遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

トム・ムーア、 ロス・スチュワート監督『ウルフウォーカー』(2020年)

2021-01-29 02:30:00 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2021/1/24

17世紀のアイルランド。ハンターの父親を持つ娘ロビンがウルフウォーカーの娘メーヴと仲良くなる話。

・ウルフウォーカーとは、自分の魂を狼の姿で実体化することができる特殊能力を持った人間、でいいのかな。単なる狼男(女)とは違う。

・この仕掛けが秀逸で、ちょっと前まで父親が娘を殺す殺さないの最悪の状況だったのに、終わる頃にはそれしかないという納得感の強いところに落ち着く。構成がきれい。

・父親がもどかしい。そのもどかしい彼がついに行動を起こした時のカタルシス。最近やっと見た「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の父親とも少し重なる。気持ちいい。

・ただ、本作はそんな父親に対しての和解と独立の話でもある。「今だって牢獄にいる」というセリフが響く人は多いと思う。

・人や風景の抽象化。ウルフウォーカーの母娘は極限まで丸いし、二人を脅かす人工的なものはとことん直線で表現されている。森はグネグネしてるし炎はカクカクしている。

・狼の牙もカクカクしてるので基準は違うかも。暴力的なものと、そうではないものとか。

・匂いや音の表現おもしろい。「鬼滅の刃」の匂い表現もよかったけど、本作の狼の知覚の見せ方もすごい。

・線がゆらゆらしてて呼吸しているように見える。「かぐや姫の物語」を思い出す。

・大胆に遠近法を無視したシーンが一枚絵として強い。

・マーリン、射られてるのに飼い主に懐いてるままなのが健気。

・狼と癒しって何か伝承あるのかな。本作に限らず、超常現象と治癒能力の雑な組み合わせはあんまり好きではない。

・ただ、あれが肉球による癒しなんだと思うと、ギリギリ納得できるような。狼の肉球硬そうだけど。

・物語は、ロビンやメーヴに感情移入させるように作られているけど、現代人である以上、自分自身の立ち位置はグッドフェローであり、護国卿になってしまうのが苦い。

・結局、見ている人たちのほとんどは、最後のあの輪の中には入れない。

・そう言えば、最初に西暦と場所をはっきり提示していた。あの結末も、歴史の流れの中にある点の一つに過ぎないということなんだと思う。

(AppleTV)
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フランシス・フォード・コッポラ監督『ゴッドファーザー』(1972年)

2021-01-27 23:00:00 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2021/1/25

・マフィアのドン、ヴィトーの三男マイケルが他ファミリーとの抗争の末に跡を継ぐ話。

・最初に字幕、何度か吹き替えで見返す。

・なにぶん177分と長いし、登場人物も情報量もとても多いけど、パッと見の良い奴と悪い奴の対比がはっきりしているので、いきなり見ても話に付いていけないということはない。

・麻薬の売買でうまく善玉悪玉のラインを引いている。このやり方、他作品でもよく見かける。本作が最初かどうかはともかく、いわゆる多くの人が見ている「名作」なので、影響受けた作品はとても多いと思う。

