nursling,

読書 音楽 映画について

ダイエット   フランソワーズ・マレ=ジョリス

2007年09月25日 | 読書記録

主人公のジャンヌは35歳で自然科学の教師をやっている。
身長は170センチ弱で、体重が85キロ。
ある日、彼女の住む高層マンションのエレヴェーターが壊された。
ジャンヌは23階に住んでいる。

隣人、知人、友人誰もがそろってジャンヌに言う。
「階段を下りたりしちゃだめだ。無理したらだめだ……」

??どうして?
私は健康なのに?

その後、いろいろなことがきっかけで、ジャンヌはダイエットを始める。

体重が減るとともに、回りの人たちの、ジャンヌに対する接し方が変わり始める。




一度読み終わって、もう一度はじめから読み直した。
結局2回通して読んだ。

ジャンヌの生い立ち、職場の人間関係などが細かく記されている。

ジャンヌや、その友達エヴリーヌがいろいろと思考するんだけれど、それがキリスト教がらみだったりすると、ちょっと私にはいまいち分からない部分もあった。

キリスト教だけでなく、イスラム教など、宗教の話が出てくると、ちょっと?だったが、ジャンヌの心の移り変わり、自己に対する思いの変化、回りの人たちのジャンヌを見る目の変化などに、非常に興味が持てた。


そしてラストは…
…これではあまりにも情けがなさ過ぎると思った。
フランス語には情けっていう単語がないんじゃないのか。
いや、少なくともこの筆者の辞書には情けって文字はないだろうな。
これじゃ、主人公に対する愛情があまりにもなさ過ぎる。
ひどすぎる。

だから、私は勝手にこの物語の続きを考えた。
犯人は逮捕され、ジャンヌは入院するが、静かな病室の中で、少し混乱しっぱなしだった頭の中を整理していく。
そして……となって、Fin.



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至福の味   ミュルエリ・バルベリ

2007年09月17日 | 読書記録


死の床にある著名な料理評論家。
その人が「忘れてしまった、あの味」を思い出すために回想をしている。

そのほか、彼を取り巻く人々の心のうちも語られていく。


料理評論家の回想なので、出てくるのは食べ物の話がほとんどです。
フランス料理の独特な言葉が出てきて()内に訳注も書いてあるけど、注を読んでも…??。

彼を取り巻く人の回想には、彼の人となりが(どんなに嫌なやつだったかが)あらわされています。
ただし、彼の妻は除く。
著者に言いたいけど、女はこんなに馬鹿じゃないよ…「飾り物」くらいに思われているのにそれに気づかないなんて…

…ああ、でも人間はいろいろだ。
気づかない人がいたって別にいいじゃんか、、、、。そうだよね。
著者だって、そんなこと分かりきって書いているのかもしれないし。


最後の、臨終の際の祈りの言葉にはちょっと笑わされました。
「神(父)と子と聖霊の御名において」…正式にはこれだと思うんだけど…‘聖霊,のところに食べ物の名前が入っちゃってます。


そんなお祈りってありですか。
(しかも臨終のときなのに…まぁ、宗教のことはあまり詳しくはありませんが…)

でもそれがこの料理評論家の性質…性格…ひいては人生そのものの表れでもあったり。
そんな事を思いました



そんなに面白い本でもなかったが、つまらなくもなかった。
フランス料理に詳しい人なら、もっと楽しめるかも?





