遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

デヴィッド・ファリアー、 ディラン・リーブ監督『くすぐり』(2016年)

2019-06-23 20:51:50 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

Tickled - Official Trailer

2019/6/22

あるジャーナリストが「いい体した男達が拘束されてくすぐられている様子を流し続けるバカ動画」に関する記事を書いたら、極めて悪質な抗議を受けたというドキュメンタリー。

監督の一人は、前に「世界の"現実"旅行」で、ダークツーリストぶりを発揮したデヴィット。

なので、常人離れした旅行体験を色々しているけど、それらと比べてもとりわけ奇妙なエピソードが映画になっている。

たかが、くすぐり動画に動く巨額のお金、身元不明の主催者、ヒステリックな抗議。

わざわざアメリカからニュージーランドまで弁護士がやってくるところまでくると、もうネット動画だけの話ではすまない。

ただ、そこは百戦錬磨と言うか、危険大好きと言うか、彼が全然ひるんでいない。

マネはできないし、したいとも思えないけど、かっこいい。

ほんとに何かのうっかりで取り返しの付かないことになりそうな人だけど、今後の活動もこっそり注目したい。

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ミキ・デザキ監督『主戦場』

2019-06-19 00:22:56 | 映画を見てきた

2019/6/15

・従軍慰安婦の問題に対する歴史修正主義者たちの主張を紹介し、検証するドキュメンタリー。

・最初から英語、ハングル、日本語の字幕が飛び交っていてガチャガチャしている。

・学者やジャーナリスト、活動家などのインタビューをコラージュして作ったような感じ。

・もうちょっと対立を煽る構成なのかなと思ったら、思いのほか、彼らの主張をきちんと紹介している。

・虐殺者に武勇伝を語らせる『アクト・オブ・キリング』や、学者とホロコースト否定論者の裁判『否定と肯定』に近い感じ。

・『否定と肯定』のリップシュタットは、「ホロコースト否定論者にはディベートの場を与えてはいけない」と言っているけど、本作では逆のことをやっている。

・監督のインタビューによると、そういう風にしたのは「彼らは小さい集団ではなく、すでに社会のメインストリームにいる」のが理由。

・なので、ホロコースト否定論者が騒いでいた頃のドイツより、今の日本は状況が悪い。

・論点が多く、ついていくのが大変。なかなか不用意にこの論戦の中には入れない。

・ただ、みんな自滅していく。明らかに一発退場の発言が出てくる。このへんの見せ方は『アクト・オブ・キリング』。

・技術で中国や韓国は日本にはかなわない(だから日本は嫉妬されているのだ)というのは明らかに過信だし、ブスがどうとか、他人の本を一切読まない自称歴史家とか。

・理屈というより知性を疑うような言葉がぽろぽろ出てきくる。

・メインストリームにいると人間ここまで油断してしまうものなのか。安倍政権が終わったらどうするつもりなんだろう。

・せめてアーヴィンくらいは、ちゃんと喋れるようになってから表に出てきてほしい。

・で、そんな彼らが大切にしているのは、今の日本国ではなくて、大日本帝国のほう。

・今の総理大臣とセットで名前の出てくることが多い岸信介氏の話も、恐怖しかない。

・最初はぼんやり聞こえる『主戦場』のタイトルが、今まさに自分達の周りのことだとわかって背筋が寒くなった。

映画『主戦場』予告編

※あわせて抑えておきたい。芸人・松本ヒロさんの一人語りをもとにしたドキュメンタリー。
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のと☆えれき『私の名前は、山田タロス。』

