「人の子」は民間人も一緒なのだ。むしろ公務員の定年は一律65歳に改め、特殊な専門領域での知識や高い能力をもって、社会の公正性や国民生活の安心安全のために「公僕」として働いて頂きたいと思う。
検察庁と最高裁判所を混同して「三権分立」などと言っている人はきちんと勉強すべきだが、検察庁は国の行政機関であって、司法機関ではない。検察庁は法務省の特別機関とされ、最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁などがある。
検事総長は最高検察庁の長として庁務を掌理し、全国全ての検察庁の職員を指揮・監督する(検察庁法第7条第1項)とあり、 任命権者は内閣。 定年は65歳(検察庁法第22条)。 検事総長を除く検察官の定年は63歳とされる。
中央官庁の国家公務員である官僚や検察庁の検察官が定年よりも早く省庁を辞めるのは、出世レースでトップにまで登り詰めるのは同期の中の0〜1人で、他の人々は組織を早々と去り、「天下る」というのが悪しき慣例。
「天下りとは、国家公務員が仕事で関わりの深かった企業や団体に再就職すること」で、巨大な権限を持つ省庁は「お上( おかみ)」とも呼ばれ、「天から降りてくる」かのようであるから「天下り」と呼ばれる。
「国家公務員の天下り」を禁じる法律が2007年に改正されたことで、実のところ上のグラフ(内閣人事局発表)のように、この10年間で天下りの件数は年々増えているようなのだ。
2007年の改正内容
(1)現職職員による再就職あっせん
(2)在職中の利害関係先に対する求職活動
(3)再就職した元職員による出身省庁への働きかけ
を禁止。
しかし、規制対象は現職職員だけで、退職職員(OB)が知り合いの現職職員を紹介することや、職員が退職後に企業に再就職の働きかけを行うことは禁じらず、独立行政法人などに「現役出向」する場合や、内閣につくる「官民人材交流センター」が紹介を行う場合などは禁止の対象外とされ、公然と天下りのあっせんや働きかけを行う仕組みまでつくられたとまで指摘された。
■「天下り」によって起こる問題
「 天下り」が何故問題となるかといえば、監督する側が監督される側に回り、官民の癒着を招き易くなってしまうからである。
大蔵官僚の天下りが招いた「住専問題」の例
例えば、90年代の地価狂乱による「バブル崩壊」の片棒を担いだともいわれる住宅金融専門会社(住専)は70年代に当時の大蔵省主導で設立され、普通のノンバンクと違って、(当時の)大蔵省の直接の監督下にあって歴代社長の多くは大蔵省の天下り官僚だった 。
住専は総融資の半分に当たる6兆4000億円もの巨額な焦げ付きを出していたのに、監督官庁である大蔵省は、住専を倒産させずに、93年に「再建計画」と称して農協系統と銀行界との橋渡し役を買って問題の「先延ばし」を図り、96年、6850億円もの公的資金が投入されるという前代未聞の事態を引き起こしたのであった。
検察庁OBの天下り問題の例
今年の3月、かんぽ生命の乗り換え契約の不正販売をめぐる情報漏洩問題が発覚した日本郵政グループや、2,000億円超の粉飾決算が判明した東芝になぜ捜査のメスが入らないのかという記事があった。
その記事では、元検事の弁護士たち( 俗にいうヤメ検)が続々と両社で社外取締役などの要職に就いているそうで、例えば日本郵政グループの持株会社である日本郵政は検察の最高位である検事総長経験者の弁護士を2人(原田明夫氏と笠間治雄氏)を立て続けに社外取締役として迎え入れており、グループ傘下のかんぽ生命とゆうちょ銀行でも高検検事長まで務めた大物検察OBが3人も社外取締役に就いているのだそうだ。
つまり、検察の大物OBが続々と天下っている日本郵政グループの不祥事について、調査したのも検察OBだったという図式なのだそうだ。
2000億円もの粉飾決算が問題となった東芝
