過呼吸(過換気症候群)に陥った人は、よく
「息が吸えない。苦しい!」と言います(感じます)。
しかし真相は、その反対で、
過呼吸の人は「息が吐けない。吸い過ぎ」の状態なのです。
呼吸における吸気量と呼気量は、通常は1対1であるところ、
過呼吸の人は、吸気量1に対し、呼気量は0.6とか0.8とか少ない状態。
吸気量>呼気量の結果、空気が充満し、それ以上は空気が入らない状態。それが過呼吸の状態です。
野犬に襲われて、過呼吸になったTさんも、そうでした。
襲われた恐怖で、息を詰めたような状態が続いたのでしょう。
野犬から一目散に逃げる時も、息を詰めるようにして走ったのでしょう。
Tさんの症状は、病院の処置で、おおよそ無くなったのですが、
数日経っても、頭がぼーっとして体が気だるい、という症状が残っていました。
まだ、正常な呼吸が取り戻せないでいたのです。
恐怖や精神不安から過換気症候群になった場合、よく、
精神不安を取り除くために、安定剤や心理療法が採用されます。
しかしTさんの呼吸の状態を見てみると、
明らかに、呼気運動が弱まっていることが分りました。
~~お腹まわりが、ぽよ~んと膨らんでいて、
吸った息をしっかり吐き出す動きが弱い(腹筋力)。
Miz はTさんに、呼気力を取りもどす「呼気誘導法」を行いました。
呼気誘導法
呼気誘導法は、腹筋が弱いぽよよ~んお腹(いわゆる、空気太り?)にも有効なので、お試し下さい。
1Tさんには、仰向けに寝て、膝を立てていただきます。
2Tさんのおへその左右に、両手を当てます。
3Tさんには、鼻から息を吸っていただき、次に、
口から天井に向かって、大きく{フーッ」と息を吐いていただきます。
お腹に当てた両手は、呼気運動に合わせて軽く押圧して下さい。
4呼気とともに、お腹が少し凹みます。
凹んだら、その凹んだ位置をキープ。
5次にTさんが息を吸うと、お腹は膨れますが、手は凹んだときの位置をキーブします(若干ゆるめて下さい)
6上記4、5を、繰り返し行っているうちに(6~7回)
7やがて、Tさんの呼気の力が増して、
吸気と呼気のバランスがとれてきます。(吸気量=呼気量)
Tさんのボヨ~ンとしたお腹にも、張りが出てきます。
8過呼吸の人は、肋骨下角(腹の上方にある肋骨)も上がっているので、
4の作業を、肋骨下角にも軽く行うと効果的です。
~~~簡単でしょ。~~~
Tさんはこの呼気誘導法で、「頭がぼ~っとしている症状」が改善しましたよ。
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* 追記として*
「野犬に襲われたTさん」のブログを読んだ方から、
「そのシェパード犬は、その後どうしているか?」という問い合わせがありました。
Tさんの話では、シェパード犬は首輪をつけていなかったので、飼い犬が何かの事情で家から離れ、野犬になったのだろうということでした。・・かわいそうにね。
シェパード犬をこのまま放っておくのは危険なので、市役所に届けを出したということです。 ・・以上。
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なお、ウィキペディアでは、
過呼吸の対処法を次のように記しています。参考にして下さい。
呼吸の速さと深さを自分で意識的に調整すれば2~3分で自然に治まる。このことを利用し、万一発作が起きた場合は、介助者は何もせずに、大丈夫だ、安心しなさいと、患者を落ち着かせ、息を吐くことを患者に意識させ、ゆっくりと深呼吸をさせる(「吸う:吐く」が1:2になるくらいの割合で呼吸する。一呼吸に10秒くらいかけて、少しずつ息を吐く。また息を吐く前に1~2秒くらい息を止めるくらいがベター。胸や背中をゆっくり押して、呼吸をゆっくりするように促す。)などの呼吸管理によって、二酸化炭素を増やしながらも、酸素を取り込んで、窒息しないように呼吸管理をすることが、推奨されている。
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