幸福の道を進む(5-4)
クエンティン・L・クック長老
十二使徒定員会

この疑いと不安の時代に,わたしたちが霊的に生き抜くには,幸福の計画についての知識が不可欠です。
しかし,この世がわたしたちの子供たちを永遠の幸福の原則で養ってくれるのを期待することはできません。
わたしたちは親として,自分の子供たちに,彼らの神聖な起源と神聖な行く末について教える必要があります。
わたしたちはまず,救いの計画の中心を成すものである,イエス・キリストとその贖罪についての証を築けるよう子供たちを助けることから始めます。
子供たちが救い主を堅固な基としていれば,わたしたちは世界のどこでも義にかなった,希望に満ちた子供たちを育てられるに違いありません。
家庭の夕べや家族の祈り,聖文研究の際に,または家族の活動や伝統を通して,さらには間違いを正すときにも,「わたしたちはキリストのことを話し,キリストのことを喜び,キリストのことを説教し,キリストのことを預言し,また,どこに罪の赦しを求めればよいかを,わたしたちの子孫に知らせ」ます(2ニーファイ25:26)。
救いの計画において,悔い改めは「生涯にわたる教育課程」です。
それは心の重荷を軽くし,未来を明るくすることから,希望と癒しをもたらします。
わたしたちは,子供たちがこのことを理解できるよう助けます。
子供たちはキリストの贖罪を信じる信仰を育むことで,すべてが失われることは決してないこと,そして主は両腕を広げて自分たちを待っておられることを知るようになります。
わたしたちは「天の家に帰るために置いて行かなければならないものが何であれ,それをまったく犠牲とは思わなくなる日が来〔る〕」ことを子供たちが理解できるよう助けます。
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このお話は、末日聖徒イエス・キリスト教会2022年1月号リアホナからご紹介しました。
赤字青字は追加しています。
段落は変更しています。
お読みいただいてありがとうございます。
良い1日をお祈りします。
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青字の部分は、下のお話から引用されています。
もう少し引用してみます。

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1946年,若い研究者アーサー・ハスラーは,少年時代に住んでいた家の近くを,渓流に沿ってハイキングしていました。そのときの経験がもとになって,魚が生まれた川に回帰する現象について重要な発見をしたのです。
山を登っていると,子供のころ大好きだった滝がまだ見えてこないうちに,突然,忘れていた記憶がよみがえりました。そのときのことをハスラーはこう言っています。「涼しいそよ風が運んできた苔とオダマキの香りがごつごつした岩肌に立ち込めると,突然,この滝が山肌を流れる様子が,隅々まで心の目に見えたのです。」
この匂いが子供のころの記憶を呼び覚まし,故郷に引き戻したのでした。
もし匂いが記憶を思い出す引き金になるのだとしたら,恐らく鮭も匂いに刺激されて,何年も広大な海にいた後で,産卵するために自分の生まれた川に戻って来る可能性があると彼は推論しました。
この経験に基づいて,ハスラーは研究者仲間とともに,鮭がまさにこの匂いを覚えていて,それを頼りに海からもといた川に帰る道を見いだしていることを実証したのです。
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(こちらから抜粋引用しています。)
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サケ・マス類の母川回帰には嗅覚(きゅうかく)が大きな働きをしている。アメリカの生物学者のハスラーArthur Davis Hasler(1908―2001)とショルツAllan T. Scholz(1948― )が1983年に科学的な実験で確かめた嗅覚刷り込み説が有力である。幼魚は降河前の短い期間(2日以内、数時間)に母川の水質、つまり流域の土壌や植生に由来する独特の臭いを記憶する。この記憶づけは嗅覚によって端脳に刷り込まれる。刷り込まれる物質は化学的に安定していて、単一または2、3の化合物であると推定されている。この嗅覚物質は下流や海では薄められるが、嗅覚がよく発達したサケ・マス類は100キロメートル沖合いでも認知するといわれている。何年かの海洋生活を経て母川に帰ったサケ・マス類が、母川の水と隣接する他の河川の水を区別できることや、鼻孔をふさいだ個体は母川識別能力を欠くこと、母川水に対して脳波が変化することなど、特殊な反応や行動をする事実は、母川水への記憶が確かなものであることを示している。・・・・・[落合 明・尼岡邦夫]