・冒頭から次から次へとやってくる依頼者に辟易するところでヴィトーに感情移入させている。

・悪いことをしてても節度があるように見えてくる。

・その上であの馬が出てくるので、インパクトがある。最高の冒頭。

・父親ヴィトー、長男ソニー、三男マイケルと、主要人物の色分けもはっきりしているし、敵方もシンプル。

・見れば見るほどソニーが不憫。ついつい、「悪い奴じゃないだけどなー」とマフィアを相手にして思ってしまう。

・人情で動いてるように見えて、合理的であるかどうかが行動指針。

・葬儀屋の頼みを聞くときも「ちゃんと恩を売りましたよ」と、念押しを忘れない。説得力はこういうしたたかさから生まれる。

・ソロッツォも、ドンを銃撃しておいて、商売的にはそっちの方がいいからと和解を持ちかける。

・相手も合理的に考えればそうするはずだという確信がないとそういう行動は取れない。

・ソニーが周りから疎まれたりバカにされたりするのはそういうところ。

・とは言え、どちらにも転びうる駆け引きには違いないので、スリルがある。

・マイケルの徹頭徹尾「できる男」の雰囲気。アル・パチーノはかっこいい。

・ただ、長年付き合ってきた彼女とは距離を置いて、潜伏先で一目惚れした女と結婚したのはどういう了見なんだろう。案の定、巻き込まれて死んじゃったし。

・順番逆なのにどうしてもジョジョ(5部)っぽいと思ってしまう。

・階段落ちで縦回転してるひと初めて見たかも。危ない。

・本作は見ている人がちゃんとコルレオーネ家を応援できるように作られてるんだけど、逆に言えば、ソロッツォやタッタリオ家の視点で似たような話に作り替えられるのかもしれない。

(Netflixほか)

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OrgofA『異邦人の庭』

2021-01-23 22:28:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2021/1/15

・死刑囚と死刑囚を取材したい劇作家が面会室でお互いのことを知ろうとする話。二人芝居。

・配信。アクリル板に反射する白い光が美しいし、シーンによっては演者の顔に影が入ったりと、シンプルだけど凝っている。照明だけでなく、撮影も良いんだと思う。

・獄中結婚の設定は映画『葛城事件』でもあったけど、そのよくわからなかった設定を、本作ではもうちょっと掘り下げている感じ。

・存在しない記憶をあったものとして生きるのは普段役者さんがやることとも共通する。役作りから役が抜けるまで大変そう。

・後でフォローはあるんだけど、あそこまで記憶が抜け落ちていると、見ている方は本当に冤罪なんじゃないかと心配してしまう。冤罪でも記憶のほうがおかしくなることはある。

・本作ではそういう捻り方をしてなかったけど、突き詰めると藪の中になる。

・インパクトの前の和ませ方。いったん、お客さんをリラックスさせてから、一番のアタックに繋げる。緩急。

・死刑のタイミングを選ぶ制度は、結果的に死刑執行が増える気がするんだけど、どうなんだろう。

・あと、自分が死刑に追いやった人間を題材にして脚本を書くのは、創作者として一線を越えている感じはする。もはや地獄変の領域なので、二択が二択になってたかどうかは微妙かもしれない。

・大部分の時間、二人の演者が舞台中央で完全に正対するので、おそらく劇場だと二人の表情を同時に見ることはむずかしい。

・両者をはさむアクリル板に映る表情や想像力で補う感じ。

・弱点にはならないと思うけど、表情の演技も大事な見どころだから、ライブで見た人は配信もフォローしたくなるはず。

・演者は明逸人さんと飛世早哉香さん。詳しい人なら間違いないと思えるマッチメイク。

・明さんは、思考の流れのようなものが表情や仕草で見えるので沈黙中でも情報量が多い。相対的に言葉の比率が低くて、説明臭さが出ない。

・飛世さんは殺人者の役。生身の人間が静止すると、それだけで異様に映る。普通に話してても、時々静止するのでちゃんと壊れた人間に見える。まばたきの増減に注目するだけでも面白い。

・配信だと再見できるので話を追う以外の部分が見えやすくて助かる。

・展開上の大きな仕掛けもあるけど、淡々と消化していく感じ。

・あえて氷山の上の部分しか見せず、水面下のぶつかり合いを想像させる作品だった。


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オリヴィア・ワイルド『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019年)

2021-01-22 01:32:00 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2021/1/20

・生徒会長で勉強一筋に頑張ってきたモリーが、高校卒業直前に自分が案外特別じゃなかったことに気付いて、焦る話。

・彼女は日本にあまりいないタイプの見た目で高校生らしくないんだけど、よくよく見ていくと自分の高校生活と重なるところが多い。

・遠いアメリカの高校生を見てそんな気持ちになるとは思わなかった。

・なにぶん田舎の高校出身なので、モリーのようにイェール大学はないにしろ、高校生活の大部分を勉強と部活に費やしていたし、ちょっと無理している感じにも共感してしまう。

