遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

メル・ギブソン監督『ハクソー・リッジ』

2017-06-26 10:01:43 | 映画を見てきた

『ハクソー・リッジ』本予告編

2017/6/26

・アメリカ人のデズモンドが、かたくなに銃を持つことを拒否しながらも、太平洋戦争の沖縄戦で衛生兵として活躍する話。

・実際にあった話を映画にしている。

・序盤は彼が軍隊に入るまで。

・信仰にしても医学にしてもそんなに強調されてなかったので、途中まで何の話かよくわからなかった。

・父親がオオカミウオに似ている。「世の中、<何事も経験>じゃすまねえぞ」という感じが顔からにじみ出ている。

・軍隊に入るころから、デズモンドの信念(狂気)が炸裂する。

・銃を持ちたくないのに入隊を希望する感覚はなかなか共感しがたい。

・自分が銃を持たなくても、敵味方さんざん殺し合うわけだから無意味と切り捨てるのは簡単。

・それでも銃を持たないというのは、個人でできる最大限の戦い。

・彼にとっての敵は日本軍ではなく、戦争そのものだと思えば納得できる。

・個人と集団の戦いでもあるし、人間の尊厳を保てるかどうかの戦いでもある。

・実際、敵味方問わず、あの場で殺し合った人たちの中には「戦争をしよう」と決めた人が誰もいない。

・現場の人はいつも大変。

・後の日本人が「物量が全然違うんだからアメリカに勝てるわけがない」と言うのは正論でも、アメリカ側からすると「現場はそんなに簡単じゃねえぞ」という話。

・自分があの場にいたら、崖から昇って5分以内に撃たれて死ぬ。仮に死ななくても間違えて味方撃ったり手榴弾を暴発させたり大活躍してしまいそう。

・自分は平和に生かされている。ありがたい。

・いくらなんでも崖が高すぎる。

・普段、あんまり戦争映画を見ないので、最新の戦場描写にたじろぐ。というか、完全に恐怖。

・人体の壊れ方は映像で見るのが一番伝わる。

・日本兵が悪役っぽく見えるのはデズモンドの視点から描いているからそうなるだけで、強調するポイントや見せる順番を変えるだけで印象はがらりと変わるはず。

・見る立場も作る立場も気をつけたい。

・一年に一回は見ておいたほうがいいタイプの映画。

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演劇公社ライトマン『そこは星のあわい』

2017-06-24 01:26:04 | 演劇を見てきた

2017/6/23

代々続く、やぐらで街を見守る仕事が時代とともに少しずつ変化していく話。

下手端に高いやぐら。単管で作った雲梯を天井すれすれに這わせてそのまま上手側に抜ける。

雲梯が案外高いし長い。

奥にはテラスのような演技スペースがあって、それをやぐらと雲梯が囲んでいる構図。

こんな無骨なプロセニアムアーチは初めて見た。(やぐらも演技スペースだけど)

「やぐらで街を見守る」という謎の仕事。見守るだけでなく、見下ろす存在。

終盤になると、彼らは見る側だけでなく、見られる側でもあるということもわかる。

このへんは、観客を作品内に取り込むための演劇らしい仕掛け。

会話はテンポというかスピード重視でちょいちょい振り落とされそうになる。

男女が三人集まるとそれだけで緊張感が出るのでホッとする。

最後は唐突な感じもするけど、中心人物三人の関係は清算できたのでいいのかも。

VSおかもちで笑った。

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ジェームズ・ガン監督『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

