昨日、ピンポーンとチャイムが鳴って、・・近所に住む奥さんでした。
「あのね、・・折角のお休みの日に・・悪いんだけど、
今朝、娘(Uさん)が、子どもを見送った後、ちょっと手伸びをしたらね、
肩甲骨のところがギクッとして、それから痛くて痛くて、
呼吸するのも痛いって言うの。
----みてもらえるかしら。---- 時間あるかしら」と。
大方の状況が分かったので、所要を済ませた午後、Uさんの家を訪ねました。
「洗濯物のカゴが持ち上げられないの。
手を伸ばすと痛いので、物干しは母にやってもらいました」とUさん。
「肩甲骨の内側に痛みが走る」という症状は、腕の動きと関連する痛みでしょう。
「呼吸すると痛い」というのは、肋骨の動きがブロック(制限)された状況と考えられます。
Uさんの症状は、「ぎっくり腰」系列の肩・背中バージョンと言えます。
「ぎっくり腰」は、一瞬にして強烈な痛みが発生しますが、
「ぎっくり肩・背中」も、一瞬にして強烈な痛みに見舞われます。
「ぎっくり腰、肩、背」は、安静にしていれば、ふつうは1週間ほどで軽減するので・・Uさんも、1週間我慢すれば、痛みは軽くなるでしょう。
対して、腰痛、五十肩は痛みが慢性的で、1週間で治ることはありません。
「ぎっくり肩」は、肩や腕の動きと、肋骨の動きが連動しなくなったときに起こりやすいと、Miz は考えています。
Uさんの体は、この運動すら出来ない状況でした。~~手が、肘が、伸ばせないのです。
なので、Uさんには、
「出来る範囲で、薬指と小指に意識を持って手合わせ運動をしてください」
と言い、手の動きから連動する「動きのルートの偏向」を修整する施術をしていきました。
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私たちの体には「動きの路線図」とも言えるルートが縦横無尽に走っています。
日常よく動いている路線は、より強く速く太いルートになり、動かさないルートは細く弱くなります。
「動きのルート」は動きの方向性も反映されます。力の方向がどちらに向かうか(上から下、下→上、外→内、内→外、右←→左など)は、新たなルートの履歴となり、路線図が変わっていきます。
体の『動きの路線」は、いわば、交通網のようなものかな。
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Uさんの体を診ると、親指、人差し指、中指の3本指の路線がやけに強力で、薬指、小指の路線が弱々しい。
また、肩の上の筋肉が強く、それを下支えしている肋骨の筋肉が弱い。
Uさんの「ぎっくり肩」は、「動きの路線の偏向」が高じて、強力な路線から別の弱い路線に進めない状況となり、進もうとすると痛みが発生するというように考えてもいいと思います。
手合わせ運動は、薬指、小指の路線を意識して行います。
へそより下の位置でこの運動を行うと、下位の肋骨が活性します。
下位の肋骨を、手の動きに連動するように活性化するのが、手合わせ運動の目的です。
・・・運動のイメージができますか。。。。分かりにくいかナ。
Uさんは、手合わせ運動すら出来なかったのですが、
手が動く範囲で手合わせ運動をしながら、動きの偏向を施術していくと、
10分も経たないうちに、Uさんは手を伸ばすことが出来るようになりました。またしばらくすると、
Uさんの肋骨が、膨らんだり縮んだりする動きが、Miz の手に伝わってきました。・・・・うん、
これで、「呼吸すると痛い」という症状は軽減しているはずです。
-------この手合わせ運動は、
「呼吸すると痛みが出る」という症状を予防する上で、効果があると考えます。
ただし、運動のポイントを抑えて行わないと、効果はありません。
なお、Uさんの「肩甲骨の内側が痛い」という症状についても、
もともとは、日頃の左右の手の使い方の偏向から生じたもので、
肩甲骨が、右手や右腕の力に引っ張られて、外方に変位していました。
このような肩甲骨の変位は、Uさんだけでなく、一般によく見られる変位ですが、
これは、手を動かし使う際に、「脇を締めて手を動かす」という動作の基本があって、基本から外れると出やすい変位です。
そして「脇を締めて手を動かす」という動作は、「左右の薬指・小指ルートを意識して動かす」という動作にも通じているのです。
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