卓写!! ―Taku's Nature Photo Gallery―

野鳥,植物,昆虫,風景写真を中心にしたフォトギャラリー&日々の雑感などを徒然なるままに・・・

ウグイス

2015-07-21 00:25:29 | 野鳥
 「クマを撮りに行ってくる。」家族にそう言い残して湯浜峠~花山峠方面へ向かった。数日前、知人からこの辺りの国道から10mほどわきの所でツキノワグマの成獣を目撃したとの情報が入ったのだ。その知らせを聞いて、私はいてもたってもいられなくなった。ある種の衝動が私を突き動かしてしまったのだ。
 私はこれまで、2度ツキノワグマに遭遇している。初めて会ったのは大学時代に福島県の葡萄沢山(栗子国際スキー場近く)付近で地質調査をしていた時だ。2度目はその4年後に旧鳴子町鬼首地区の荒雄川上流部の支流である鎌内沢でイワナを釣っていた時だ。どちらもある程度の距離を置いて対峙したので事なきを得たが、それ以来、私はクマに対して特別な感情というか思い入れを抱くようになった。カメラを趣味の一つにするようになった現在、どうしても野生のクマの姿を撮りたいという気持ちを抑えられなくなっている。

 この日は2度目に遭遇した鎌内沢を登った。両岸のけもの道とクマの渡河痕を丹念に探しながら盗人滝まで登るが、それらしい痕跡は発見できなかった。まあ、会おうとして簡単に会える相手ではないのだが・・・。

 鎌内林道を国道398号に向かってひたすら歩く。やけにウグイスの鳴き声が聞こえる。ウグイスは夏は山地に移動しているのだ。晩秋から春にかけては暖かい里に下りてくる。つまり冬の間もウグイスは身近なところにいるのである。ただ、地鳴きだけでおなじみの囀りをしないのでその存在に気付かれないだけなのである。あのホーホケキョという囀りは繁殖期に雌にアピールしたり縄張りを主張したりするときのものなのである。ちなみに私が今年、ウグイスの初鳴きを聞いたのは2月20日だ。


 もうすぐ国道という所まで来て、至近距離で囀りが聞こえた。いつも藪の中に姿を隠しているので、鳴き声は聞こえてもその姿をまじまじと見たことのある人は少ないのではないだろうかと思う。奥の草の茂み辺りにその姿を探していたら、なんとずっと手前の倒木の上にいるではないか。しきりにケキョケキョと警戒音を発している。そっとカメラを向けてシャッターを切った。その直後に飛び立って姿を隠してしまった。だから写真は1枚だけ。

今回、クマは撮れなかったがいつかこのブログにその姿を載せることができたら・・・と思う。


 
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キセキレイ

2015-06-14 01:10:38 | 野鳥


前回の更新以来の休日。疲れてはいるが貴重な1日をできるだけ長く使いたいのでまたしても夜明け前に出発し,蔵王野鳥の森をめざし愛車スバルXVを走らせる。今日の目的は,前回出会ったフクロウを見つけること。
5時前に到着。しかし濃霧に包まれ全身がじとっと濡れてくる。6時を過ぎると霧が晴れ,太陽も高度を増してくる。まるで真夏の朝のような日差しだ。かなりのハイペースで山を登ったのでたちまち汗が噴き出てくる。
遠くでフクロウが絶え間なく鳴いている。前回見つけた巣穴を訪ねたが留守だったので,この前撮影したのと同じ個体だろうか。鳴き声を頼りに1時間以上追ってみたが頻繁に移動されてとうとう姿を見られなかった。一旦車に戻ることにした。

時刻は9時。さて,どうしようか。さんざん思案した挙句,山形蔵王の温泉に入ることにした。エコーラインは閉鎖されたままなので宮城川崎インターから山形道に入る。某温泉に入り山形市街に下りて昼食。まだ12時前だが,車の外気温計は31度を指している。
何となく高い所に行きたくなった。そうだ,面白山まで行ってみよう。ほとんど衝動的な思い付きだ。まず山寺まで行き,面白山に通じる細い道を対向車が来ないことを祈りながら進む。途中で車を停め,紅葉川の渓谷を歩く。渕にはパーマークのはっきりしたヤマメが群れていた。その上をカワガラスが飛んでいる。

