[写真は4枚]
全七回で学ぶ誕生花としてのバラ。
今回はその最終回。
[第六章] 誕生花としてのバラ
花言葉は花の女王だけあって全てのバラで「愛」と「美」
美の女神アフロディーテ誕生を見た神によって一緒に世に送り出された花。
代表的な色は「赤」
この花色は多くの神話・伝説・宗教でも代表色として取り上げられる。
(詳細は第三章で解説)
逸話では伝説の主人公の血がシロバラに滴り色を染めた神聖な花とされる。
赤いバラの花言葉は、
「愛情」「無垢で愛らしい」「貴方を愛します」「貞節」「情熱」「熱烈な恋」
誕生花として挙がるのは、5/9、5/21、5/31、6/9、6/12、10/13の6回。
一方でシロバラは花色の潔癖・清潔・清純なイメージから聖なるものの象徴。
誕生花としては、5/7、7/8、7/17、7/19、10/31、11/22、12/11、1/31の8回。
これは色ごとのバラとして最も登場回数が多い。
意外なのは黄色いバラ。
まず花言葉のイメージは欧州ではよくない。
詳しくは [第一章] にゆずるが花言葉に「嫉妬」などがある。
一方で花色ごとの誕生花登場回数はシロバラ同様に多い。
5/7、6/7、7/21、7/29、9/23、1/12、1/28、2/2と8回。
おそらく近年、北米や日本に誕生花や花言葉が伝わってから増えたと考えられる。
(北米・南米・日本など極東アジアでは黄色に対するイメージが良い)
日本におけるバラの印象は、季語の扱いでうかがい知れる。
芽「春」・花「夏」・秋薔薇(あきそうび)「秋」・冬薔薇(ふゆそうび)「冬」となる。
花が三つの季節で登場し、他の花では滅多に見ない「芽」にまで季語がある。
桜や百合などのように呼び名が多数あるものもあるがいずれも季節は一つ。
バラの様に全ての季節に季語を持つのは稀有な存在。
ここで、あらためて [第一章] で紹介した誕生花の日付について紹介すると、
バラが誕生花として取り上げられている日付は、
4/11、/29、5/14、/15、/16、/28、6/01、/04、/17、/19、
7/04、/14、/15、/23、8/03、9/26、11/15、/27、12/9、/15、/25、
1/16、/19、2/10、/25、03/25の26回。
月ごとの誕生花として最も多く登場するのは6月と7月。
これらは近代日本での誕生花のようだ。
なお英国でのバラの誕生花としての日付は日本のそれと多少異なる。
古代文明や神話・ヨーロッパ文化を深く継承していることが考えられる。
日本と違って花言葉よりもシンボルについての伝承も多く残っている。
英国人の著作「花を愉しむ事典」(※1)を例にバラの誕生花について紹介すると、
バラ(白) 7/ 8
ダマスクローズ(薔薇の女王) 8/12
バラ(赤)10/13
バラ(黄) 2/ 2
※1:J・アディソン著:樋口康夫・生田省悟訳 八坂書房
さらに調べてみると悩ましい伝承が持ち上がってくる。
バラの中でもダマスクローズは「薔薇の女王」と呼ばれる。
香りが最も良いバラとして知られる。
ダマスクローズ(ダマスクバラ)について史実を調べると、
1)中東原産で原種に近い存在。
2)クレオパトラ(七世)が愛してやまなかったバラ。
3)『ヴィーナスの誕生』にダマスクローズと思われるバラが描かれている(※2)
4)香水・化粧品だけでなく食用にもできる。
5)現在の産地は主にブルガリアとトルコ
※2:ルネッサンスにボッティチェリによって描かれた。
さらにネット・書籍(※3)で調べてみると、その記念日は6/8頃となる。
ヨーロッパには5世紀から伝わるバラの女王への載冠式の儀式がある。
古くはフランスで継承されている。
バラの女王に選ばれた少女は500円程度が入った財布を持たされる。
白い服に身を包み12人の少女と12人の少年に付き添われ城に向かう、
城主は皆を教会まで導く。
そこで祝福を得たのちに選ばれし少女にバラの花冠が与えられる。
この風習が祭りとして現代でも残っている有名地がブルガリアである。
その日付は6月8日。
※3:「花の神話伝説事典」C・M・スキナー著 垂水雄二・福屋正修訳 八坂書房
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Risvel(リスヴェル)旅する人に届けたい世界の情報
2014年6月7日~6月8日、ブルガリアでカザンラクのバラ祭り開催
ウィキペディア セイヨウバラ(ダマスクバラなど)
次代への健康物語 わかさ生活 バラの女王ダマスクローズ
バラの美術館ROSEUM.net バラの知識 ルネッサンス
Herbnote ダマスクローズとは?クレオパトラも愛した「バラの女王」
( ↑ 読み込みに時間がかかります)
まとめ
いつの日かAIグッチーなりの誕生花を紹介したいと思っている。
その中にバラは間違いなく取り上げるべき花。
ただし、悩ましい点がいくつかある。
1)バラの誕生花の日付をいつにするのが妥当か。
2)花色別の誕生花を設けるかどうか。
現段階で妥当と考えている日は、
バラ 6/ 8(ダマスクローズ)
