卓写!! ―Taku's Nature Photo Gallery―

野鳥,植物,昆虫,風景写真を中心にしたフォトギャラリー&日々の雑感などを徒然なるままに・・・

ルリビタキ

2016-01-08 00:14:10 | 野鳥
仕事漬けの年末年始だった。大晦日以外は毎日自主出勤して黙々と仕事を片付けていった。朝から夜まで一人きりの職場・・・侘しさを感じながらも、仕事は大いにはかどった。
そして1月4日の午後から5日にかけて年次休暇を取り、第2の故郷である福島へと向かった。

ゆっくりと国道4号を南下する。途中、大河原町から国道を離れ、角田市の手代木沼へと向かう。桟橋から沼を見渡すと4つの水鳥の群れ・・・それぞれオオハクチョウ、コハクチョウ、マガモ、オナガガモ。種類ごとに分かれて群れているのが興味深かった。残念ながら前回見たカワセミの姿は見られなかったが・・・。今度また行ってみよう。

1月としては異常に暖かい日だったので野宿しようと思っていたのだが、やはりこれまでの疲労がたまっていたので安いビジネスホテルに宿泊した。夜明けとともに宿を出て福島市小鳥の森へ向かう。いつものことながらここは鳥の密度が高い。
しばらく斜面を登っていると、前方の木に小さな鳥が飛んできた。ルリビタキの雄だ。


下から見上げる角度でシャッターを押す。シャッター音に驚いて飛び立ったのかと思ったら、なんと下の灌木に下りてきた。ほんの10m程の距離である。


どうやらカメラのレンズに興味を持ったらしく、さらに近づいてはしきりに覗き込んでいる。


このルリビタキという鳥は、かなり人懐っこい習性をもっている。これまでも何度か数メートルの至近距離に飛んできたことがある。こうなると焦点距離の長い望遠レンズが逆に仇となってシャッターチャンスを逃してしまうこともあるのだ。今回は150~600mmのズームレンズだったので、広角側で何とか撮影することができた。
この個体はとりわけ人懐っこく、この後もしばらく私の周囲をちょこまか飛び回り、やっと飽いて飛び立っていった。


午前中いっぱい撮影して、小鳥の森をあとにする。帰り際、昔住んでいたアパートに足が向いてしまう。初期に住んでいた八木田橋のそばの木造ボロアパートは今は取り壊されて駐車場になっている。最後に2年間住んだ信夫山の裏のアパートはまだそのままの姿で残っている。2階の右から2番目、7号室が私の住んでいた部屋だった。この部屋でいろんなことがあったっけな。今はどんな人が住んでいるのだろうか・・。

今年最初の撮影は、自分としては満足のいくものだった。どうか今年もいい鳥と出会えますように・・・。




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ヘラサギ

2015-12-28 00:30:24 | 野鳥
前回のブログにインドガンを見たことを書いた。しかし翌日になって「あれは本当にインドガンだったのだろうか」と不安になってきた。というのもインドガンが日本国内で確認されたのは6,7例しかないからだ。
ところがその2日後、12月16日の河北新報に「蕪栗沼、伊豆沼にインドガン1羽確認」という記事が載っていた。やはり私が見たのはインドガンだったのだ。
インドガンはモンゴル高原で繁殖し、冬季はヒマラヤ山脈を越えてインド地方で越冬する。ヒマラヤ山脈を越えるということは9000mの高度を飛ぶということだ。極端に酸素濃度の低いところをどうやって飛ぶのだろうか。まったくもってすごい身体能力だと思う。

先週の土曜日も私は蕪栗沼を訪れた。インドガン騒動のせいか駐車場は県外ナンバーの車だらけだ。しかも関東圏が多い。いつものように沼を1周したが普段より断然人が多い。そして私は4人から「すみませーん、インドガンはどこですか?」と同じ質問を受けた。知らんわ、そんなこと。