しばらく進むと渓谷が狭くなり,一人がやっと通れるくらいの岩肌を削った道が続く。向こうからクマ除けの鈴の音が聞こえてきた。誰かがこっちに向かっている。私はすれ違えそうな場所まで戻り,鈴の音の主を待った。間もなく姿が見えた。同年代くらいの女性だった。「ありがとうございます。待っててくれてたんですね。」向こうから声をかけてくれた。
「いえ。」どぎまぎしてそれしか言えなかった。

渓谷の終点が近づいた頃,吊り橋の手すりに何かが飛んできてとまった。冒頭の写真のキセキレイだ。のどが黒いので雄である。前回のブログのキビタキが山吹色に近いのに対して,こちらはレモン色に近い淡い黄色だ。


最期の斜面を登り,面白山高原駅に出る。ホームの階段を上がるとすぐにスキー場のリフト乗り場がある。確かここ数年休業していたはずだ。


車を停めた場所まで車道を歩く。途中,間近でウグイスが鳴いていた。姿を見つけすかさずカメラに収める。
車に戻り,長袖のダンガリーシャツを脱いで,上半身裸になってしばし汗が引くのを待つ。Tシャツに着替え,トレッキングシューズからスニーカーに履き替えていると,もう1台停まっていた車のドアが開いた。
「さっきはどうも。」また向こうから声をかけてくれた。先刻すれ違った人だ。
「宮城の方なんですね。」どうやらナンバープレートで分かったらしい。
「あ,はい。え?どちらからですか?」
「私も宮城です。仙台です。どちらですか?」
「いや,あの,仙台よりちょっと北です。」
その後,しばらく話をして私の方が先に出発した。あまり立ち入った話はしなかったが,彼女は一人で山歩きをするのが好きなそうだ。
シルバーのワーゲンゴルフ…覚えておこう…。
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キビタキ

2015-05-24 01:57:37 | 野鳥
 また久々の更新になってしまった。早朝に家を出て通勤途中などにちょこちょこと撮影はしているのだが,ブログを更新する時間がなかなか取れない。「時間は作るもの」とはよく言われるが,それさえもままならない状況が続いている。結局,睡眠時間を削るしか選択の余地がないのだ。

 5月18日の月曜日,久々の平日休みとなった。この日も夜明け前に出発して蔵王野鳥の森を目指す。前日は飲み会だったにもかかわらず,体調はすこぶる良好である。
 到着して車から降りた途端,おびただしい数の鳥の鳴き声に出迎えられ期待に胸が高鳴る。結論を先に言うと,この日はすばらしい収穫があった。キビタキ,オオルリ,ヤブサメ,ヤマガラ,ホトトギスなどの姿をとらえることができた。そして,前回ここで見かけたフクロウの姿もカメラに収めることができた。その中からキビタキの写真を紹介する。


この鳥は夏鳥で宮城県では4月下旬辺りから見られる。森や林の中層を飛ぶ習性があるので,横からの写真が比較的撮りやすい。特に今年は例年に比べて個体数も多いような気がする。鳴き声も美しく,色彩豊かで(雌は地味だが)被写体として魅力的な鳥である。


こちらの個体は最初のやつより色が濃い。黄色というよりは山吹色や橙色に近い。バードカービングのモチーフにもなりそうな美しい小鳥だ。

今朝,カッコウの声を聞いた。近々撮影に行ってみようと思う・・・。
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ガビチョウ

2015-05-05 23:53:04 | 野鳥
5月4日,早朝に家を出て福島市小鳥の森にむかって愛車を走らせる。今回も東北道を使わず国道4号を南下する。この日のBGMは「BENI」。本名の安良城紅で活動していた時代から注目している女性シンガーである。

