2022/2/23
・19世紀末のロンドン。人気者のわりにちょっと頼りない紳士、アーサー・ボーリング卿が親友夫婦をスキャンダルの危機から救おうとする話。
・アーカイブなしのライブ配信。宝塚歌劇の作品は『風と共に去りぬ』から2本目。
・最初にたくさん名前つきの登場人物が出てきてちょっと不安になったものの、主要5人の登場人物の味付けがしっかりしているので最後まで混乱しなかった。
・主役のボーリング卿を演じているのは瀬尾ゆりあさん。初見だけど、存在感が際立っている。
・振り向き方や足の開き方、ちょっとした仕草が男性的。何をもって男性的なのか言語化しきれない。色んなノウハウの蓄積がありそう。どこかにまとまってたりしないだろうか。
・破滅するかしないかの人生の瀬戸際が描かれているわりに、愛と正義とちょっとした賭けの結果で話を進めているので、必要以上に深刻にならない。軽快。
・ボーリング卿が最初に親友の妻を説得しようとするところ。目的は明確でも、手段があまりにぼんやりしていて笑ってしまう。
・英国紳士らしいカッコよさと、ところどころで出てくる頼りなさ、不安定さが「完璧な夫」である親友と対照的でうまくバランスが取れていた。
・「切り札」という翻訳物特有の味わい深い単語。
・チーブリーフ夫人。悪役だけど、引き際、去り際が潔くて嫌いになれない。演じたのは紫りらさん。
・ミュージカルだから歌とダンスで見せるのはもちろんだけど、表情でも結構大きな芝居をしていて、役者でもないのにちょっと顔真似したくなる。
・小桜ほのかさん演じるガートルート夫人も、歌声が印象的で、今後宝塚を見るときには注目したい人になった。
・コメディだからというのもあるけど、歌やダンスも含めて、もう少し見たいというくらいで次の展開になる。何回も観たくなる人の気持ちがわかる。
・最後のほう、もうひと混乱あってもよかったかなと思ったり、メイベル嬢はボーリング卿にとっても、脚本家にとっても都合よすぎるような気もするけど、そのへんのフォローしようとすると、本作の魅力である軽快さが損なわれるのかもしれない。
・宝塚HP見てみたら主要登場人物の配役表があった。そこから広がる興味もあるので、こういうことは他劇団でもどんどん取り入れたらいいと思う。
(U-NEXT)