さて、沼にいる鳥を双眼鏡で一羽一羽確認していく。この日も1羽だけヘラサギがいた。先週見たのと同じ個体であろう。湖底に嘴を突き刺し、首を左右に扇形に動かしながらずんずんと前進している。泥底の中にいる甲殻類や貝類を漁っているのだろう。


しばらくすると立ち止まって口を開いた。その名のとおり、嘴はヘラというかしゃもじのような形状だ。なかなかユーモラスな鳥だ。ずっと観察していると気持ちが和んでくる。ちなみに手前を悠然と泳いでいるのはオオヒシクイだ。

さて、極めて個人的な話であるが、現在うちは男所帯の生活が1週間ほど続いている。毎日早起きしてきちんと朝食を作っている。できるだけ早く帰宅して夕食も作っている。けっこう楽しいものだ。実は私は料理が得意なのだ。
妻に逃げられたわけではない。彼女は今、娘と一緒にイギリスのロンドンにいる。ところでいつ帰国するんだっけ・・・?
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オナガ

2015-12-14 01:17:10 | 野鳥
写真がたまってしまった。出勤前の早朝や出張の帰り、そしてたまの休日などにちょこちょこ撮りだめているのだが、なにせブログにアップする時間がない。せっかくいい写真が撮れても時間が経つと季節外れになってしまう。写真だけアップすればいいのかもしれないが・・・。


さて、今回の写真はオナガである。先月の半ばに蕪栗沼で撮影したものだ。カラス科の鳥だが、そのシルエットと色彩が美しい鳥だ。この鳥は東日本に分布し、西日本には生息していない。(近似種のカササギはこの逆である。)
オナガという名前はその名のとおり長い尾羽に由来する。数羽から十数羽の群れで行動していることが多い。かなり警戒心の強い鳥で、なかなか近くで撮影することが難しい。



オナガは木にとまっている姿もいいが、飛んでいる姿はより美しいと感じる。特に尾羽を広げたときは伝説の火の鳥フェニックスを彷彿させる。600mmの望遠レンズをつけて手持ちで流し撮りをしているので、ちょっとピントが甘いけどお許しを・・。

下の写真は運よく腹側から撮れたものである。一部枝と被ってしまったが、この尾羽は左右6対あり、たたむと写真のように内側の長い2枚の羽根にうまく重なって収納される。


実は昨日の朝も蕪栗沼に行ってきた。この季節、私は毎週のように蕪栗沼を歩っている。先月は5年ぶりに日本に飛来したハクガンを見た。そして昨日は生まれて初めてインドガンを見た。どちらも写真に収めることはできなかったが。しかし、ヘラサギの貴重な写真が撮れたので、次回アップすることにしよう。お楽しみに。

なぜこの沼はこんなにも多種多様な鳥が飛来するのだろうか。地図上で見ればここはごく狭いフィールドである。近くにはもっと規模の大きい伊豆沼・内沼・長沼があるし、化女沼もある。なのにここは鳥をはじめ生物や植物の多様性では実感としてこれらのフィールドを明らかに凌駕していると感じる。こう感じるのはきっと私だけではないはずだ。なぜだろう・・。自分的には非常に好奇心をそそられる問題だ。

おっと・・また夜中の1時を過ぎてしまったではないか。いつもブログをアップする時刻はこうなってしまう。今から寝ても4時間半後には起きなきゃならないのだが・・・。
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チョウゲンボウ

2015-11-01 00:20:50 | 野鳥
 私の生家の近くにI川が流れている。そのI川と某高校のグラウンドの間に規模は小さいがアシ原が広がっている場所がある。今は陸化してしまっているが、ここは元々I川の旧河道、いわゆる三日月湖だった。地元の人はここを「古川」と呼んでいた。
 私が小学生だった頃、いつもここで釣りをしていた。マブナやウグイが主な釣りものだったが、時にはコイやナマズがかかり大きく竿をしならせた。河畔にはヤナギの木が茂り、水面にはヒツジグサが咲いていた。夏の早朝、濃い朝霧に包まれた時などはとりわけ幻想的な光景だった。
 現在、この一帯は私のちょっとした撮影スポットになっている。アシ、ススキの群落や笹薮、低灌木類と水田、畑、湿地が適度に入り混じっていて、多種多様な鳥、昆虫、動物が生息している。タヌキやイタチ、ノネズミなどの小動物類も多い。そしてここを見下ろす形になっている某高校のグラウンドのフェンスや、フェンス沿いに植えている木にはよく猛禽類がとまっている。よく見かけるのはノスリだが、この日は違った鳥がフェンスの上にいた。