朝6時前に到着。さっそくウグイス,ヒヨドリ,シジュウカラ,ヤマガラなどの鳴き声が出迎えてくれる。今回,ここに来た目的は2つ。福島県の県鳥であるキビタキを撮影することと,サンコウチョウが渡ってきているかを確認することだ。例年だと連休を過ぎた頃に来るのだが,今年はちょっと早まるのではないかと思ったからだ。(先に結論を言うとサンコウチョウの姿と鳴き声は確認できなかった。キビタキは撮影できた。)

3時間ほど森の中を歩き,そろそろ帰ろうと思って車道に出ると,U字溝の中から数羽の鳥が飛び出し,すぐ脇の藪に入った。どうやらU字溝で餌をあさってたらしい。双眼鏡で鳥が入っていった辺りを覗いてみると目の周りが白い鳥が目に入った。初めて見る鳥だ。


この眉毛のように白い線は「マミジロ」ではなかったか?車に戻り図鑑で確かめる。マミジロを調べてみたがどうやら違う鳥のようだ。全頁を丹念に見たが,図鑑には載っていない。しょうがない。ネットで調べてみよう。
「鳥 目の周り 白い」と検索ワードを打ち込み画像検索すると写真と同じ鳥がいた。そのページを開いてみると,この鳥は「ガビチョウ(画眉鳥)」というそうだ。しかも特定外来生物に指定されている。鳴き声を楽しむために,古くから中国から大量に輸入されたものが野生化したのだという。ということは,厳密に言えば「日本の野鳥」とはいえない,いわゆる「かご抜け」の鳥だ。まあ他の外来生物や植物のように農作物に危害を加えたり在来種を駆逐したりするようなことはないのだろうが,その生態を見るとツグミ類とバッティングしそうな気もする。


これは正面から撮影した写真だ。これを見て,私はかつて20世紀末に生息していたヤマンバギャルを彷彿した。ガングロからさらに進化した彼女らを見たとき,アフリカやアマゾンあるいは赤道直下の島々の未開の部族の祭事で,顔面に装飾を施したかのように感じたものだ。
ヤマンバギャルは今はもう絶滅してしまったのだろうか・・・。
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ヤマガラ

2015-05-03 00:12:51 | 野鳥
やっと休みが取れ,今日は県南の蔵王野鳥の森へ行ってみた。えぼしスキー場の下に広がる自然豊かな森だ。
5連休初日で対向する東北道下り線は所々で渋滞が見られる。上り線はやや交通量が多いものの快適に目的地まで行けた。
車から降りると早くも様々な鳥の鳴き声が聞こえる。ウグイス,ヒヨドリ,ヤマガラ・・・。鳥の密度は濃い感じがする。


まずはコースの入り口で出迎えてくれたヤマガラを撮影。5月になってだいぶ若葉が茂ってきたので,葉のない冬に比べて撮影が困難である。というより鳥の姿を発見すること自体が困難だ。しかしこの森は鳥の鳴き声が絶えることがない。


やっと少し開けた場所でまたヤマガラを見つけた。枯れ枝に留まりしきりにさえずっている。ヤマガラは体の大きさの割に声量が大きいように思う。ファインダーを通して正面から見るとけっこう変な顔だ。

今日は3時間以上この森を歩いた。キビタキも見つけたが,葉にかぶって撮影できなかったのが残念だった。しかし,今日のハイライトは何と言ってもフクロウだ。写真には撮れなかったが,けっこう近い距離で目撃した。最初は鳴き声を聞いた。一瞬,野犬か猟犬の声だと思った。声のした方を見やると音もなく羽ばたいて去って行ったのだ。薄暮時や夜間に見たことは何度もあるが,真っ昼間にこんな至近距離でお目にかかったのは初めてだ。

私はこの森がいっぺんで気に入ってしまった。今年は足繁くここに通ってみようと決めた。

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