野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

立ち上がりながら開く八重の装飾花がきれいな城ケ崎(紫陽花シリーズ14)

2019年07月08日 10時16分44秒 | 

 城ケ崎は「静岡県伊東市の城ヶ崎海岸産のガクアジサイ」だそうである。少し立ち上がりながら開く八重の装飾花がきれいだ。それに中性花との色合いのバランスもシックだ。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 


城ケ崎

城ヶ崎 (ガクアジサイ)

 
静岡県伊東市の城ヶ崎海岸産のガクアジサイ。
八重ガク咲き、花色は土の酸性度次第で桃色~薄紫色~薄青色に変化します。
多くの八重咲き園芸アジサイの交配親にもなっている品種で、薄青色に咲かせた場合には城ヶ崎の雨という名前で売られていることもありますが、花色が違うだけで同じ品種です。

ショウマの仲間に似たきれいな花を咲かせるチダケサシ

2019年07月08日 05時48分30秒 | 

チダケサシは識別のまぎらわしい花だが、神代植物公園の表記による。近くにアスチルベも生えているために紛らわしい。名前の由来は書かれているとおりだが、どうも血なまぐさいイメージで、できれば改名してほしいくらいだ。ショウマの仲間に似たきれいな花なのだが。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

チダケサシ

ちだけさし(乳茸刺) ユキノシタ科 分類:草 学名:Astilbe microphylla
チダケ(乳茸)またはチチタケと言うきのこを採ったら、この茎に刺して持ち帰ったと言われるように、茎が細くて強い植物で、比較的標高の高い草原に群生しているのが見られます。仲間には ハナチダケサシ 、 タンナチダケサシがある
枯れたようにみすぼらしくなるチダケサシの実。乾燥すると殻が割れ、小さな種が飛び出す
虫眼鏡で見て5枚の花びらがあることがやっとわかるくらい小さな花の集まりで、一つの花は3~5mm程度。
ピンクの濃いチダケサシは園芸種の アスチルベ にそっくりだが、正真正銘の野草

チダケサシ

山野のやや湿り気のある草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。信州地方ではチチタケというキノコを採ると、チダケサシの茎に刺して持ち帰ったことから「乳茸刺」の名が付いたといわれる。花は直径4ミリほどで花びらは5枚。約10~20センチの細長い花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)に淡いピンク色の小さな花がびっしりとつく。花穂はほぼ垂直に立って、下から上へと咲いていく。花のつく軸に短い腺毛(せんもう:液体を分泌する毛のような突起)が密生し、茎や葉柄(ようへい:葉をささえる柄)には褐色の長い毛がある。葉は奇数枚がひと組の複葉で、鳥の羽のように並び、2~4回枝分かれをしてつく。葉の形は卵形で長さ約1~4センチ。ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、両面にまばらに毛がある。花が終わると、熟すと2つに割れる実をつける。

季節|7月~8月頃
高さ|約30~80センチ
場所|裏高尾、奥高尾


天城峠に産するシンプルな白の天城アマチャ(紫陽花シリーズ13)

2019年07月07日 09時41分45秒 | 

天城アマチャはシンプルな白のアマチャ・アジサイ。天城峠あたりでみられるものらしい。装飾花は先がとがった剣形なのも珍しい。葉も花と同じように先がとがっているのも面白い。アマチャだが、甘くない種類のものもあるらしい。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

天城甘茶 (ヤマアジサイ)
静岡県伊豆半島の天城峠周辺産の一重ガク咲きのヤマアジサイ。
装飾花、両性花とも白色で、装飾花は剣弁です。
この天城甘茶は葉が細長いところが特徴で、神奈川県箱根から伊豆半島にかけて自生している細葉小額の系統のヤマアジサイになります。


すっくと立ちあがって花をつけるアカンサス・モリス

2019年07月07日 06時25分01秒 | 

ハアザミと呼ばれるアカンサス・モリスは園芸種であるが、どこでもみかけるようになった。大きな株が多く、すっくと立ちあがって花をつける。花そのものよりも紫がかったとがった苞葉が目立つ。
アカンサスはギリシャ語で棘という意味であるが、アザミの葉のとがった形をいうものだろう。古代ギリシャでは菊の葉にも似たこの葉の形がアカンサス模様として、多く用いられた。現代のギリシャの国花らしい。
(2019-06 東京都 神代植物公園) 

アカンサス模様 ウィリアム・モリスのデザイン

 

