卓写!! ―Taku's Nature Photo Gallery―

野鳥,植物,昆虫,風景写真を中心にしたフォトギャラリー&日々の雑感などを徒然なるままに・・・

オナガ

2015-12-14 01:17:10 | 野鳥
写真がたまってしまった。出勤前の早朝や出張の帰り、そしてたまの休日などにちょこちょこ撮りだめているのだが、なにせブログにアップする時間がない。せっかくいい写真が撮れても時間が経つと季節外れになってしまう。写真だけアップすればいいのかもしれないが・・・。


さて、今回の写真はオナガである。先月の半ばに蕪栗沼で撮影したものだ。カラス科の鳥だが、そのシルエットと色彩が美しい鳥だ。この鳥は東日本に分布し、西日本には生息していない。(近似種のカササギはこの逆である。)
オナガという名前はその名のとおり長い尾羽に由来する。数羽から十数羽の群れで行動していることが多い。かなり警戒心の強い鳥で、なかなか近くで撮影することが難しい。



オナガは木にとまっている姿もいいが、飛んでいる姿はより美しいと感じる。特に尾羽を広げたときは伝説の火の鳥フェニックスを彷彿させる。600mmの望遠レンズをつけて手持ちで流し撮りをしているので、ちょっとピントが甘いけどお許しを・・。

下の写真は運よく腹側から撮れたものである。一部枝と被ってしまったが、この尾羽は左右6対あり、たたむと写真のように内側の長い2枚の羽根にうまく重なって収納される。


実は昨日の朝も蕪栗沼に行ってきた。この季節、私は毎週のように蕪栗沼を歩っている。先月は5年ぶりに日本に飛来したハクガンを見た。そして昨日は生まれて初めてインドガンを見た。どちらも写真に収めることはできなかったが。しかし、ヘラサギの貴重な写真が撮れたので、次回アップすることにしよう。お楽しみに。

なぜこの沼はこんなにも多種多様な鳥が飛来するのだろうか。地図上で見ればここはごく狭いフィールドである。近くにはもっと規模の大きい伊豆沼・内沼・長沼があるし、化女沼もある。なのにここは鳥をはじめ生物や植物の多様性では実感としてこれらのフィールドを明らかに凌駕していると感じる。こう感じるのはきっと私だけではないはずだ。なぜだろう・・。自分的には非常に好奇心をそそられる問題だ。

おっと・・また夜中の1時を過ぎてしまったではないか。いつもブログをアップする時刻はこうなってしまう。今から寝ても4時間半後には起きなきゃならないのだが・・・。
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チョウゲンボウ

2015-11-01 00:20:50 | 野鳥
 私の生家の近くにI川が流れている。そのI川と某高校のグラウンドの間に規模は小さいがアシ原が広がっている場所がある。今は陸化してしまっているが、ここは元々I川の旧河道、いわゆる三日月湖だった。地元の人はここを「古川」と呼んでいた。
 私が小学生だった頃、いつもここで釣りをしていた。マブナやウグイが主な釣りものだったが、時にはコイやナマズがかかり大きく竿をしならせた。河畔にはヤナギの木が茂り、水面にはヒツジグサが咲いていた。夏の早朝、濃い朝霧に包まれた時などはとりわけ幻想的な光景だった。
 現在、この一帯は私のちょっとした撮影スポットになっている。アシ、ススキの群落や笹薮、低灌木類と水田、畑、湿地が適度に入り混じっていて、多種多様な鳥、昆虫、動物が生息している。タヌキやイタチ、ノネズミなどの小動物類も多い。そしてここを見下ろす形になっている某高校のグラウンドのフェンスや、フェンス沿いに植えている木にはよく猛禽類がとまっている。よく見かけるのはノスリだが、この日は違った鳥がフェンスの上にいた。



 双眼鏡で確認するとどうやらチョウゲンボウの雌のようだ。近づいてカメラを向けると飛び立ってしまった。「しまった」と思ったが幸いなことにすぐ近くにあるプラタナスの切り詰められて瘤状になった枝に飛び移っただけだった。チャンスとばかりにシャッターを切る。そしてカメラを望遠鏡代わりにじっくりと観察する。大きな目に黄色い脚、そして胸の縦斑が美しい。どうやら比較的まだ若い個体のようだ。


