「ゴジラ」は、東宝が1954年(昭和29年)に公開した特撮怪獣映画『ゴジラ』に始まる一連のシリーズ作品及び、それらの作品に登場する架空の怪獣の名称。
シリーズ第1作に登場した水爆大怪獣ゴジラは身長50メートル、「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖の象徴」として描かれており、名前の「ゴジラ」とは、力強い「ゴリラ」と体の大きな「クジラ」を混合した造語という説などがある。
1作目ゴジラ予告映像:
2作目ゴジラ「ゴジラの逆襲」
このシリーズのプロデューサーは田中友幸氏(現東宝映画代表取締役会長)、米国映画「原子怪獣現わる」(The Beast from 20000 Fathoms (53年米国 E・ローリー監督 )や、恐竜型怪獣が暴れる映画を当初から構想、1954年当時社会問題となっていたビキニ環礁の核実験による第五福竜丸被爆(注)などに着想を得て特撮映画製作を熱望していたスタッフが製作。
撮影は「キングコング」(King Kong) (米国1933年)に魅了されていた特撮技術監督の日本の特撮界のパイオニア円谷英二(本名:圓谷 英一) が担当。
円谷英二は34歳当時の34年2月から8月にかけ連合艦隊の練習艦「浅間」に乗艦、ハワイからフィリピン、オーストラリア、ニュージーランドを回り、練習生の実習風景の長編記録映画「赤道を越えて」の撮影に当たり、これが監督第1作となった。
他に、日独合作の国策映画「新しき土」(1937年 日独 アーノルド・ファンク・伊丹万作監督)では日本で初めて本格的なスクリーン・プロセス撮影に参加。
田中友幸プロデューサーによって、「G作品」(ゴジラ)の企画が起こされ、円谷は新たに特撮班を編成して担当。
当初、キング・コングの撮影で使われた「ストップモーション・アニメーション」による撮影を予定していたものの予算や撮影期間の問題で着ぐるみによる撮影となった。
54年11月3日、満を持して製作された『ゴジラ』が公開され、空前の大ヒット。日劇ではつめかけた観客の列が何重にも取り囲み、プロデューサーの田中友幸がチケットもぎを手伝うほどだったというエピソードも。
「ゴジラ」第1作目は邦画初の全米公開作となった。当作で円谷は「日本映画技術賞」を受賞。
(注)ビキニ環礁の核実験
1945年のニューメキシコ州のトリニティ、広島、長崎に続いて、46年7月1日と25日に史上4番目と5番目の核実験が行われ、58年7月までの12年間に水爆を含む計23回の核実験が実施された
1954年3月1日、遠洋マグロ漁船の第五福竜丸がビキニ環礁で米軍の水素爆弾実験(キャッスル作戦・ブラボー〈BRAVO)、により発生した多量の放射性降下物(死の灰)を浴びた。
■第五福竜丸の船員(23名)
実験当時、第五福竜丸は米国が設定した危険水域の外で操業していたが、危険を察知して海域からの脱出を図ったがものの延縄の収容に時間がかかり、数時間に渡り放射性降下物の降灰を受け船員23名は全員被爆してしまう。第五福竜丸は現在も東京都江東区にある都立「第五福竜丸展示館」に保存されている。
第五福竜丸以外にも危険区域内で多くの漁船が操業していたことが明らかとなったことで、後に米国は危険水域を拡大。この水爆実験で放射性降下物を浴びた漁船は数百隻、被曝者は2万人を越えるとみられている。
予想以上に深刻な被害が発生した原因は、当初米軍がこの爆弾の威力を4 - 8Mtと見積もり、危険区域を狭く設定したことで、爆弾の実際の威力はその予想を遥かに超える15Mtであったため、安全区域にいたはずの多くの人々が被曝することとなった。
乗組員は約4 - 5時間も放射性降下物を全身に被りながら作業を行い、船体や人体を十分洗浄もしないまま、強い放射能汚染のある状態で帰港までの2週間船上で生活。放射線による火傷、頭痛、嘔吐、眼の痛み、歯茎からの出血、脱毛など急性放射線症状を呈し、「急性放射線症」と診断された。
23名の被爆線量は個人により異なるが、全身線量で最低1.7グレイ、最大6.9グレイと評価された。体の表面に付着した放射性降下物によるβ線皮膚照射で、皮膚に紅斑、炎症、水泡、びらん、潰瘍が認められたが、数か月で治癒し、がん化するようなことはなかったものの造血器障害は初期にはリンパ球の減少が全員に見られ、被爆第8週から回復し始め、白血球数は約8年後に正常に戻った。
生殖細胞は2 - 3か月後には殆ど消滅したが、数年後には回復。染色体検査では異常の増加が認められているが、臨床的症状に結びつくものではなかったといわれる。
甲状腺については、1965年の検査で1例甲状腺腫が認められたが翌年の検査では消えていた。その後も甲状腺腫は認められていない。その他の症例は正常な甲状腺機能を示した
ただし、無線長だった久保山愛吉(1914年6月21日生まれ 被爆当時40歳)によりが約半年後の9月23日に死亡した。
参考動画:
太平洋で何度も核実験が実施され日本の漁船がダメージを受けたと知って、その事件は問題だと思いましたが、多くの国による核実験で地球に大きなダメージが蓄積されたのではないかと心配しています。
神をも恐れぬ行為ですね。
特にウイグルでの中国による核実験は大規模で多くのウイグル人に被害を及ぼしたようです。
特撮の円谷英二は有名ですね。