2020年4月にNetflixで配信されたWebアニメ「攻殻機動隊 sac_2045 」は攻殻機動隊シリーズとしては初めてフル3DCGアニメーションとして制作された。
シリーズの原作は士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」。
シリーズ1作目は劇場版アニメ映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」
95年11月に監督押井守監督、脚本伊東和典で制作公開され、米国ではビルボード誌のビデオ週間売上げ1位となった(1996年8月24日付)。
「GHOSRT IN THE SHELL/攻殻機動隊」
(95年 日本アニメ映画 押井守監督)
2008年にCGを中心にリニューアルされた『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』は全国5都市で公開。
2作目の続編は2004年公開のアニメ映画「イノセンス」(押井守監督)。同作品は第25回日本SF大賞受賞、第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて上映された。
この作品は2017年にハリウッドで米国映画「Ghost in the Shell」 として実写化されている。ヒロインの草薙素子役をスカーレット・ヨハンソンが演じた。
川井憲次による楽曲「謡」は、アニメ映画「攻殻機動隊」の冒頭の義体生産ラインのシーンとエンディングで使用されている 。
「攻殻機動隊」が絶大な人気を博したのは、作品のテーマのである「人間と機械の境界とは何なのか」という形而上学の普遍的な追求課題がとりあげられたこと、映画1作目の「謡」、2作目イノセンスの「FOLLOW ME」、「傀儡謡」など楽曲のすばらしさ。これらの楽曲でSFの世界観の中で人間的な魂や情緒の存在を同時に表現したことなどが挙げられる。
「謡」「傀儡謡」の女性コーラスは75人の民謡歌手らの音楽グループ「西田和枝社中」によって唄われている。
攻殻機動隊(Ghost in the shell)「謡」III - Reincarnation (1995)作詞・作曲: 川井憲次吾が舞へば麗し女、酔ひにけりBecause I have dancedThe beautifu lady was enchanted吾が舞へば照る月、饗むなりBecause I have dancedThe shining moon echoed結婚に、神、天下りて夜は明け、鵺鳥、鳴くProposing marriage, the god shall descendThe night cleared away and chimera bird will sing(間奏)吾が舞へば麗し女、酔ひにけりBecause I have dancedThe shining moon echoed吾が舞へば照る月 饗むなりBecause I have dancedThe shining moon echoed結婚に、神、天下りて夜は明け、鵺鳥、鳴くProposing marriage, the god shall descendThe night cleared away and chimera bird will sing遠神恵賜遠神恵賜遠神恵賜The distant god may give us the precious blessingThe distant god may give us the precious blessingThe distant god may give us the precious blessing
単語解説
吾(あ):上代語 われ、わたし
麗し(くわし):美を表す言葉は、「くわし」→「きよら」→「うつくしい」 →「きれい」 などのように移り変わってきた
饗む(とよむ):音が鳴りひびく。ひびきわたる。
結婚(よばい):婚い(よばい)、夜這い、求婚
鵺鳥(ぬえどり):森の中で夜中に細い声で鳴くため鵺(ぬえ)または鵺鳥(ぬえどり)とも呼ばれ、気味悪がられることがあった。「鵺鳥の」は「うらなけ」「片恋づま」「のどよふ」という悲しげな言葉の枕詞となっている。
「謡」OST版
2作目「イノセンス」のOP「Follow Me」
アランフェス協奏曲(作曲Joaquin Rodrigo 歌詞Herbert Kretzmer/ Hal Shapey )
歌:伊藤君子
1991年
択捉島が日本に返還される。
1995年
ソビエト連邦が中東に軍事介入、その後イスラエルを抑え地中海に進攻し欧州諸共同体(EC)と正面衝突。
1996年2月
第三次世界大戦勃発。ほぼすべての核兵器投入により一瞬にして決着。EC・アメリカ合衆国がソ連を撃退する。
1999年
中国北京に巨大隕石が落下、中国共産党の指導部が消滅したことにより、中華人民共和国が事実上崩壊。
9月、日本が核攻撃を受け、東京が壊滅。第四次世界大戦勃発。
2005年
大東合衆国(アジア連合)結成。
2015年
記憶の機構が解明され、記憶を記録情報とする技術を手に入れる。
「日本の奇跡」と呼ばれる放射能粉塵除去技術が発明される。
2024年
第四次大戦終戦。アジアの勝利。
・・・
のようになっているそうです。
大東合衆国(アジア連合)はごめんこうむりたいですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BB%E6%AE%BB%E6%A9%9F%E5%8B%95%E9%9A%8A%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%81%AE%E5%B9%B4%E8%A1%A8
もともとは、SF映画で面白そうなものがなくなったためにアニメを観るようになりました。
やはり最初は『AKIRA』ですね。一度目はサイコキネシスをテーマに美しい映像で描かれた凄いアニメという印象でしたが、2度目に観たときに、東京オリンピックの前に東京を新しい爆弾で壊滅させてしまうというストーリーに怖い内容だと思いました。作者の大友克洋は東京崩壊を望んでいるのか、そのストーリーにどんな意図が隠されているのか思想性に疑念がうまれ、単なる面白いアニメではないと思うようになりました。
この攻殻機動隊は、原作では首都圏が核攻撃で壊滅した後、つまり『AKIRA』の後の世界を描いているところに連続性があるものの、その後に日本の科学技術が飛躍的に発展したというシチュエーションは、絶望的な結末で終わる『AKIRA』に比べて明るい未来性が感じられます。
この前、泉城さんがameba blogにsac2045 を観た感想を書いておられたので、四半世紀前のアニメですが1995年の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」について書いておきました。
SF好きな私としては攻殻機動隊の面白さは欠かせないです。そしてそれを盛り上げる民謡歌手らの唄がこれまでにない未来感や日本らしさで不思議な感覚を与えていてマッチしていると思います。