バラ(白) 7/ 8
バラ(赤)10/13
バラ(黄) 2/ 2
である。
理由は、
日本で定められた誕生花よりもヨーロッパの伝承を敬うため。
ただ今後も誕生花についての調査は継続する。
それはバラのみではなく他の花たちも同様。
それらがまとまった暁に編纂できればと考えている。
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余談
ヨーロッパなどでは墓参りの花としてバラを選ぶことがある。
ただ日本の場合はお供えの花としてふさわしくないという文化がある。
お供えした花はお墓に眠る先祖にも届く(天に昇る)という考えがあるからだ。
天に昇った花の棘でご先祖様を傷つけてはならないという思い。
文化・宗教の違いでこのような違いがあるというのも興味深い。
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誕生花について
誕生花の起源について調べてみるとギリシャ神話やローマ神話にたどり着く。
ギリシャ神話・ローマ神話を元に人々が月日に神が定めた誕生花を当てているようだ。
神に選ばれた日の花と言うことで季節が合っていない事があるのだろう。
また、北半球と南半球では季節が逆。
なので特に南半球特有の花は北半球とは開花期を異にしている。
北半球で開花期ではないものが誕生花として当てられている可能性がある。
そして現在ではギリシャ・ローマ時代のヨーロッパに存在しない日本・中国・朝鮮半島の花も登場する。
さらに1492年の新大陸発見までヨーロッパに伝わっていなかったはずの南北アメリカ大陸固有の花も誕生花に名前を連ねている。
これについては誕生花にまつわる書籍を見ると開花時期に合わせて著者自身が選んだ花を誕生花として取り上げているようだ。
花言葉について
花言葉について調べると誕生花と同様にギリシャ神話やローマ神話の影響が強いようだ。
そんなギリシャ神話には悲しく残酷な物語が多い。
その話しは人生を感じさせる。
それも喜怒哀楽の中で言えば「怒」と「哀」に特化し神を擬人化した欲望渦巻く物語
そんな神話にまつわる花言葉が与えられたならマイナスイメージの花言葉が生れてもおかしくない。
また、現在の花言葉の多くに関しては日本で独自に作られたものが多いらしい。
そして元々ギリシャ神話をベースにした誕生花には花言葉と言うよりシンボル(象徴)・裏シンボルと言ったものが存在している。
そのシンボルと裏シンボルが花言葉の元になっているようだ。
「日本の誕生花 by AIグッチー」に向けて
以上の事をふまえてもAIグッチー的に誕生花や花言葉に対する疑問が5つ。
「誕生花なのにミカン・松の様に観葉植物・果実・樹木そのものの時がある」
「同じ花が別の日の誕生花としても取り上げられる」
「マイナスイメージが多い誕生花っていかがなものか?」
「先取りならともかく季節外れの花が誕生花とはいががなものか?」
「昔と比べて今は環境・気候・文化などが違うのだから誕生花も時代に合わせるべきでは?」
誕生花と言うからには花!
同じ花が別の日の誕生花になるのは・・・特別感が減る!
マイナスイメージの花言葉が多い誕生花って微妙!
誕生日に見られない誕生花とは!
誕生日に手に入らない誕生花はいかがなものか!
ただ、ギリシャ神話・ローマ神話や先人によって選ばれた誕生花については敬意を表したい。
それを踏まえていつの日かAIグッチーなりの誕生花を紹介できたならと思う今日この頃。
その日のために「都度勉強日々精進」
当ブログ関連記事
【本日誕生日の方々へおめでとうございます】
【また、最後までご覧頂きありがとうございます】
<<<参照図書>>>
「花の神話伝説事典」 八坂書房 C・M・スキナー[著] 垂水雄二・福屋正修[訳]
「花を愉しむ事典」 八坂書房 J・アディソン[著] 樋口康夫・生田省吾[訳]
「花のシンボル事典」 説話社 杉原梨江子[著]
「新装版 誕生花と幸せの花言葉366日」 主婦の友社 徳島康之[監修]
「366日 誕生花の本」 三五館 瀧井康勝[著]
「誕生花事典366日」 角川文庫 植松黎[著]
「誕生花 Birthday Flowers」 保育者 井上恵子[著]
「日々を彩る幸せのダイヤリー 誕生花366の花言葉」 大泉書店 高木誠[監修]
「贈る・楽しむ 誕生花事典・日々を彩る花言葉ダイアリー」 大泉書店 鈴木路子「監修」
「花の神話」 新紀元文庫 秦寛博[編著]
「ギリシャ・ローマ神話 付 インド・北欧神話」 岩波書店 ブルフィンチ[作] 野上弥生子[訳]
「一冊でまるごとわかるギリシャ神話」 大和書房 吉田敦彦[著]
「美しい 花言葉・花図鑑 彩りと物語を楽しむ」 ナツメ社 二宮康嗣(孝治)[著]
「小さな 花言葉・花図鑑」 自由国民社 宇田川桂子[監修]
「花言葉 花贈り」 池田書店 濱田豊[監修]
「知る 飾る 贈る 花言葉・花事典」 池田書店 高橋秀男[植物監修] 石森康子[原稿作成]
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