アカンサス・モリス

アカンサス(Acanthus、ハアザミ、葉薊)は広義にはキツネノマゴ科ハアザミ属(アカンサス属 Acanthus) の植物を総称していうが、普通は特に観賞用に栽培されるA. mollisを指す。その名前にはギリシア語で「トゲ」と言う意味がある。

アザミに似た形の葉は古代ギリシア以来、建築物や内装などの装飾のモチーフとされる。特にギリシア建築のオーダーの一種、コリント式オーダーはアカンサスを意匠化した柱頭を特色としている。ギリシアの国花。アカンサスをモチーフとした柄は絨毯にもしばしば用いられ、ビザンチンリーフとして知られる。

大型の常緑多年草で、地中海沿岸(北西アフリカ、ポルトガルからクロアチア)の原産。葉には深い切れ込みがあり、光沢があり、根元から叢生して長さ1m、幅20cmほどになる。晩春から初夏に高さ2mほどの花茎を出し、緑またはやや紫がかったとがった苞葉とともに花をつける。花弁は筒状で、色は白、赤などがある。乾燥にも日陰にもまた、寒気にも強い。

アカンサス属は約30種からなり、地中海沿岸を中心に分布する。A. mollis のほかA. spinosus なども栽培される。

栽培
株分け・根伏せ・実生で増やす。株分け・根伏せは春と秋に行う。株分けは生長した子株を切り分けて植え付け、根伏せは根を適当な長さに切って植え付ける(やがて芽を出して生長を開始する)。タネは1cm以上ある大きなもので、よく発芽する。ソメイヨシノが咲く頃、直まきにし、2cmほど覆土をする。

耐寒性は比較的強く、地域によっては霜よけは不要。大きな苗は移植が難しい。


装飾花がピンクで、鋸歯のないタイプの桃色ヤマアジサイ(紫陽花シリーズ12)

2019年07月06日 10時58分57秒 | 

桃色ヤマアジサイは、装飾花がピンクのガクアジサイ。写真のは残念ながらもう終わりかけのもの。これと似ているが、装飾花が角ばっていて、鋸歯があり田の字型のものがあり、こちらは「モモバナ(桃花)ヤマアジサイ」として区別されているらしい。違いなどについては、モモイロヤマアジサイ」のサイトの写真を参照されたい。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 


ほんとうに朝鮮から到来したチョウセンキハギ

2019年07月06日 06時01分12秒 | 

チョウセンキハギは、マメ科の灌木で、萩とは違って、樹木に分類される。普通はチョウセンという名前がついた植物は、南アジアから到来したチョウセンアサガオのように、たんに外国からやってきたことを意味するが、このチョウセンキハギはほんとうに朝鮮から到来したものらしい。神代植物公園では花が終わりかけていた。ちょうど咲き始めた萩の花と入れ違いになっていた。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 


白と黄色の班が不規則に入るところが目を引くレモンウェーブ(紫陽花シリーズ11)

2019年07月03日 07時57分34秒 | 

花そのものよりも、葉に白と黄色の斑が入って、緑と合わせて三色になるところが注目されたレモンウェーブ。斑入りガクアジサイと同じように、斑入りのアジサイが好まれる傾向はかなり強いようだが、この品種は二色の斑入りであるところが好まれているようだ。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

レモンウェーブ

レモンウェーブモンウェーブは、ガクアジサイ型で一重咲きの品種。葉に入る斑に黄色い部分が多いのが特徴です。


学名:Hydrangea macrophylla 'Lemon Wave'
タイプ:ユキノシタ(アジサイ)科ハイドランジア(アジサイ)属の耐寒性落葉低木
樹高:100~150cm
開花期:6月~7月
植付け適期:2月~5月
用途:庭植え、鉢植え
日照:日向~半日陰向き


日本人の心のうちに深く根付いた萩の花

2019年07月02日 05時13分14秒 | 

秋の七草のひとつの萩の花も日本の文化的な伝統に深く根を下ろしている。万葉集には142首も掲載されているということであり、秋の七草のうちではもっとも多い。「枕草子」の描写も心に残る。

九月ばかり、夜一夜よ降り明かしつる雨の、今朝はやみて、朝日いとけざやかにさし出でたるに、前栽の露こぼるばかりぬれかかりたるも、いとをかし。
透垣の羅文、軒の上などは、かいたる蜘蛛の巣のこぼれ残りたるに、雨のかかりたるが、白き玉を貫きたるやうなるこそ、いみじうあはれにをかしけれ。
少し日たけぬれば、萩などいと重げなるに、露の落つるに、枝のうち動きて、人も手触れぬに、ふと上ざまへ上がりたるも、いみじうをかし、と言ひたることどもの、人の心にはつゆをかしからじと思ふこそ、またをかしけれ。