2017-06-23 23:56:50 | 映画を見てきた

アイツらが帰ってきた!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』予告編

2017/6/23

・ならず者集団のリーダーが、実の「父親」に遭遇するスペースオペラ。

・前作はDVDで視聴。

・いきなり巨大タコ型生物との戦い。

・軽薄なリーダー、真面目な女性戦士、頭の良くない筋肉男、凶暴なアライグマ、我関せずの植物クリーチャーの子ども。

・さくさく登場人物を紹介しつつ、ノリノリの曲とノリノリで踊るベビーグルードのかわいらしさで、見ているほうも序盤からノリノリになる。

・愉快そうに踊るベビーグルードの後ろで、ボコボコにされているクイルやドラックスが笑える。

・全体的に生死判定が甘いし物理法則を無視している。

・いくら宇宙服着てても、宇宙船であんなに牽引されたら体がちぎれて死ぬと思う。

・序盤にそんなシーンを置くことで、フィクションラインを確定させている。結果、派手派手になっている。

・触角光るのが不思議と色っぽい。

・細かいギャグが多くて終始ケラケラ笑いながら見る。

・口喧嘩中に「三角頭野郎」みたいなことを言われ、怒ることも忘れ「あれ、俺の顔三角だっけ?」みたいな感じで顔を触ってみるロケットがかわいい。

・「ベビーグルードのはじめてのおつかい」も、案外ギャグがきつくて笑った。

・ソヴリン星の軍隊がドローン兵器を思わせて新鮮なんだけど、兵士たちのノリが一昔前のゲーセンと完全に一致している。

・凶暴なロケットも殊勝なロケットもかわいい。

・ただ、バッテリー盗む理由がわかるようなわからないような感じ。説明はあるんだけどそれにしても。

・「ベビーグルードの二回目のおつかい」がきちんとできた理由がよくわからなかったけど、なにか説明あったのかな。

・テーマは家族。

・ピンチの半分が身から出たサビではあるんだけど、続編でもちゃんとタイトルどおり銀河を救っているのはえらい。

・エンドロールにおまけシーンをはさんで分割する見せ方はこれから流行りそう。

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遠藤まめた『先生と親のための LGBTガイド: もしあなたがカミングアウトされたなら』

2017-06-22 00:39:50 | 読書感想文

 

先生と親のための LGBTガイド: もしあなたがカミングアウトされたなら
クリエーター情報なし
合同出版

2017/6/21

LGBTを知るためのガイド本。

もともと知識のない子供や、立場的に学ぶ必要のあるのに他にやることがたくさんありそうな人に向けた本なので、とてもわかりやすい。

万能ではないけど、世の中を少しだけ確実に良くする地道な本。

ただ、個人的には、どうしても社会的な意義より興味のほうが先立ってしまう。

レズビアンやゲイ、バイセクシャルまではなんとなく想像できるけど、トランスジェンダーまでくると想像が追いつかない。

体が男性で心は女性だとして、心ってなんだろうと思ってしまうし、その人がレズビアンだったら、反対の反対で混乱してしまう。

そして、それを面白いと思ってしまう。

バイの人が男と女で二股かけてて、修羅場になったけど、責める男女が結託して恋に落ちるみたいな話はアリなのか、とか。

当事者じゃないので勉強は必要だけど、興味は尽きない。

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KPR/開幕ペナントレース『King Lear, SADAHARU ーリア王貞治ー』

2017-06-21 02:04:01 | 観劇三昧

観劇三昧:KPR/開幕ペナントレース『King Lear, SADAHARU ーリア王貞治ー』

2017/6/20

たくさんのリア王と一人の王貞治によるパフォーマンス。

リア王たちは、常に半裸で、叫び、もがき続ける。一方の王貞治は夢の象徴にも見える。

ただ、言うほどリア王の王貞治の要素は前面に出てこない。時々、思い出したように出てきて、かえってびっくりする。

検索すると、屋久杉で作った王貞治のサインバットは実在するようなので、気づかないだけで、もっとモチーフと作品に深いつながりがあるのかもしれない。

二人の王より、演出効果と役者陣の暴れっぷりが強烈。

演出に個性が強いと、同演出の作品間の個性が薄まるという問題。

ひとつの悪ふざけを子供のようなしつこさで繰り返す。

時々、繰り返しのギャグになっていて不意打ち的に笑ってしまう。

きちんと訓練をして臨んでいるはずなのに、その場その場の思いつきで動いているように見える。

演技にしても展開にしても作意が見えないので、どんな手順で作っているのかが気になる。

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草下シンヤ『裏のハローワーク』

2017-06-20 23:57:24 | 読書感想文

 