・勉強は無駄ではないし、自負もあるけど、周りの人たちは「勉強以外も楽しんでいた」ように見える。

・後悔がないなら何の問題もない。たぶん親友のエミーはそんな感じ。

・友情が重要なテーマなんだけど、二人の温度差は結構ある。

・卒業直前のやり残し感については、多くの人が共感するはず。

・一番、自分にとってリアルだと思ったのは高校生の自意識。

・良くも悪くも、自分で自分の評価が正確にできない。

・ちょっと視線を他人に向ければ気づけるのに、それが難しい。自分を卑下するのは簡単。

・そんな自分を卑下する親友の頬を張って「私の親友になんてこと言うのよ」とか言う青春、経験したかった。

・最初の二人のシーン。ダンス一つで親友だとわかる。最初から愉快。

・愉快と言えば、ジジが愉快すぎる。ほとんど妖精だった。

・ジャレットはバカだけど優しい。

・ファイン先生の声が色っぽい。何であんなに色っぽいんだ。

・好きの対象がライアンなのは生々しくて好き。

・みんなクセは強いけど、なんだかんだでいいやつに見えてくる。

・たった一晩のパーティーでお互いの見え方がガラリと変わる。

・もっと早くやってればよかったのに。それができないのも若さだけど。

・卒業のスピーチなんて、誰がやっても感動するもんだけど、やっぱり感動する。

・若者がたった一晩で明らかに成長しているのを目の当たりにしているんだからなおさら。

(Netflix)
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『アルプススタンドのはしの方(高校演劇ver. 関東チーム)』

2021-01-20 23:38:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2021/1/16

甲子園の全校応援中、自然とアルプススタンドのはしの方に集まってきた生徒たちが、野球観戦を通して各々の「仕方ないこと」と向き合う話。配信。

高校演劇で全国を制した戯曲を、プロのスタッフ、演者を揃え、関東チームと関西チームの二手に分かれて上演する。

高文連の映像を見てからだいぶん経っているので、特に比較することなく楽しむ。

手元の戯曲と見比べながらという、配信以外でやったら怒られる見方。

関東チームなので言葉は標準語に変更。

会話の面白さは相変わらずで、時間もタイト。ストレスなく見ることができた。

元の高校演劇の舞台も映画版もそうだったけど、ヘタすると若者がただ高校野球を見て感動して舞い上がっているだけの物語になる。

ポイントになるのは演劇部で脚本担当のアスハの方になると思うけど、塩梅が難しそうだった。

目線で打球を追う動きがとにかくスムーズ。

実際に球場で野球見てたら、あそこまで綺麗に揃わないだろうとは思うけど、一つの様式として楽しい。

この本も高校演劇の古典になっていくんだろうと思いながら楽しむ。

無理してでも関西チームも見ておけばよかった。

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溝口健二監督『近松物語』(1954年)

2021-01-18 12:55:00 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2021/1/15

・大経師以春の妻おさんが結果的に手代の茂兵衛と駆け落ちする話。

・溝口健二監督作品も初めて。見てない巨匠多すぎる。

・茂兵衛は長谷川一夫、おさんは香川京子。

wikiによると、元々は近松門左衛門の書いた『大教師昔暦』を題材にして川口松太郎が書いた戯曲『おさん茂兵衛』の映画化。ややこしい。

・話自体はわかりやすくて、ややこしいことはない。

・溝口監督は女性映画の巨匠と呼ばれているそう。

・フェミニズムでいうと、個人的には「女性が男性の分野と思われがちな環境で男性に負けない活躍をする」みたいな話をイメージをしてしまうけど、本作は女性の立場の弱さをありのまま描いている。

