みーばぁ整体室より: 体の謎とバトルの日々

みーばぁ整体室の現場では、病気や痛みや体の謎を解きつつ施術が進みます。謎が解けると施術も上手くいく。それが楽しいの。

野犬に襲われて・・ショックで過呼吸(過換気症候群)

2013-09-01 | 呼吸を考える

整体室に入ってきたTさんが、せかせかと話し出しました。

「センセイ、私、先週、野犬に襲われたんですよ」と。

襲われた時のショックがまだ尾を引いているらしく、

頭も体もぼーっとしていて、けだるく、汗が出ないということでした。

 

詳しく話しを聞いてみると、

Tさんは、小型犬といつものように朝の散歩に出かけたそうです。・・と、

突如、大きなシェパード犬が、子犬に襲いかかってきました。

とっさに子犬を左肩に抱き上げると、

シェパードは子犬めがけて、Tさんの体に飛びつくのです。

Tさんの背丈と同じくらいの、大きなシェパードでした。

悲鳴を上げるTさん。・・子犬の心臓もパクパク早打ち。

 

近くを散歩していたおじさんが、助けに入ってくれました。

やや足が不自由で、杖をついて散歩しているおじさんでした。

杖でシェパードを追いやりますが、シェパードは子犬に飛びつこうとします。

「早く、横道へ逃げなさい! 私がこいつを追っ払っているから」

おじさんに言われて、Tさんは細い横道を、一目散に逃げました。

5~6分の道のりを、全速力で走りました。

 

家について、ホッとしたのも束の間。。。。

手の指がシビレてきて、冷や汗が流れ出し、呼吸が苦しくなり、

全身に脱力感が出て、血圧を測ったら168。

家族が救急車を呼んでくれて・・・病院へ。

 

検査をすると、血液がアルカリ性になっているということで、 

「過呼吸」という診断でした。

穴があいた茶色の袋を口に当てて呼吸しながら、

点滴を受けて、、、、、やっと体が落ち着き、退院しました。

 

杖でシェパードを追い払って下さったおじさんが心配で、

家をお訪ねしました。おじさんにケガはなく、ホッとしたそうです。

 

シビレも無くなって、血圧も平常に戻ったのですが、

なんとなく体がだるく、特に朝の体調が悪い。

「ショックが、まだ尾を引いているんでしょうねぇ」とTさん。

 

Tさんの頭を、Miz の両手で包むようにして調べてみました、

頭が固い・・・。

「頭が固い」とは「頭蓋骨が硬くなっている」という意味で、

「Tさんの思考が固い」という意味ではありません。

 

「頭が固い」の意味を説明すると、

息を吸う時は胸が膨らみ、息を吐く時は胸が縮小しますね。

呼吸運動で現れる膨縮の動きは、頭蓋骨にも現れます。・・ごく微小ですが。

~~頭蓋骨への変化は、圧力変化として触感する動きですが、

Tさんの頭蓋骨には、その動きが感じられなかったのです。

 

そのことを、Tさんに話すと、

「ええっ?・・頭って動いてるんですか?」と、信じられない様子。

なので、Tさんの手で、Miz の頭を実地検分してもらいました。

ベッドに横になって、Tさんの両手でMiz の頭を包むように支えます。

Tさんは静かに、支える両手に意識を集中します。・・と、

「あ~ら、ホントだ。。。動いてる。動いてます。。。へぇ~っ」

頭の実地検分をして、Tさん、納得しましたよ。

~~もっとも、Miz はこの時、Tさんが実感できるように、頭蓋の動きを大きくするという小細工をしましたけど、ね。

 

さて・・、Tさんには仰向けにベッドに寝ていただき、調べると、

予想どおりではなく(首の角度に問題があると予想していました)

Tさんには、呼吸運動に問題があることが分かりました。

息を吸うことは出来る。が、息を吐く呼気力が弱い。

だから、お腹が膨らんでいるのね、・・・吸った息が溜まっている。

 

なので、呼気を誘導するMiz 整体を行いました。

呼気誘導の方法は、膨らんだお腹にもちょっとだけ有効です。

その方法は、次回、あらためて説明しますね。

 

さて、この呼気誘導によって、Tさんは、

「呼吸が、お腹まで届いているのが分かります」と実感しました。

・・・Tさんの頭蓋骨には、膨縮の動きが触感できました。

「頭がスッキリした」という感想は、その効果だと思います。

 

野犬のシェパードに襲われたTさんの子犬。

子犬を必死に守りながら、・・Tさんは、

恐怖のため、息を呑んでいたのでしょうね。

・・恐怖で、息を充分に吐かずにいて

・・それが体の呼吸運動を異常化して、恒常化して、

・・過呼吸状態が尾を引いていた、

というのが、Tさんの過呼吸の道筋だったと、Miz は思いました。

 



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