裏のハローワーク
クリエーター情報なし
彩図社

2017/6/20

危険な職業で収入を得ている人々のインタビュー本。

危険というのは、単に身体的に危険なマグロ漁船や治験バイトのような意味もあるし、マリファナ栽培や詐欺師など完全に非合法なものもある。

安全な日常に慣れてしまうと忘れがちな「この世の中には倫理的にありえないことが結構ある」という、ごく当たり前のことを思い出すことができる。

ついでにどの職種ならお話を作れるんだろうかということも考える。

もらった種を「何気なく、ティッシュを水に塗らして、包んでみたら、芽が出た」から始まるマリファナ栽培師のぼんやりした実話。

そこから、やめたいのにやめられないマリファナ栽培師の悲哀ならブラックなコメディが作れるのかも。たぶん、作らないけど。

2004年の本なので、飛田新地や裏ビデオ屋など、だいぶ状況が変わってしまっている職種も多そう。

2017年版をぜひ読みたい。

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劇団怪獣無法地帯『古事記殺人事件』

2017-06-17 00:02:05 | 演劇を見てきた

2017/6/16

・山村にやってきた民俗学者が、巫女の失踪やご神体の盗難など、色んな事件に巻き込まれていく話。

・昭和の探偵小説そのままのシチュエーションに、お客さんの期待を先取りするタイミングでギャグや演出効果をたたみかけ、最終的にいい湯加減のエンタメ作品に仕上げている。

・当たり前のようにやってるけどすごい。

・開場中は脚本演出の棚田さんが会場係。よくお客さんを話しかけながら誘導していた。ひょうひょうとしている。

・会場の空気がゆったりしている。いろんな劇団が公演している劇場で、会場に入っただけで怪獣無法地帯の演劇を見に来た気分になれるのがさすが。

・そのよく話しかける会場係が、ほとんど照明も変えずしれっと本編を始める。それで違和感がない。

・結構危なっかしいギャグもあるんだけど、ウケてもウケなくても雰囲気が冷めない。

・句読点みたいにギャグや演出効果を入れている。

・話のリズムを作るのに使っている感じなので、ウケなくても停滞しないということなんだと思う。

・手数も多い。

・飛び蹴りの無駄撃ちぶり。

・村長の「昭和の名士」感あふれる見た目。ひげと蝶ネクタイ。

・手紙を音読すると怒られる、演劇のお約束やぶり。

・スサノオの剣使いがキレキレ。

・みんな客いじり楽しそう。

・パンフのイラストの元ネタ大集合感と、本編そのものとはあんまり関係ない感じ。

・事件に絡めながら登場人物を紹介していくテンポの良さ。

・誘導されるままに席に座ったら、隣がyhsの南参さんだった。

・古事記とはいうけど、専門知識はほとんどいらない。

・それでも、真相部分に古事記の大ネタを絡めているので、抑えるべきところはきちんと抑えている。

・主人公の格を落とさずピンチに陥れる終盤の仕掛け。

・全体的に雰囲気はゆるいのに安心感がすごい。

・作品作りの安全なところと危険なところを見切っている感じ。

・憧れるけど、この雰囲気を素人がヘタに真似しようとすると、事故起こしそう。

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北野麦酒『北海道 ジンギスカン四方山話』

2017-06-16 00:30:28 | 読書感想文

 

北海道 ジンギスカン四方山話
クリエーター情報なし
彩流社

2017/6/14

そういえば、ジンギスカンはよく食べるけど、北海道産の羊肉って全く見たことないなと思って読んでみる。

案の定、羊の肉はほとんどが輸入品で国産のラム肉は消費量の1%しかない。

予想よりもかなり少ない。

ごくわずかなラム肉は、ジンギスカンではなく、フランス料理のお店などで高級食材として使われている。

ジンギスカンで国産のラム肉を使おうとすると、自分で羊牧場を経営するくらいしか方法がないそうだ。

しかし、羊は湿度に弱く繊細で、北海道といえども、飼育するだけで結構大変。

豚や牛みたいにはいかないらしい。

タイトルに「四方山話」とついているように、ジンギスカンの話が軸になっているものの、同じ話題の繰り返しや脱線が結構ある。

読んでいると、北海道に詳しいおじさんと酒場で世間話をしているような気持ちになる。

とりあえず、お店のジンギスカンが食べたくなる本だった。

※ジンギスカンが食べたくなりそうなものを貼ってみる。

北海道 サロベツファーム 王様のジンギスカン (ラムロース) 500g
クリエーター情報なし
活彩北海道

【最高級 ラム 北海道】味付き ジンギスカン 1kg 【2kg注文で】1kgオマケ【3kg注文で】2kgオマケ(BBQ)
クリエーター情報なし
どさんこファクトリー北海道
成吉思汗たれ360ml
クリエーター情報なし
ベル食品
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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『メッセージ』