2019-06-18 21:53:08 | 演劇を見てきた

2019/6/14

・近未来、人造人間「アクトノイド」の関わっているらしき殺人事件の容疑者と刑事が、取調べを通して真相が明らかにされる話。

・まず、人造人間を何と呼ぶか問題。ロボットでもアンドロイドでもなく、アクトノイド。内容的に「役者」「演劇」も重要な要素になる。

・SFに疎いので検索してみたら、小説投稿サイトで同じ名称が出てきた。たぶん偶然。

・平田オリザさんのアンドロイド演劇もあるから、発想元は同じなのかも。

・ほかの芸術分野に比べても、演劇は今回の題材と相性がいいのかも。

・人造人間が医療分野から発展したところとか、首の後ろの端子の名前とか、設定が細かくて説得力ある。

・相撲は恒例になりそう。たぶん、脚本に書いてなくてもやると思う。というか、期待してしまう。

・どこまでが人間でどこまでが機械なのか。

・本作ではきちんと定義されているんだけど、言葉で定義することで、そこからこぼれ落ちてしまうものをすくいとるような話。

・直近に見た二朗松田さんの話だと『V&R』が題材的には近いけど、人間と人工物を対比ではなく、グラデーションで見せてるところが大分違う。

・ところで、最初の暗転早々に鈍器で殴られたような眠気に襲われる。

・ほんとに早々なので作品の良し悪しとは別。

・去年ののとえれきに助演出で参加している手前、不参加になったとたん寝てしまうのはさすがに人としてどうなのか。

・時間的にはそんなに長いわけじゃないはずだけど、罪悪感で気持ちが落ちてしまい、とにかく気まずい。

・なので、作品の感想と言うより、作品の記憶の断片を頼りに自分なりに再構成したものの感想を書いている。

・ただ、全部見たとしても全部正確に覚えているわけではないので、結局は記憶の断片の感想になるはず。

・作品についてどこまで内容を把握できれば「見た」と言えるのかも微妙と言えば微妙。

・境界線を見出す試みに大した意味はないけど、こだわってしまうのも人間なんだと思う。

※それはともかく、最近特に睡眠時の無呼吸が疑われるので近々病院に行ってみたい。

(6/15 15:00の回)

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札幌西高校「風光る流るる時を眉走る」(第22回俳句甲子園 地方大会 札幌会場 第1試合)