・なので封建社会である江戸時代との相性がいい。なんなら自然すぎて、その違和感をスルーしてしまいそうになる。

・ただ、テレビ時代劇のような甘さはない。

・「当時の状況なら、奉公人の女性が主人の夜の相手するのは当然だったでしょ?」という感覚を、甘くもなく、とりたてて過剰にすることもなく、淡々と描いている。

・たまに江戸時代の社会を過剰に持ち上げてる人を見かけるけど、ホントにこんな世の中がいいのかなと疑問に思える。

・その上で、駆け落ちの話なのでエンタメ的な面白さもある。

・二人が後先考えない愚かな人に見えないように、ちゃんとお膳立てされているところがポイント。

・今の人が見ても、当時の人と同じところでハラハラするだろうし、腹も立つはず。

・公開1954年で、白黒で、演技も割と様式的だけど、ここまで忖度なしに楽しめるのがすごい。日本映画の黄金期と言われているのも納得。

・屋内のシーン。柱やら梯子やら格子戸やら、生活の中にあるものが幾何学的な模様に見える。かっこいい。

・役者さんの動きがみんなきれい。自然というより、ちゃんと訓練されている動き。

・以春が茂兵衛を責め立てる所作。演者は進藤英太郎。歌舞伎の動きだと思うんだけど、歌舞伎役者というわけではなさそう。

・全く勧善懲悪じゃなくても、やっぱり差別は合理的ではないという話になっていると思う。

・明るい顔、晴れ晴れした顔というセリフ出てくるんだけど、言うほどそんな風に見えず。普段はもっと暗い顔してたってことなんだろうけど。

(Netflix)
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undercurrent『LOST + FOUND』

2021-01-17 00:49:00 | 観劇三昧

観劇三昧: undercurrent『LOST + FOUND』


2021/1/16

抽象度の高いダンスなので、はっきりしたあらすじはなし。

始まりは森の中の映像。しっとりした音楽に、男女数名の優雅な踊りを合わせる。

体重を感じさせない人間らしくない動きから、森の妖精とか、言葉で解釈してみたそばから陳腐になっていくのでやめる。

循環が一つのテーマとのこと。

そう思ってみればそう見えるけど、この誘導のされ方で大丈夫なのか不安になる。

他のお客さんはみんなこういう作品を観ながら何を考えているんだろう。

視覚と聴覚の気持ちよさを味わうだけでいいんだろうか。音楽もとても大事。

ダンスの中ではベタな部類なんだろうけど、陽気な村踊り(勝手に名付けた)のシーンが好き。

背景の映像が身体に投影されている部分込みでかっこいい。

昔、役者は顔で踊るんだとアドバイスをもらったことを思い出す。

本作の演者さんたちは、体だけで表現できるので、表情には頼っていない。

それでも、ちゃんと表情のようなものは伝わってくる。

真似できたらさぞかし気持ちいいだろうと思う。


◼︎あらすじ


枝をはなれた葉は、

ひとときの自由を得る・・・


循環する物質の過程にすぎない我々の

存在する意味はどこにあるのか?


喪失の苦しみを越えることは、

虚しさを満たすことは可能なのか?


undercurrent5年ぶりの劇場公演では、

身体表現を通じて

他者と共有される『物語』のなかに

その答えを探る。


◼︎キャスト


岡崎愛

中村萌

天野光雄

いはらみく

氏野里香(リリーエアライン)

梅田由香理(Company Little Wisdom)

竹廣隼人(LEoN/Noir)

谷森雄次(CompanyLittleWisdom/LEoN/Noir)


◼︎スタッフ

演出:村田絵美

照明プラン:大塚雅史(DASH COMPANY)

音響:とんかつ(とんかつ音房)

舞台監督:佐野泰広(CQ)

制作:馬場恵(シバイシマイ)

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エイプリル・ライト監督『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』

2021-01-16 23:51:00 | 映画を見てきた

2021/1/15


・女性スタントの歴史と仕事ぶりを紹介するドキュメンタリー。

・普通のドキュメンタリー映画の弱点である地味さとは無縁。

・やばいシーンが次から次へと出てくるし、地味に見えるシーンで実は大怪我したりしているので退屈しない。

1910年代はむしろ危険なアクションをする女性が多かったという話。お金になることがわかって映画界は男社会になっていったという。

CGが出てきても生身の迫力は別物だし、より本役の人に近づく工夫やシナリオ理解が求められる。仕事自体の質は上がっている。

・スクリーン上では影の存在であっても、現場のヒーローであることは間違いない。そのことがわかるオフシーンが出てくるとホッとする。

・女性ならではなのは服装。男性よりも肌が出ていることが多くサポーターがつけにくい。靴も当たり前のようにハイヒールだったりするから、難易度が男性以上になることもある。