 チョウゲンボウはしばらくこの枝の上にいたが、やはり私の存在が居心地悪いらしく、飛び立つとしばしフェンスに沿って低空飛行をした後、高度を上げて校舎の向こう側へと行ってしまった。



さて、今日から11月。待ちわびていた本格的な冬鳥シーズンももうすぐだ。しかし、問題は撮影に行く時間が取れるかどうかだ・・・。


 
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ミサゴ

2015-09-20 01:43:00 | 野鳥
2か月間もブログを放置してしまった。7月以降はいろいろなことがあった。まず、母方の祖母の逝去。私の母は短命だったが、祖母は享年百歳の長寿を全うした。幼少の頃、母が入院していた時、私は母の実家に預けられ祖母に大変お世話になった。ただただ冥福を祈るのみである。
そして妻の入院と手術。幸い大したことはなかったのだが、それでも精神的にはけっこう堪えた。
そんなこんなで8月は仕事にも趣味にもなかなか身が入らなかったし、そんな時間もなかった。先週の大仕事を終え、やっと日常を取り戻しつつあるという状態だ。(実はこれからもまた忙しくなるのであるが…)

今週は久々に映画を観た。岩手の一関市の小さな映画館で、見たいと思っていて見逃してしまった『セッション』を上映していたのだ。いい映画だった。本物を知る天才同士が恩讐の彼方で分かり合えるもの…それを見たような気がした。

少し話がそれてしまったが…今日は久々の秋晴れ。そして夏日。久しぶりに写真を撮りに行くことにした。どこに行こうか迷いに迷った挙句、選んだのはこの時期に行ったことのない蕪栗沼。おそらくめぼしい鳥はいないだろうと思っていたのだが、それ以上に体が長距離を歩くことを欲していた。


沼を1周しながら草花や昆虫、ヘビやカエルを撮る。湖面には今年生まれたカルガモが多い。ふと上空を見やると1羽の猛禽が飛んでいる。トビとはややシルエットが異なる。ノスリか…?双眼鏡で確認するとなんとミサゴだった。
ミサゴというと魚食性で海岸付近に生息しているイメージがあるが、実は4月のコイやフナの産卵期には内陸の沼地にもよく現れる。伊豆沼でも岸辺で産卵しているコイを急降下して捕え飛び立っていくミサゴを普通に見ることができる。


白い頭に黒い過眼線がミサゴの特徴だ。今回見たミサゴは、おそらく、先週の大雨で冠水した浅瀬に迷い込んだ魚を狙っていたのだと推察される。


ミサゴが遠ざかってふと足元を見ると、ミズアオイが咲いていた。花期の長い花だが、今年はそろそろ終わりだろう。


堤防沿いの道には、夏の間あれほど隆盛を誇っていたクズに代わってアレチウリが優勢になってきている。横を見やるとキレハノブドウの実の美しい色彩が目に入ってきた。
本格的な秋の深まりはもうすぐだ…。


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ウグイス

2015-07-21 00:25:29 | 野鳥
 「クマを撮りに行ってくる。」家族にそう言い残して湯浜峠~花山峠方面へ向かった。数日前、知人からこの辺りの国道から10mほどわきの所でツキノワグマの成獣を目撃したとの情報が入ったのだ。その知らせを聞いて、私はいてもたってもいられなくなった。ある種の衝動が私を突き動かしてしまったのだ。
 私はこれまで、2度ツキノワグマに遭遇している。初めて会ったのは大学時代に福島県の葡萄沢山(栗子国際スキー場近く)付近で地質調査をしていた時だ。2度目はその4年後に旧鳴子町鬼首地区の荒雄川上流部の支流である鎌内沢でイワナを釣っていた時だ。どちらもある程度の距離を置いて対峙したので事なきを得たが、それ以来、私はクマに対して特別な感情というか思い入れを抱くようになった。カメラを趣味の一つにするようになった現在、どうしても野生のクマの姿を撮りたいという気持ちを抑えられなくなっている。

 この日は2度目に遭遇した鎌内沢を登った。両岸のけもの道とクマの渡河痕を丹念に探しながら盗人滝まで登るが、それらしい痕跡は発見できなかった。まあ、会おうとして簡単に会える相手ではないのだが・・・。