2019-06-17 20:18:32 | レポート

俳句甲子園で作品に触れる文字数が足りなかった。

試合ではあまり評価されなかったなかで、個人的に好きな一句。

「る」の続く文字面がくるくるしててかわいいし、渦巻く風っぽくもある。

眉とくるくるからの連想で髪の毛もたぶん巻き毛。これだけくるくるしているのにストレートはない。

走っているから、汗ものっててキラキラしている。

ここまで季語「風光る」にかかっている。

「なぜ眉か?」という質問も出たけど、眉というのは人格を表すのに重要。

手塚治虫先生が、動物ですら眉を書くことで驚くほど人間的な表情が生まれるという意味のことを書いている。→

眉が前面に出ているので、たぶんこの人は前傾姿勢。若さを前面に押し出した高校生ならではの句だと思う。

後で確認しながらここまで書いたけど、あらかじめ出そうな質問を想定して準備するのも難易度高そう。

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「第22回俳句甲子園 地方大会 札幌会場」

2019-06-17 20:03:16 | レポート

2019/6/14

・前日にツイッターの告知を見て、あわてて見に行く。

・結構前だけど映画『恋は五・七・五!』で、ずっとライブで見てみたいと思っていた。

・全国大会進出をかけているのに、旭川東A、旭川東B、小樽潮陵、札幌西の3校4チーム。少ない。

・総当りのリーグ戦で全6試合。4試合だけ見ることができた。

・ルールが面白い。

・あらかじめ提示された「季語」に基づき、両チームがそれぞれ作ってきた俳句を1句ずつ発表する。

・発表したチームは、相手チームから次々と飛んで来る質問に回答を試みる。

・お互いのチームの作品発表と質疑が終わったら、審査員5人が判定。より多くの支持を得たチームが1セット奪取。3セット中2セット取ったチームの勝ち。

・審査員が評価する際は、作品点のほかに、鋭い質問をしたり、的確に答えたりするともらえる鑑賞点というボーナスポイントがある。

・鑑賞点の割合は低いものの、相手チームの作品に対して優れた解釈をしてももらえたりするので、必ずしも質疑がダメ出しばかりにならない。

・たまにいい解釈して、鑑賞点をもらいつつ、相手チームの作品の評価を上げてしまうこともある。

・質疑の制度は、作品づくりに大人が関わりにくくする目的もあるのかも。

・各チーム投句されてから、質問までの間がほとんどない。内容はともかくすごい速さで質疑が行われる。

・「景が見えない」みたいな俳句特有の言葉も面白いし、「この作品のオリジナリティは?」「この作品のオリジナリティは○○です」という掛け合いがあるのもすごい。

・結果、作品を作る人、攻撃する人、擁護する人が入り乱れてとても能動的な鑑賞会になっている。

・見ているほうは、どちらの句が優れているかを楽しむというよりも、質疑を聞きながら、各作品の解釈を深めて楽しむ。

・あくまで勝ち負けは結果であって、対立を利用して場を盛り上げていく面白さはプロレスに似ている。

・お客さんがいればもっと盛り上がるだろうし、現状全国への倍率は低いので、文化系部活の高校生はどんどん参加したらいいのにと思う。

俳句甲子園~高校生にしか語れない俳句がある~

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札幌表現舎プロデュース『プラザ・スイート』

2019-06-15 09:34:12 | 演劇を見てきた

2019/6/14

・同じホテルの一室で、全く時期も状況も違う二組の夫婦が、それぞれ人生の悲哀を味わう話。

・こういう野菜を大きめに切ってゴロンとさせたまま煮込むような構成は好き。

・最初の夫婦は、奔放な性格の妻と仕事人間の夫が、大切な記念日だというのに気持ちが擦れ違っていく話。

・夫婦役には小出あつきさんと松橋勝巳さん。

・奔放と堅物の対比は、ニール・サイモンの話ではよく出てくるし、自分も好んで書いたりしている。

・ベタと言ってもいい組み合せだけど、繰り返し使われるだけの強さがある。

・序盤は展開的にそこまで派手な出来事は起こらず、ジリジリと二人の関係性を印象付けていく。

・自分の感情に薄皮一枚のユーモアをかぶせて、ペースを奪い合う。

・カレンもサムも大変だけど、聞くほうは楽しい。自分たちで「だめな夫婦」って言ってたけど、観客目線だと完璧な夫婦だった。

・結婚何年目だとか、仕事が大変とか、色っぽいことするしないとか、心底どうでもいい話題なのに、細かく差し込まれるジョークとテンポで、心をゆだねて楽しむ。

・たぶん目立たないように演技のいろんなテクニック使ってるんだと思うけど、よくわからず。

・こういう雰囲気は、欧米特有とか日本人っぽくないとかあんまり思いたくないので、翻訳ではない日本語でこういう会話が書けたら楽しんだろうなと思う。

・二組目。結婚式当日、花嫁の娘を説得してどうにかトイレから出そうとする両親の話。

・屋木志都子さんと山野久治さんの組み合せ。

・親という存在の悲哀が詰まっている。

・父親がガメつくて最初は嫌な奴だと感じるけど、見ていると、子育てというこの世の理不尽を煮詰めたような体験を通して、多少人間性が歪んでしまうのは仕方ないのかなと思えるようになった。お金は大事。

・あんなに声を枯らして必死にやっていたのに、あんな婿のあんな一言にすら及ばない。理不尽すぎる。

・どーんとぶつかってもビクともしない安心の舞台装置と、パンフ内の貨幣価値の注釈が嬉しい。

・50年前の外国の作品なんだから、必ずしもニール・サイモンだから面白いってわけではないけど、しっかり練られていてうっとりして見た。

・ハリウッドの客のほうも見たい。

※6/13 19:30 

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報告:札幌オーギリング『ライジング・アンサー』

2019-06-11 21:21:30 | 報告!