2017-06-15 00:42:45 | 映画を見てきた

映画『メッセージ』予告編

2017/6/14

・言語学者のルイーズが、宇宙からやってきた知的生命体と意思を疎通させようとする話。

・巨大な浮遊物が世界各地に12体も出現して、各地の軍隊が大騒ぎするという地球規模の話なのに、人が一人も死なない。爆発も一回だけ。

・序盤、気分が乗らずウトウトしてしまったけど、「HUMAN」のあたりから緊張感が出てきた。

・宇宙と学者リスペクトの組み合わせが、『オデッセイ』っぽい。

・表音文字ではないことがわかったところとか、「おまえたちの目的はなにか」という質問をするためのプロセスとか、中国では麻雀を使ってコミュニケーション取ろうとしているところとか。

・ありとあらゆる手を使って相手の意思を解読しようとしている。じりじり真相に迫っていくのが学者っぽい。

・ちゃんと学者へのリスペクトがある。ご時勢的なことを意識しているのかもしれない。

・時間の制約があるので展開が急すぎるのは仕方ないけど、意思疎通までのプロセスはもっとあってもよかった。

・あと、宇宙とヒロインの娘が『ゼログラビティ』っぽかった。最後まで見たら全然違ってたけど。

・ついでに後半の超展開が『インターステラー』っぽい。

・それをやったらおしまいという感じもするけど、『メッセージ』の構成のほうが納得できる。ような気がする。

・生命体の文字が不自然なくらいかっこいいけど、湿度高そうな「内部」の環境を後付することで違和感を減らしている。

・町山智宏解説によると、文字の形と物語の構成が重なっている。

・こういう文字や生命体をごまかさずに作ってはっきり見せちゃうのがすごい。

・回想のようなシーンに出てくる娘がかわいい。特に保安官コスプレで無邪気としか言いようのない感じではしゃいでいるところ。

・その「回想」の挿入の仕方で、話の進行に独特のリズムを加えている。

・楽しく見終わった後に内容を思い出してみると、意外と地味な話だったことに驚く。

・危機らしい危機といえば、地球人側が仕掛けた爆弾と味方に撃たれそうになったことくらい。

・たぶん二回目に見たほうが面白い作品だと思う。

・せっかく北海道にも来てたのに、作中まったく触れてもらえず。どのあたりに出てきたんだろ。

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報告:札幌オーギリング『オーギリングマニアⅡ』

2017-06-14 00:06:37 | 報告!

2017/6/13

札幌オーギリングの三周年記念興行『オーギリングマニアⅡ』に参加してきました。

今回は新設されたヘビー級のベルトを争うリーグ戦に出場です。参加資格は90kg以上。

佐々木さん、安藤友樹くんといったお馴染みの巨漢ファイターに、ロシア人ファイターのゼニャ、そして自分。

自分も96kgあったので間違いなく規定内なんですが、それでも安藤くんとは20kgくらい違うそうなので、やっぱり見劣り感は否めません。

いつもの格好だとヘビー級っぽくないので、フィジカル重視の市民ランナースタイルに変えてみたんですが、焼け石に水。

むしろ、ノイズになってしまったかなと反省しております。

おまけにゼニャも絶好調で、手がつけられませんでした。

強いて言えば、最後までヘビー級の実感のないまま戦ってしまったのが敗因だったような気がします。 

そして、今回も販売パンフにコラムを書かせていただきました。

前回のようにシェイクスピアの引用で語ろうと思えばいくらでもできるんですが、新鮮さに欠けるんで、古代演劇でお馴染みのギリシアを裏テーマに書いてみました。

今後もできるだけ大仰にオーギリングを表現していきたいと思います。

そんな個人の反省はともかく、興行自体は盛り上がりました。

特にメインの4WAYマッチ。

出場選手4人が、ほとんど間をおかず、25のお題に次々と答えていく形式。

面白い回答を楽しむのはもちろんですが、限界まで脳を削る過酷な形式に選手たちが抗う様が大きな見所でした。

実は練習で自分もこの形式でやってみたんですが、翌日まで偏頭痛が取れませんでした。これ、ほんと大変。

 

年内で休止のお話は残念ですが、それほどネガティブには捉えていません。

むしろ、余力のある今だからこそできる選択だと思います。

それに、こんなに大喜利大好きな人たちが、大喜利をやめられるわけがありません。

どのような形式になるかわかりませんが、休止しても近いうちに新生オーギリングの姿を見せてくれると思います。

ひとまず11月興行まで、市民ランナーらしく、自分なりに淡々と走り続けたいと思います。

どうもありがとうございました。

 

※こんな地味な選手にも紙テープ投げてくれるお客さんがいらして、うれしかったです。感謝。

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