 鎌内林道を国道398号に向かってひたすら歩く。やけにウグイスの鳴き声が聞こえる。ウグイスは夏は山地に移動しているのだ。晩秋から春にかけては暖かい里に下りてくる。つまり冬の間もウグイスは身近なところにいるのである。ただ、地鳴きだけでおなじみの囀りをしないのでその存在に気付かれないだけなのである。あのホーホケキョという囀りは繁殖期に雌にアピールしたり縄張りを主張したりするときのものなのである。ちなみに私が今年、ウグイスの初鳴きを聞いたのは2月20日だ。


 もうすぐ国道という所まで来て、至近距離で囀りが聞こえた。いつも藪の中に姿を隠しているので、鳴き声は聞こえてもその姿をまじまじと見たことのある人は少ないのではないだろうかと思う。奥の草の茂み辺りにその姿を探していたら、なんとずっと手前の倒木の上にいるではないか。しきりにケキョケキョと警戒音を発している。そっとカメラを向けてシャッターを切った。その直後に飛び立って姿を隠してしまった。だから写真は1枚だけ。

今回、クマは撮れなかったがいつかこのブログにその姿を載せることができたら・・・と思う。


 
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キセキレイ

2015-06-14 01:10:38 | 野鳥


前回の更新以来の休日。疲れてはいるが貴重な1日をできるだけ長く使いたいのでまたしても夜明け前に出発し,蔵王野鳥の森をめざし愛車スバルXVを走らせる。今日の目的は,前回出会ったフクロウを見つけること。
5時前に到着。しかし濃霧に包まれ全身がじとっと濡れてくる。6時を過ぎると霧が晴れ,太陽も高度を増してくる。まるで真夏の朝のような日差しだ。かなりのハイペースで山を登ったのでたちまち汗が噴き出てくる。
遠くでフクロウが絶え間なく鳴いている。前回見つけた巣穴を訪ねたが留守だったので,この前撮影したのと同じ個体だろうか。鳴き声を頼りに1時間以上追ってみたが頻繁に移動されてとうとう姿を見られなかった。一旦車に戻ることにした。

時刻は9時。さて,どうしようか。さんざん思案した挙句,山形蔵王の温泉に入ることにした。エコーラインは閉鎖されたままなので宮城川崎インターから山形道に入る。某温泉に入り山形市街に下りて昼食。まだ12時前だが,車の外気温計は31度を指している。
何となく高い所に行きたくなった。そうだ,面白山まで行ってみよう。ほとんど衝動的な思い付きだ。まず山寺まで行き,面白山に通じる細い道を対向車が来ないことを祈りながら進む。途中で車を停め,紅葉川の渓谷を歩く。渕にはパーマークのはっきりしたヤマメが群れていた。その上をカワガラスが飛んでいる。

しばらく進むと渓谷が狭くなり,一人がやっと通れるくらいの岩肌を削った道が続く。向こうからクマ除けの鈴の音が聞こえてきた。誰かがこっちに向かっている。私はすれ違えそうな場所まで戻り,鈴の音の主を待った。間もなく姿が見えた。同年代くらいの女性だった。「ありがとうございます。待っててくれてたんですね。」向こうから声をかけてくれた。
「いえ。」どぎまぎしてそれしか言えなかった。

渓谷の終点が近づいた頃,吊り橋の手すりに何かが飛んできてとまった。冒頭の写真のキセキレイだ。のどが黒いので雄である。前回のブログのキビタキが山吹色に近いのに対して,こちらはレモン色に近い淡い黄色だ。


最期の斜面を登り,面白山高原駅に出る。ホームの階段を上がるとすぐにスキー場のリフト乗り場がある。確かここ数年休業していたはずだ。


車を停めた場所まで車道を歩く。途中,間近でウグイスが鳴いていた。姿を見つけすかさずカメラに収める。
車に戻り,長袖のダンガリーシャツを脱いで,上半身裸になってしばし汗が引くのを待つ。Tシャツに着替え,トレッキングシューズからスニーカーに履き替えていると,もう1台停まっていた車のドアが開いた。
「さっきはどうも。」また向こうから声をかけてくれた。先刻すれ違った人だ。
「宮城の方なんですね。」どうやらナンバープレートで分かったらしい。
「あ,はい。え?どちらからですか?」
「私も宮城です。仙台です。どちらですか?」
「いや,あの,仙台よりちょっと北です。」
その後,しばらく話をして私の方が先に出発した。あまり立ち入った話はしなかったが,彼女は一人で山歩きをするのが好きなそうだ。
シルバーのワーゲンゴルフ…覚えておこう…。
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