ピアニスト藤木明美のブログ No.2

異色のピアニスト藤木明美が、音楽を通しての日々を綴ります。

下野竜也

2013-09-25 10:49:17 | コンサート
昨日、下野竜也指揮、読売交響楽団の演奏会に行きました。

下野竜也氏は(恐れ多いのですが)私の母校鹿児島大学オーケストラの後輩にあたります。
大学での楽器専攻はトランペット。彼の指揮法の最初の師匠は石井教授、私のバイオリンの師匠でもあります。

彼の音楽は宇宙の完璧な秩序を基盤にしていて、圧倒的な求心力を持っていました。

最初の曲から、心掴まれました。最後のブラームス1番4楽章では、
楽団員、観客のひとりひとりがグイグイグイと引き込まれ、最後の一音ではもう
会場が一体になっていました!

生きていると、こんな日があるんだ!なんて素晴らしい!と思わせてくれました。

「楽譜に忠実に」が下野氏のセオリーですが、結果としては下野竜也の体を通して出てきた音楽は、
彼の中の宇宙そのものでした。


演奏終了後、楽屋を訪ねました。

初対面でしたが、大学オケのOBだと言うと「どうぞ」と中に入れて
後輩として?気さくにお話してくださいました。

ステージでも、自分はセンターに出ず、観客からの拍手を全て団員やソリストにもらう。
その謙虚さは、彼ならではの誠実さです。誰も真似ができない自然な振る舞い。
その精神性が壮大な音楽を溢れ出す源なのだと思いました。

まさに小さな巨人でした。

http://yomikyo.or.jp/cat8/#news-topics-1746

アレグロ・タンガービレ

2013-09-20 23:41:37 | コンサート

8月11日に行われた、声楽勉強会「フルールの会」。
ソプラノ住吉和子さんの門下生の声楽勉強会です。
今年で11回目、ちょうど10年間この会の伴奏をしてきました。

今年の出演者は音大受験生、キャリアウーマン、目の不自由な方、自閉症の方など。
年齢は10代から80代まで様々な人生を生きてきた方々が歌います。
自閉症の方のハバネラにはブラボーがかかりました。

そんな中、今年は私自身が無謀?なチャレンジをしました。
リハから6時間労働のあと、ソロ2曲、しかもピアソラの「アレグロ・タンガービレ」を弾くことにしたのです。
この曲は1曲で凄いエネルギーを使いきります。

一曲目、あなたに♪を弾いたとき、妙に自分の中心が深くなっていき、何かが変化しました。
そして2曲目。やれました。
10年間で一番体力がありました。チャレンジしようとする心が活力になった気がします。

演奏後は、口も聞けぬほど脳が疲れましたが、
不思議なことに、翌日、新しい気力、体力が生まれていました。世界が変わったような・・

フルールの会は、毎年様々な人生を歌で感じさせてもらえます。
私もまだまだ何かお役に立てることがあるはず。そんな励みを頂いてます。