中央部が紫で、末端部は赤の花を開くストレートカタクス咲の中大輪ダリア「紫閃光」。堂々と威風に満ちたダリアだ。バラもダリアも紫を出すのはなかなか難しいようだ。
(2019-10 東京都 神代植物公園)
中央部が紫で、末端部は赤の花を開くストレートカタクス咲の中大輪ダリア「紫閃光」。堂々と威風に満ちたダリアだ。バラもダリアも紫を出すのはなかなか難しいようだ。
(2019-10 東京都 神代植物公園)
栄誉殿堂入りした赤バラ「ノックアウト」。ノックアウトするのは見る人ではなく、病気らしい。赤い山茶花を思わせるようなシンプルな二重の花が素敵だ。
(2019-10 東京都 神代植物公園)
バラの系統 フロリバンダ【F】
開花のしかた 四季咲き、3~4輪ほどの房咲き
花径 7~8cm
花形 二重咲き
香り 微香
樹形 1m前後のブッシュ樹形(横張り)
作出情報 2000年/フランス・メイアン
備考
2000年AARS受賞
2002年ADR受賞
2018年世界バラ会議コペンハーゲン大会にてバラの栄誉殿堂入り
耐病性、耐寒性にすぐれる上に、耐暑性にもすぐれる
「ノックアウト」の品種名は、病気をノックアウトすることから!
濃いローズピンクを感じさせる赤色で、二重咲きのバラが「ノックアウト」です。
「ノックアウト」の魅力は、とても花つきが良いこと。上の写真は、2色の「ノックアウト」が混ぜて植えられています。びっしりと咲く様子は、バラというよりも、まるでツツジかなにかのようです。
しかも「ノックアウト」の四季咲き性はとても強く、花殻を切ったそばからどんどん花芽が上がってくるという印象です。春から晩秋まで繰り返し咲き続けるのが「ノックアウト」です。
もちろん春にそろって咲く様子は見事で、それ以降は花数は減りますが、それでも絶え間なく咲き続けます。耐暑性が強いのも、温暖化傾向にある昨今の日本では嬉しいポイントですね。
さらに「ノックアウト」の品種名の由来となった、抜群の耐病性の高さは画期的とすら言われます。
住宅地の庭で、あまり薬剤散布できないという方にも安心して咲かせられるのが「ノックアウト」です。気が向いたときに、ニームや木酢液など植物由来成分の資材をシュッシュとやっておけば大丈夫なようです。害虫にもかなり耐性があります。
香りは微香ですが、開き切る前のつぼみには、ティーの香りがあります。
「ノックアウト」は、2018年にデンマークのコペンハーゲンで開催された世界バラ会議で、バラの栄誉殿堂入りを果たしました。
樹形は横張りのブッシュ樹形です。高さはだいたい1m前後ですが、きちんと管理すればかなりの大株に育ちます。
実がつきやすいので、花殻摘みをきちんと行ってください。抜群の耐病性と耐暑性、耐寒性、さらに害虫にも強いノックアウトは、初心者がもっとも育てやすいバラのひとつと言えそうです。
ノックアウト・シリーズにはピンクや白の花色も!
▲ノックアウト・シリーズに、青や紫の草花を組み合わせた花壇
ノックアウトには、同じように花付きが良く、耐病性が高くて育てやすい性質をもつノックアウト・シリーズと呼ばれる品種群があります。上手に利用したいバラです。わたしはまだ見たことがありませんが、どうやらつるノックアウトも登場してきているようですよ!
殿堂入りのバラのリスト
●イングリッド・バーグマン
●エリナ
●クイーン・エリザベス
●ドゥフトボルケ
●アイスバーグ
●ダブル・デライト
●ボニカ'82
●ノック・アウト
パパ・メイアン
パスカリ
ジャスト・ジョーイ
ニュー・ドーン
ピエール・ドゥ・ロンサール
ピース
グラハム・トーマス
サリー・ホームズ
カクテル
林の木陰で花を開いていたシラヒゲソウ。箱根湿性花園で大切にされていた。ウメバチソウの仲間だというが、たしかに花弁はウメバチソウと同じ配置だ。不思議な印象を与える忘れ難い花だ。
(2019-09 神奈川県 箱根町)
シラヒゲソウ(白髭草、学名:Parnassia foliosa Hook.f. et Thomson var. nummularia (Maxim.) T.Ito)は、ウメバチソウ科ウメバチソウ属に分類される多年草の1種。以前はユキノシタ科ウメバチソウ属に分類されていたが、APG植物分類体系では新設されたウメバチソウ科に分類されるようになった。和名は、白色の花弁の縁が糸状に切れ込んでいる様子を髭に見立てたことに由来する。属名(Parnassia)は、ギリシャの山名に由来する。
特徴
短い根茎があり、3-8個の高さ15-30 cmの花茎を伸ばし、数個の長い柄のある根生葉をつける。花茎に4-8個の葉を多少茎を抱くようにつけ、先端に1個の白い花をつける。葉は無柄で、葉身は広卵形、基部は深心形、長さ1.5-4 cm、幅1.5-4 cm。花の直径は2-2.5 cmで、花期は8-9月。5枚の花弁は卵形で、長さ0.9-1.2cm、縁は糸状に深く切れ込む。雌蕊は雄蕊よりも短く、葯は長円形で雄蕊は花弁よりも短い。仮雄蕊は長さ 3-4cm、先端が3深裂し、先端に球状の黄色の腺体がある。子房は4室で卵球形、蒴果は長さ 6-7mm、種子は長さ約1 mm。
分布・生育環境
基本変種(P. foliosa var. foliosa )は、インド、中国に分布する。
本変種(P. foliosa var. nummularia )は、日本の本州(中部と西部の太平洋側)、四国、九州の温帯域に分布し、山地の湿地に生育する。愛媛県東赤石山の深山、愛知県豊田市御船湿地の低地などにも分布する。『新・花の百名山』で鳥取県の船上山を代表する花の一つとして紹介されている。山野草として、苗が市販されている。