札幌オーギリング再始動興行『ライジング・アンサー』、無事に終わりました。

ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

遠藤は構成という役割で参加しました。

案外重要な役どころだったため、開演まではホントにハラハラしていましたが、始まってしまえば、終始ゲラゲラ笑って見ていました。

色々反省点もありますが、ここで書いてもしょうがないので、印象に残ったことをつらつら書いておきます。

・添ちゃんの青タイツと楽太郎くんのガウン。

・実況解説から怒声レベルのツッコミを受ける禍メイ氏。(演劇関係者が見たら結構びっくりしそう。ちなみ客席は爆笑)

・タツ・コジマ女史がボードを破る時のウキウキぶり。

・「乳首の直径」が流れるだけで盛り上がる客席。(テーマ曲で誰が乱入してくるかわかる、プロレスでよく見るくだり)

・すえひろくんの「面白いことを言う前に自分で笑ってしまう」からの回答で客席爆笑。(話し方講座なら絶対に怒られる行為)

・人間臭さに磨きがかかるおいちゃん。

・Yes!アキトくんの一瞬で芸人だとわかる見た目。振られてからギャグをするまでの速さ。

・一対一の最終試合でちゃんと興行のピークを持っていく、両選手の腕力。

・終わった後、横澤さんにこのブログを褒められたこと。

DVDで見る人もいると思うので、ちょっとだけネタバレ気にしつつ書くとこんな感じです。

個人的には、高級レストランというより、縁日の屋台のような程よい親しみやすさと雰囲気のある興行になったらいいなあと見ておりました。

いかがだったでしょうか。

また機会ありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

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告知:札幌オーギリング 新装興行「ライジングアンサー」

2019-06-09 23:59:59 | 告知


1年6ヶ月ぶりに札幌オーギリングが再始動します。

札幌オーギリングとは、ストーリーのある対戦型大喜利イベントです。

最初に再始動の話を聞いたときは「もう?」というのが正直な感想でした。

それだけ休止興行までの流れが完璧だったのです。

見たことのある人はわかると思いますが、どんなに面白いストーリーラインを考えたところで、勝敗はやってみないとわかりません。

生モノだからこそ、ストーリーラインが完璧に繋がった瞬間、スポーツ観戦にも似た興奮が生まれます。

前シリーズの札幌オーギリングには、そのような瞬間がたくさんありました。

なので「むかし、オーギリングっていう伝説のイベントがあってね」なんて、思い出の奥にしまっておいて、時々取り出しては懐かしむ楽しみ方もできたはずです。

「思い出と戦っても勝てねえんだよ」と誰かが言いました。

「過去と戦って何が悪い」と別の誰かが言いました。

プロデューサーの上田龍成は再開することを選択しました。

そして、遠藤は構成という役割を担うことになりました。

過去と戦い、越えるためです。

遠藤の力なんてささやかなものですが、出演者・スタッフ一同、腕をぶんぶんまわして勝つ気十分です。

今までの札幌オーギリングが好きな皆さまも、「オーギリングってなんだろう?」という皆さまも、お客さん全員に楽しんでもらえるよう準備しております。

お席だいぶん埋まってきております。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

札幌オーギリング 新装興行「ライジングアンサー」

物語のある大喜利対戦ライブ「札幌オーギリング」がおよそ1年半ぶりに再始動!

笑いあり裏切りあり涙ありの究極のエンタメ大喜利ライブが装いも新たに復活!

これまでを見てきた人はもちろん、これまでの札幌オーギリングを知らなくても楽しめます!

役者、芸人、ミュージシャンなどが多彩な形式の大喜利バトルで対戦! まったく新たな一歩を見逃すな!

