2021/3/26
・おおよそ30〜40分くらいの短編9作品を配信で一気に見る。
・劇団宴夢『ルーモ1.255』。序盤の数字だけのセリフ覚えるの大変そう。間違えても気づけそうにないけど。冒頭の「ディスタンスしている、あなたと私」が今年の演劇祭全体を象徴するセリフになっている。
・劇団Noble『灯火は遥か』。断片的な言葉と動きを不規則に並べていく見せ方。うさぎストライプの作品群を思い出す。基本全景映像なので、とにかく2人の配置と向きで作れるバリエーションを探る、基礎研究のような作品になっていた。
・ゆとりユーティリティ『満塁デストロイ』。観念的な作品が続いたので、こういう作品があるとホッとする。微笑ましく楽しむ。他者との距離感でいうと本作品が一番反対側に振れていた。逆ディスタンス。
・ふしこ『木青屋服呉』。タイトル好き。自分に貼られたレッテルを裾の埃を払うように扱っている。肩の力が抜けている。それを一昔前風の環境で見せるバランスも好き。
・おちゃめインパクト『キャベツ』。もともと透明な仕切りは、ディスタンスを取るための工夫なんだろうけど、あらぬ方向に進化していて楽しい。タイマーも効果的。諦める話を前向きに書くのは難しい。20年くらい後には彼女たちの間でこの時のことが笑い話になっていてほしい。
・ポケット企画『ここにいて、』。己の虚無を他者を使って表現する。ドーナツの本質は穴みたいな人の話。言葉を発し続けることで、言葉にできないことを表現しようとしてる。のかも。
・東北連合『深夜、パーソナリティーが消えた』。陽キャと隠キャは対にはなるけど、対等ではないという話。自作のラジオなんて根暗に見えるけど、ポッドキャスト全盛の時代なので、もう一押しで全然別の世界に飛んでいきそうではある。
・ごじゃりまる。『こうふく♡みたらしだんご』。むかし戯曲のWSで似たようなテイストの「みたらしだんご先輩」という短編を書いたので親近感が湧く。ポップに見せてるけど、完全にカルトにハマった信者をどうやって救うかみたいな話だった。それはともかく、あんなに女性ばっかりの大手企業があったら案外先進的なんじゃないかと思ったりもした。
・あたらよ『会話劇』。会話と玩具を結びつける発想がおもしろい。細かく見ていくと変なところもありそうだけど、組み合わせの妙で最後まで押し切られた。ジェンガやドミノをライブでやるのはハラハラしてしまう。
・投票はおちゃめインパクトと、あたらよに入れたけど、ライブで見たら極端に印象が変わりそうな作品が多かった。