・ゴーストバスターズ(2016年のほう)の撮影シーン、思った以上に大掛かりで楽しい。

・車に轢かれるのが得意なスタントがいて、コツを聞くと「何度も轢かれることだ」と答える。すごい。ひどい。

・スタントの練習場みたいなところが出てきたけど、ああいうところは日本にもあるんだろうか。

・怪我のないように気をつけるものの、怪我しそうに見えれば見えるほど、お金が取れる仕事。

・そんな仕事はほかにあんまりないと思う。プロレスラーくらいか。

・同じ危険な仕事でも、リスクはリスクに過ぎない軍人や格闘家みたいな仕事とはだいぶん違う。

・常に危険と隣り合わせだからこそ滲み出てくる魅力もあると思う。

・本作に出てくる女性たちは年齢問わずみんなカッコいい。

・業界内の連帯感が強いというのもわかる。言葉は悪いけど、パワーバランスが崩れれば、使い捨てみたいなことをされやすい業種。

・スタントの先人たちが協会を作って若い人たちを守ろうとしているし、若い人たちがそんな先人たちをリスペストしているのが見える。

・こんなに強くてカッコいい女性たちが、今なお女性だからという理由でバカにされることがあると言う。

・ここまでやって女性の社会進出は道半ばなのか。

・とは言え、やっぱり日本はまだまだだったと謙虚な気持ちになった。

(サツゲキ)


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木下恵介監督『カルメン故郷に帰る』(1951年)

2021-01-15 00:01:00 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

『カルメン故郷に帰る』デジタルリマスター 予告篇 directed by 本木克英

2021/1/13

初めての木下恵介監督の作品。

東京で踊り子になった娘が里帰りする話。

地元は浅間山のふもと。山が土っぽい色合い。肉感のある馬がたくさん。

ちょっと西部劇の舞台っぽさがあるけど、当時の田舎ってこんな感じだったのかなとも思える。

おそらく本人たちも含め、「芸術」を言い訳に色んなことをごまかそうとしている。

彼女たちは存在しているだけで注目され、たくさんの解釈と熱量を生み出しているという点では、芸術そのものと言えなくもない。

『フラガール』よりも古い時代なので仕方ないとはいえ、そういうタテマエを台無しにする「ハダカ美人の乱舞」という横断幕。ひどい。

ふつう、親子が仲直りとまではいかなくてもちょっとはわかりあうものだけど、本作ではそういうことはない。そんなに甘くはない。

それでも、交流することで、お互いの気持ちや環境がそれぞれにちょっとずつプラスになっているのがおもしろいバランスだった。

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チームまん○『効果音X』

2021-01-14 00:32:58 | 観劇三昧

観劇三昧:チームまん○『効果音X』

2021/1/13

男の子がネットで知り合った女の子を喜ばせるために、演劇を学ぶ話。

短編コンペティションの優勝作品。

統一テーマがあって今回は「よろずJAPAN」。

テーマをうまく使っている作品なので、映像では先に作品外で補足している。こういうの大切。

装置は他団体と共有なのかな。

効果音のことをSEと呼ぶので、「チームまん○の効果音X」はひどい下ネタになる。

ただ、内容には言うほど下ネタが多くなく、そこを期待すると少し物足りない。

最初に「プロローグ」と「モノローグ」の説明から始まる。演劇用語の説明の合間に進行していくくらいのバランス。

搦め手のようで、演者の素の技術がないと成立しない形式。

「サイレントフォーカス」って言葉があったんだ。今後使いたい。

劇中劇が元々どんな内容を想定していたのかはよくわからなかったけど、登場人物の設定に仕込みがあって、うまくハートウォーミングに仕上がっていた。

 

《詳細》(観劇三昧HP)

■公演時期 2019/08/11

■地域 関東

■キャスト
堀越健太(チームまん〇)
横山美桜(チームまん〇/エッグスター)
冨田浩児(ill nut up fam)
葉月楓(ill nut up fam)
長野諒子(フラッシュアップ)/鈴木克彦

■スタッフ
脚本・演出:小山太郎(チームまん〇)

■あらすじ
演劇における効果音の重要性を大好きな女の子に伝えたい!

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