■日時
2019年6月9日(日)18:00 スタート
17:15 チケット受け渡し開始
17:30 入場開始

■会場
生活支援型文化施設コンカリーニョ
札幌市西区八軒1条西1丁目 ザ・タワープレイス1F(JR琴似駅直結)

■料金
一般 2,000円/学生 1,500円/高校生以下 1,000円
(全席自由・8ページカラーパンフ付)

■予約
https://www.quartet-online.net/ticket/risinganswer?m=0maafgh

■出演
すえひろ、添(オレマカ)、及川広大、楽太郎、菊池旭、山本輔、ヤギハツマ、中島麻載(霊6)、イシハラノリアキ、武田紀亮(喃語)、ギマユニコ、亀井健(劇団coyote)、安藤友樹(劇団・木製ボイジャー14号/イネカリ)、タチナミ
重堂元樹(演劇公社ライトマン)、小島達子(ELEVEN NINES) ほか
(出場予定選手は変更になる場合がございます)

<進行>市場ひびき/氏次啓/横澤章悟/鶴/大和田拓也(劇団words of hearts)

<お題監修>がりん・佐々木さん
<構成>遠藤雷太(エンプロ)
<総合演出>上田龍成

■問い合わせ
http://ogiring.com/
#オーギリング

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仙台シアターラボ『透明な旗』(観フェス2019)

2019-06-09 00:35:39 | 観フェス2019

観劇三昧:仙台シアターラボ『透明な旗』

2019/6/7

水槽の前で四人の男達が記憶の断片をつないでいく話、だと思う。

取引先からの絶望的な一言。

コンビニにいる、仕事はできるが性格が悪いという厄介な先輩店員。

「あんたは目の前のことしか大切に出来ないんですか!」という理不尽な人格否定。

自分も過去に似たようなこと言われたことがあるような気がする。

見ていて辛くなるシーンが多い。

明らかにモテないのに嫉妬深い男もつらい。

水槽の中で静かにゆれる水面が、それらを浄化しようとしているように見える。

旗は目標の象徴だとして、それが透明だということは、抽象的な意味で迷子になった人たちの話なのか。

目標は見えない。しかし、追い続ける。

英語の先生のシーンもそういうコンセプトの一環なんだろうけど、面白味が強すぎて、ただ面白いだけだった。

高尚な話なんだと思うんだけど、ちょいちょい茶目っ気が漏れ出ていて不思議なバランスの作品だった。

 

劇団名 仙台シアターラボ
公演時期 2013/06/28
地域 東北

出演
野々下孝/澤野正樹/本田椋/飯沼由和

スタッフ
構成・演出:野々下孝 照明:山澤和幸/音響:中村大地/舞台監督:鈴木拓(boxes Inc.)/宣伝美術:川村智美 /情宣写真:佐々木隆二/制作協力:佐々木一美/製作:仙台シアターラボ

あらすじ

■テーマ「記憶のプール」
演劇を創る過程で、我々の頭の中には、先人の様々な営みや想いが浮かんでは消えていく­。
アートというものはそうして誰かから受け継いで創られていくものなのかもしれない。
だとすればアートとは自己表現でありながらも、その範疇に留まらないものになる可能性­を秘めている。
我々の内部に「記憶のプール」と呼べる、歴史や想いが集積したタンクの様なものが眠っ­ていると仮定する。
演劇における故郷喪失者である我々にも「記憶のプール」はある。
古典を失い、規範を失い、続けること自体が孕んでいる絶対の孤独と戦いながら、個人の­原風景をもとに演劇活動を続けている我々にも、そのプールに浮かぶことはできるのだ。
歴史はいつも否応なく伝統を壊すように動く。
個人は常に否応なく伝統の本当の発見に近づくように成熟する。
過去と未来が非連続となり、歴史感覚が失われている現在、
故郷喪失者たちは、抽象的な観念の美に酔うことしかできない。

※観劇三昧HPより引用

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メガネニカナウ『メガネニカナウ4』(観フェス2019)

