、セリフと動きのリズムがよくて耳に残る。

野外舞台が祝祭感を後押しする。

あと、小道具の完成度が高い。鳥かご、お父さんグッズ、骨の質感。

お客さん、1回平均100人以上見ているそうだけど、どんなノリで見てたんだろうか。

================メモ================

「芸術賞」に投票

上演時間:01:34:29

公演時期:公演時期:2016/05/20

作者・演出:近藤和見

岩清水八幡宮

配役:
[少年] うめいまほ 野島健矢 西尾友希
[スペード] 渡辺綾子 岩本苑子 石川信子
[クラブ] 長谷川りか 小森ちひろ 香川由依
[ダイヤ] 日下七海 佐藤敦子 清水風花
[女] 西村麻生 今道鮎美 ままれ(チムチムサービス) 前田愛美
[男] 草壁カゲロヲ タナカ・G・ツヨシ 足立昌弥 荒木輝

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いしだくみ子一人芝居『女郎蜘蛛』(観フェス2017)

2017-02-24 00:26:04 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:いしだくみ子一人芝居『女郎蜘蛛』(有料)地域:関西

2017/2/22

遊郭の女郎が鏡の中の男に恋をする話。

装置というよりは大道具、ダンスというよりは舞踏という感じの風情。

一人芝居としては広い舞台。

垂らした布を上手く使って、見せ方にアクセントをつけている。

衣装もよく変わる。きらびやか。贅沢。

辛い境遇を、不思議な小道具を使って一時的にしのぐ話なので「マッチ売りの少女」と似た構造。

ただ、遊郭だからといって辛いかというと微妙なところで、もともと元気だった人が、不思議な小道具(鏡)を使ったせいで弱くなったようにも見える。

一人で女郎、鏡の男、遊郭の女将を演じる。

形式上、一人芝居の必然性はなさそうな感じだけど、悠々と各役を演じる。贅沢。

鏡の男がまたいい男で、確かに惚れてもおかしくなさそう。

長生きよりも恋を優先して身を滅ぼした大衆演劇らしいお話だった。

================メモ================

「観劇ビギナー賞」に投票

上演時間:01:31:56

公演時期:2013/12/06

作者・演出:いしだくみ子

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彗星マジック『ポストグラフ』(観フェス2017)

2017-02-23 23:43:15 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:彗星マジック『ポストグラフ』(有料)地域:関西

2017/2/22

絵を学びたいアルルという名前の女が、ゴッホをはじめとする画家たちのアトリエに住み込む話。

住んでいたのは、ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、ジュニアの四人。

アーティスト同士の共同生活といえば、この時代のフランスか、トキワ荘が思いつく。

才能があって売れている人、才能はあるのに売れない人、才能もなく売れない人、それぞれの葛藤。

型としてはほぼ同じだと思う。

かなり創作が入っているだろうけど、この分野はほとんど無知なので、モヤモヤする。

アルルもパリの近郊くらいに思ってググってみたら、全然違った。遠い。

こういう実在の伝説的な人物を据えて物語を作るのは憧れる。

どのくらいの量の資料を参照したらこのくらいの作品が作れるのか気になる。

================メモ================

「エンタメ賞」に投票

上演時間:01:50:09

公演時期:2015/01/24

作者・演出:勝山修平

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時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』(観フェス2017)

2017-02-23 00:44:40 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』(有料)地域:関東

2017/2/21

1920年代のソ連。アパートの女主人ゾーヤが自らの建物内でこっそりナイトクラブを始める話。

戯曲に関する前知識は全くないけど「これは面白い作品だ」という先入観を持ちながら見る。

古典はそのほうが楽しめる。

ただ、楽しむための補助線を上手に引くのが難しい。

社会主義国家であるソ連の当時の状況、自由のない社会の雰囲気を想像するのが多分大事。

ある程度なら、どんだけ彼女が無茶なことをやってることはわかる。

物語とは別に表現方法が楽しい。

顔のペイント。見た目の面白さと統一感を出すとともに、日本人がロシア人を演じる違和感を弱める工夫なのかも。

つけ鼻つけるよりよっぽど効果的。

方針として完全オーダーメイドの表現を目指しているように見える。

音響は生音だし、ドアの開け方、ナイフの刺し方、連行のされ方、ありがちな動作にも一工夫入っている。高級感ある

物語、演出、色々追求したくなる作品だった。

================メモ================

「芸術賞」に投票

上演時間:02:34:05

公演時期:2016/07/29

作者:ミハイル・ブルガーコフ

演出:黒澤世莉

原案:秋月準也

シアタークエスト

配役:

ゾーヤ:ヒザイミズキ※
オボリヤニーノフ:東谷英人(DULL-COLORED POP)
アメチストフ:菅野貴夫※
マリア:尾崎冴子※
ハレルヤ:堀田創(ECHOES)
ガソリン/婦人A:松井美宣※
エンジェル:木山廉彬
アーラ:五十嵐優
グース:得丸伸二(文学座)
リーザンカ・裁断師:中谷弥生
ミームラ・婦人C:海老原恒和
マダム・イヴァーノヴァ:白石花子(劇団民藝)
ロッベル/婦人A:佐藤幾優
イヴァン・ヴァシーリエヴィチ(死体男):綾田將一
アグネサ/詩人:大川翔子
麻薬吸引者:鈴木浩司※
ペストルーヒナ(捜査官):直江里美※
太った男(捜査官):國松卓※
ワーネチカ(捜査官):阿波屋鮎美※
※時間堂

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浮遊許可証『リーンカーネーション・ティーパーティー』(観フェス2017)

2017-02-22 12:00:03 | 観劇三昧:手のひら演劇フェスティバル

観劇三昧:浮遊許可証『リーンカーネーション・ティーパーティー』(有料)地域:関西

2017/2/20

戦時中、世の中の雰囲気に負けずに少女向けの小説を書く女性作家と、表向きは反対しながら陰で支える夫の話。

夫婦の関係をつなぐのは、人間のことが知りたくて人間に化けている狐。メルヘン。

メルヘンだけど、嫌いな人間に対抗するためには、嫌いな人間に化けででも人間に近づこうとする彼(彼女?)は、見上げた根性。

小さなスペースに凝った装置、かわいい衣装、第一に目で楽しめる。

そして、妻と夫、妻の編集者の三角関係がおいしいところ。

夫が身分と性別まで偽って彼女に応援はがきを書いているところが涙ぐましく、文学的な感じがして好き。

三角関係の残り一人、編集者は作中に出てこない。

キーになるもうひとりをあえて出さないのは、少人数で作品世界を広く見せる常套手段。

なのに、なかなか登場しない上原日呂さんが編集者役で出てくるもんだとばかり思っていた。ちょっと拍子抜け。

================メモ================

「観劇ビギナー賞」に投票

上演時間:01:37:19

公演時期:2014/02/21

作者・演出:坂本見花

公演時期:2014/02/21

オーバルシアター

配役※役名は動画内から勝手に引用
ニジコ先生:中村真利亜(TAKEITEASY!)
ソトムラ:山本禎顕(スクエア)※「やまもとよしあき」と読むそうです。
狐の弟子:丹下真寿美
配達員:上原日呂(月曜劇団)

※坂本さんは一人芝居『スクラップ・ベイビィ!』の作者でもある。

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