 双眼鏡で確認するとどうやらチョウゲンボウの雌のようだ。近づいてカメラを向けると飛び立ってしまった。「しまった」と思ったが幸いなことにすぐ近くにあるプラタナスの切り詰められて瘤状になった枝に飛び移っただけだった。チャンスとばかりにシャッターを切る。そしてカメラを望遠鏡代わりにじっくりと観察する。大きな目に黄色い脚、そして胸の縦斑が美しい。どうやら比較的まだ若い個体のようだ。


 チョウゲンボウはしばらくこの枝の上にいたが、やはり私の存在が居心地悪いらしく、飛び立つとしばしフェンスに沿って低空飛行をした後、高度を上げて校舎の向こう側へと行ってしまった。



さて、今日から11月。待ちわびていた本格的な冬鳥シーズンももうすぐだ。しかし、問題は撮影に行く時間が取れるかどうかだ・・・。


 
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ミサゴ

2015-09-20 01:43:00 | 野鳥
2か月間もブログを放置してしまった。7月以降はいろいろなことがあった。まず、母方の祖母の逝去。私の母は短命だったが、祖母は享年百歳の長寿を全うした。幼少の頃、母が入院していた時、私は母の実家に預けられ祖母に大変お世話になった。ただただ冥福を祈るのみである。
そして妻の入院と手術。幸い大したことはなかったのだが、それでも精神的にはけっこう堪えた。
そんなこんなで8月は仕事にも趣味にもなかなか身が入らなかったし、そんな時間もなかった。先週の大仕事を終え、やっと日常を取り戻しつつあるという状態だ。(実はこれからもまた忙しくなるのであるが…)

今週は久々に映画を観た。岩手の一関市の小さな映画館で、見たいと思っていて見逃してしまった『セッション』を上映していたのだ。いい映画だった。本物を知る天才同士が恩讐の彼方で分かり合えるもの…それを見たような気がした。

少し話がそれてしまったが…今日は久々の秋晴れ。そして夏日。久しぶりに写真を撮りに行くことにした。どこに行こうか迷いに迷った挙句、選んだのはこの時期に行ったことのない蕪栗沼。おそらくめぼしい鳥はいないだろうと思っていたのだが、それ以上に体が長距離を歩くことを欲していた。


沼を1周しながら草花や昆虫、ヘビやカエルを撮る。湖面には今年生まれたカルガモが多い。ふと上空を見やると1羽の猛禽が飛んでいる。トビとはややシルエットが異なる。ノスリか…?双眼鏡で確認するとなんとミサゴだった。
ミサゴというと魚食性で海岸付近に生息しているイメージがあるが、実は4月のコイやフナの産卵期には内陸の沼地にもよく現れる。伊豆沼でも岸辺で産卵しているコイを急降下して捕え飛び立っていくミサゴを普通に見ることができる。


白い頭に黒い過眼線がミサゴの特徴だ。今回見たミサゴは、おそらく、先週の大雨で冠水した浅瀬に迷い込んだ魚を狙っていたのだと推察される。


ミサゴが遠ざかってふと足元を見ると、ミズアオイが咲いていた。花期の長い花だが、今年はそろそろ終わりだろう。


堤防沿いの道には、夏の間あれほど隆盛を誇っていたクズに代わってアレチウリが優勢になってきている。横を見やるとキレハノブドウの実の美しい色彩が目に入ってきた。
本格的な秋の深まりはもうすぐだ…。


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