また台風の後の萩の花の描写も忘れ難い。

野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。
立蔀、透垣などの乱れたるに、前栽どもいと心苦しげなり。
大きなる木どもも倒れ、枝など吹き折られたるが、
萩、女郎花などの上によころばひ伏せる、いと思はずなり。

俳句の世界でも萩の花は数えきれないほどに登場する。「いにしへの女人の歎き萩こぼれ 伊藤敬子」。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

ハギ

ハギ(萩 Lespedeza)は、マメ科ハギ属の総称。落葉低木。秋の七草のひとつで、花期は7月から10月。

名称
「萩」は本来はヨモギ類(あるいは特定の種を挙げる資料もある)の意味で、「はぎ」は国訓である。牧野富太郎によるとこれは「艸+秋」という会意による国字であり、ヨモギ類の意味の「萩」とは同形ではあるが別字という。

「芽子」「生芽」とも字を当てる。

分布
東アジア、南アジア、北米東部、オーストラリアの、温帯・亜熱帯。

特徴
数種あるが、いずれも比較的よく似た外見である。

背の低い落葉低木ではあるが、木本とは言い難い面もある。茎は木質化して固くなるが、年々太くなって伸びるようなことはなく、根本から新しい芽が毎年出る。直立せず、先端はややしだれる。

葉は3出複葉、秋に枝の先端から多数の花枝を出し、赤紫の花の房をつける。果実は種子を1つだけ含み、楕円形で扁平。

荒れ地に生えるパイオニア植物で、放牧地や山火事跡などに一面に生えることがある。


シンプルで味わいのある伊予桜(紫陽花シリーズ10)

2019年07月01日 09時21分56秒 | 

愛媛県で開発されたガクアジサイ系の伊予桜。写真は咲き終わりつつある時期のものだが(花盛りの様子はリンクを参照されたい)、四枚の装飾花のガク片が少しずつ重なり合う様子がよくみえる。シンプルで味わいのある品種だ。

 (2019-06 東京都 神代植物公園) 

伊予桜

伊予桜 (ヤマアジサイ)
愛媛県産の一重ガク咲きのヤマアジサイ。
装飾花は円弁の大輪で淡桃色。両性花は淡桃色と淡青色の複色になります。
また、ガク片はそれぞれが重なり、表面の脈が目立ちます。

 


不思議な趣のある花を咲かせるヤブレガサ

2019年07月01日 07時42分28秒 | 

早春の頃の芽と若葉の形が破れた傘に似ているというので名付けられたヤブレガサ。たしかに傘に似ているが、破れた傘というよりは、畳んだ傘にみえる。そんなヤブレガサでもちゃんと花を咲かせる。不思議な味わいのある花だ。この時期には目立つ花があまりないので、野原で異彩を放っている。ヤブレガサの若葉は野草として珍重されるらしい。天ぷらにしたらおいしいのかも。

 (2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

ヤブレガサ

ヤブレガサ(破れ傘、学名: Syneilesis palmata)は、キク科ヤブレガサ属の多年草。

特徴
若い個体は根出葉1枚のみで、花茎が出ない。年数が過ぎ、栄養が蓄積されると花茎を出す。茎は直立し、分枝せず、高さは70-120cmになる。根出葉は1枚。茎葉は2-3枚で互生し、下方の葉は長い葉柄を持ち、葉柄の基部は茎を完全にとり巻く。葉身は円形で、径35-39cm、ときに50cmになり、7-9個の裂片に掌状深裂する。各裂片はしばしば2中裂し、その幅は2-4cmになり、縁に不ぞろいな鋭鋸歯がある。若い葉には絹毛があるが、後に無毛になる。

花期は7-9月、茎の先に円錐花序に白色から淡紅色の頭花をつける。総苞は長さ9-10mmの筒状、総苞片は5個。頭花は7-13個の小花からなり、すべて両性の筒状花。小花の花冠は5裂し、花柱の先は2つに分かれ反り返る。

和名の由来は、芽出しの頃の若い葉の様子が「破れ傘(やぶれがさ)」に似ることによる。

分布と生育環境
日本では、本州、四国、九州に分布し、山地の林下の斜面などに生育する。東アジアでは朝鮮半島に分布する。

利用
芽出しの頃の、葉が展開する前の葉と茎は、山菜として食用にされる。