東芝の歴代3社長が2012年3月期の有価証券報告書に架空の利益を計上したとする金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)の疑いで、金融庁の証券取引等監視委員会が2015年から東京地検への刑事告発に向け調査を続けてきたが、6月22日、公訴時効が成立した。それには検察側が「立件困難」として告発受理に消極的なためであったと指摘されている。
東芝は検事総長経験者の弁護士・筧栄一氏を社外監査役、社外取締役として迎え入れた「実績」があり、粉飾決算が発覚した2015年には、筧氏はすでに死去していたが、東芝が粉飾決算を行っていたとされる時期に社外取締役を務めていたのが清水湛氏という人物で、清水氏は法務省民事局付検事としてキャリアを重ねて最高検検事を経て裁判官に転じ、広島高裁長官にまで出世したという検察庁の大物中の大物といった人物なのだそうだ。
外部から経営を監督することが期待される「社外取締役」に天下った清水氏も東芝の粉飾決算に関する責任が皆無とはいえないと指摘されている。
東芝は証券取引等監視委員会の立入調査を受け、社内に設置した特別調査委員会には、元大阪高検検事長の弁護士・北田幹直氏が委員として名を連ねており、更にその次に設置された第三者委員会で委員長を務めたのは、元東京高検検事長の弁護士・上田廣一氏だったそうだ。
検察OBが社外取締役を務める企業の不正について、別の検察OBが調査するという構図は、かんぽ不正販売問題に関する日本郵政グループの特別調査委員会と全く同じである。
「 時効成立」として不正が刑事事件化されずに済んだ東芝は、新たに元最高検次長検事の弁護士・古田佑紀氏を社外取締役に迎え入れており、加えて、東芝が歴代の社長3人とCFO ( 最高財務責任者) 2人を相手取って起こした損害賠償請求訴訟では、元広島地検次席検事の弁護士・山口幹生氏が東芝の弁護団に名を連ねているのだそうなのだ。
このように、検察庁OBの「天下り」は、明らかな官民癒着構造を生んでいるにもかかわらず、そういった側面を今回マスコミは全く報じなかった。
補足
キャリア官僚や検察官に優秀な人材が集まらなくなっても困るから、ある程度の天下りは認めてよいと思う。しかし今回問題になったのは、黒川検事長を恣意的に63歳から定年延長することで、彼が検事総長になる道をつくるという任官に内閣が関わることを検察庁への内閣のコントロールとみなしたから。
定年延長を命じることはいくつかの例外をこれまでも認めてきたことだそうだうなのだ。しかし、検察庁人事は検察庁内部の人々に任せるということならば、介入の余地がないように一律65歳でよいと思う。
引用元:
5月20日に黒川検事長のマスコミの記者との麻雀が報じられたように左の朝日と右の産経ともに検察庁を取材対象として長いつながりをもっていたいので、検察庁OBの天下りについて報じようとしないのではないかと思います。
ただ、裏があるようです。
このころの時期の検察官は、優秀な人は弁護士希望であったため、なり手がなかった頃の人たちですから質が悪いので、様子を見ながら検察内部でマシな人を総長にしたい思惑があるようです。内閣人事ではなく検察庁側の意向ですね。
最近は弁護士に旨みがなく検察志望が増えて若い優秀な人が入庁しているそうです。
ただ、検事総長の件については、2020年2月1日の時点で「ニューソク」の【須田慎一郎】朝日は検察人事への介入をやめろ!第二弾で話しているとおりだと私は思っています。
https://www.youtube.com/watch?v=eqfXZ5nzivQ
本来、内閣が検察庁の人事をコントロールしているとフェイクを流しているのは朝日新聞のほうだと思います。
政府は全く関係していないので、確実な証拠を示して質問してくださいといってシャットアウトすればいいのにと思ってしまいます。無駄なことに労力を費やさず防疫対策の法整備を議論して欲しいです。