2019-06-07 23:58:03 | 観フェス2019

観劇三昧:メガネニカナウ『メガネニカナウ4』

2019/6/6

40分程度の短編演劇3作品と、オープニング、ブリッジのコント。ボリュームがえげつない。

『春は青いし、ココロハオトメ』。

男に振られて自暴自棄になった女と、彼女に憧れて人間化していく猿の話。

自分を見失った女の姿が前衛的過ぎてかわいい。ヒゲ。

裸に必然性を持たせる手際すごい。

『プアエスパ』。

世界の滅亡を予言した超能力者の崩壊した家族の話。

みんなが怒っているか精神を病んでいるので、見ていてなかなかしんどい。

新聞の言葉だけしか話せないという設定が面白い。

『V&R』。

仮想現実のゲーム内で駄弁っている伝説のキャラクター達に新入りが絡んでいく話。

ジャックさんのポリゴン感。「無課金丸出しやな」というセリフ。

ぴゅーたと父さんの掛け合いでゲラゲラ笑う。

山本香織さんの名前と顔をばっちり覚えた。

最初のブリッジのリアクション面白いし、次のブリッジでの朗読はかっこいい。

誰が見ても好きになるタイプだと思うけど、どうだろ。

 

劇団名 メガネニカナウ
公演時期 2018/11/30
地域 関西

出演
上杉逸平(メガネニカナウ)/永津真奈(Aripe)/飯嶋松之助(KING&HEAVY)/ザキ有馬(ステージタイガー)/さぶりな(IsLand☆12)/田米カツヒロ(舞夢プロ)/磯淵良幸(俺たちの地球空洞説)/井路端健一(演劇集団ザ・ブロードキャストショウ)/亀山貴也/丹下真寿美(T-works)/鳩川七海(幻灯劇場)/米山真理(彗星マジック)/河口仁(シアターシンクタンク万化)/浜口望海(STAR☆JACKS)/為房大輔(劇団ZTON)/東千紗都(匿名劇壇)/濱辺緩奈/梨田いづみ/山本香織(イズム)

スタッフ
音響:八木進(baghdad cafe’)/照明:西村洋輝/舞台監督:北村侑也/宣伝美術:二朗松田(カヨコの大発明)/映像:堀川高志(KUTOWANS STUDIO)/メイキング映像編集:ながたゆうか(MEHEM)/制作:渡辺大(Limited_Spice)/制作協力:窪田”R”秀夫

あらすじ

◆A『春は青いし、ココロハオトメ』
作・演:野村有志(オパンポン創造社)
~あらすじ~
ある日、全てを捧げた彼に捨てられた。
この後の記憶はあまりなくて、気付くと山でひとり。
私は泣いていた。
大量の猿に囲まれながら。
泣いてる理由が変わるほどに囲まれながら。

一匹の猿と、ひとりな私の日々録。

◆B『プアエスパ』
作・演:勝山修平(彗星マジック)
~あらすじ~
世界は止ん事なき事情で滅亡を余儀なくされた。
滅亡を忌避しようと国家民間問わず対策を講じるも虚しく時間だけが過ぎ往く中、余り期待もされず注目もされず知られてもいない乍らも世界を救うため日々研鑽を重ねる超能力者達。の中で超能力と呼ぶにもおこがましい微々たる能力しか持たない能力者、小能力者達は更に劣等感とも戦っていた。容赦なく焼き付けられた役立たずという烙印、惨めなまま終わるかも知れない人生、振り返りたくない過去。それでも彼らは自分達を信じ、今日も限りある貴重な日常を消費する!

◆C『V&R』
作・演:二朗松田(カヨコの大発明)
~あらすじ~
2045年。科学技術の著しい進歩により急激に発達した仮想現実。人々は苦しい現実から逃れるように「blur」と呼ばれる仮想世界へと耽溺、24時間ログインをし続けている。blur内で最も人気を誇るのが戦争サバイバルゲーム「ヴァルガー・アンド・ランペイジ」、通称「V&R」。戦場へと飛び出していく多くの若者たち。死と再生を繰り返す中で彼らはその向こうに何を見るのか。また、ロビーで駄弁ってるだけの奴らは一体何をやっているのか。仮想と現実、ポリゴンと実体の間で揺れ動く若者たちの青春残酷ホラー戦争恋愛ヴァーチャル大活劇。

※観劇三昧HPより。

『メガネニカナウ』-official blog- 
『メガネニカナウ4』Aチームの紹介。
『メガネニカナウ4』Bチームの紹介です。
『メガネニカナウ4』Cチームの紹介です。
(配役は見つからなかったので参考に)

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