県警に戻ると、赤賀は石原に
『ヨシさん!ちょっと先に本部に戻っててくれないか?ちょっと寄りたいところがあるんだ。そこに寄って本部に顔を出すから』
そう言って赤賀は本部のある会議室とは反対方向へ歩いていった。
捜査本部は依然として重苦しい空気が漂っていた。
石原に遅れること10数分後、赤賀も本部に戻ってきた。
赤賀は本部のドアを閉めるやいなや
『みんな、お疲れ。どうだ?今からあみだくじでもしないか??』
石原をはじめ、本部にいた全員がキョトンとして赤賀を見ていた。
そのうちに誰かが言った。
『警部、あみだくじって・・・急に何を?』
おそらく本部にいる全員が同じ質問をしたかったに違いない。
全員一斉に赤賀の方を見た。
『いやなに。今日は一旦切り上げてみんなとちょっと一杯飲みに行こうかと思ってな。もちろん私の奢りだ』
『だが、本部を空っぽにするのは流石に気がひけるんで、あみだで当直と言うか留守番と言うか、
ここに残ってもらう者を決めようかな?と思ってな』
本部がにわかにザワつきはじめた。
『みんなの言いたいことはよく分かる。解決したわけでもないのに飲みに行くのはどうか?と思っていることは』
『だが、気持ちと頭を一度良い意味でリセットするのも、一つの手だと私は思うんだ』
『本部に閉じこもっていては見えないもの、感じないもの、思いつかないものも、一瞬でいい、
それを忘れて酒を飲めば、ひょっとしたら何か浮かんでくるかも知れないしな』
『しかし警部、流石にこの状況で飲みに行くと言うのは、松田課長に怒られてしまうのでは?』
赤賀は待ってましたとばかりにニヤっとして
『心配しなさんな。ついさっき松田課長に会って、ちゃんと了解を貰っている』
そう。赤賀は県警に帰ってすぐ石原と別れ、松田課長のところへ行き、今回の飲み会に関して納得してもらうよう説得していたのだ。
『大丈夫だ。飲み会の最中に万が一有事となれば、責任は全て私が負う。課長にもそう伝えてある』
赤賀はまるでドラマのように、右手で自らの左胸をドンと叩いて見せた。
これにはさすがの石原も
『そこまで警部が仰るなら・・・』と言い『おい!藤井!紙とペンを持って来い』と若手に指示を出した。
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