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バグダッド カフェ 〈完全版〉

2007年09月10日 | 映画その他

バグダッド・カフェ(1987) - goo 映画


アメリカの、だだっ広い砂漠(荒地?)に、ぽつんと建っている「バグダッド カフェ」

ガソリンスタンド兼、カフェ兼、モーテル・・・・世界に見捨てられたようなさびしい荒地に、こんな建物があるのか…アメリカって不思議な国だなぁ…。
いや、アメリカではこういうのが普通なのかも…。
こういう立地条件?で、…っていうところも、この映画の重要な要素、だと思った。


そこの女主人ブレンダ。
亭主はあまり働き者じゃない、2人の子供は言うことを聞かない、しかもそのうちの一人は一日中ピアノばかり弾いていて、自分の子供…まだ赤ん坊だ…の面倒を見ようともしない。
(赤ん坊の母親は…いないらしい)
毎日イライラして怒鳴りっぱなしのブレンダ。
亭主はある日、うんざりして出て行ってしまう。

そこへ、場違いな服装をした太ったドイツ人女性〈ジャスミン〉が、旅行かばんを引きずりながらぜいぜいはあはあと(なんと)歩きながら、そのカフェのもとへと訪れ…。


話の途中、男性がブーメランを飛ばし、この画像にある貯水タンクか何かの周りを回り、元の位置に戻ってくる、と言うシーンが何度か映し出される。

それを見ていて、あぁ、ブレンダの亭主は、いつか帰ってくるんじゃないのかなぁ、と漠然と思った。

ブレンダの亭主は、怠け者だけどジャスミンの亭主よりはずっとましだ。
事の成り行きを、黙って見守っている。(そのかわり何の手助けもしていないが)

ジャスミンの亭主は…だだっ広いアメリカの砂漠のど真ん中に女を置いて、一人車で走り去るなんて、、、、こんな奴男じゃない。(あとで少し探したりもするけど…でもひどすぎる)
こんなヤツ大嫌いだ。


I am calling you…と言う歌詞の、映画で使われている曲もこの映画に良くあっている。


美男美女は一人も出てこない、それどころか出てくるのは奇妙な人や先住民とかアフリカ系アメリカ人とか、マイノリティばかり、しかも少しアートアートしているので、見る人によっては暗くて変な映画だ・・・という感想を持つ方も居るかもしれませんが。
(実際私も、もう少し画面が明るくならないかしら~見づらいわ~~と思い、PCの画面の角度を変えたりしてみた。でもやはり変わらなかった。全体的に…話の内容だけでなく映画の画面の色調が暗いんです)
結構お気に入りの映画です。


だんだんと打ち解けていく女二人、それを取り巻く人々。
落ち込んだりイライラしてばかりのブレンダに笑顔が増えていく。

統合前の、西ドイツの映画です。





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子ども諸君  ダニエル・ペナック

2007年09月07日 | 読書記録
MESSIEURS LES ENFANTS Daniel pennac


生徒たちに恐れられている(?)中学校の国語教師がある日、授業中いたずらをしていた3人に、作文の宿題を出した。
「ある朝起きてみたら、自分は大人に、両親は子供になっていた。さあ、その続きは?」

イゴール、ジョゼフ、ヌルディーヌのいたずら坊主3人組ははじめ「そんな宿題なんかやってられるか」…という態度だったが、結局作文を書き始めた。
その後、本当に両親は子供に、自分は大人になってしまい…。


「カービン銃の妖精」と同じ作者の作品です。
確か日本の映画か小説か何か…何かは忘れましたが、日本にもそんな話がありましたね…詳しくは知らないんですけど・・・。

ジョゼフ、イゴール、ヌルディーヌの3人とも、家庭に少し(少し、ではないように思えるが…)悩みを抱えている。
その3人がある日突然大人になってしまった。
困った3人は、子供になってしまった親たちの面倒を見ながら、こんな作文を書かせた教師を見つけて文句を言ってやろうとするが…。

あわてた子供たち(大人になってしまった子供たち)のどたばたを、ただ面白おかしく書いたのではなく、いろいろ考えさせられ(時々笑わされたりして)読んでいて非常に面白かった。

前に読んだ「明日はきっとうまくいく」(移民2世の女の子の小説)…「子ども諸君」にも、移民2世の子が出てくる。(ヌルディーヌとその姉)

そのほか、薬害エイズ問題など、フランス社会が抱えている問題などもさりげなく描かれていて、興味深かった。



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とけい

ぽいんとぼきん