イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Buona Pasqua 復活を!

2020年04月12日 16時39分23秒 | イタリア・イベント

今日はPasqua(パスクア)、キリストの復活を祝う日。
この日はイタリア人を筆頭に、キリスト教徒たちにとってはクリスマス同様大事な日。
親戚一同集まって、みんなで賑やかにお祝いするのが普通だけが、今年はそういうわけにもいかないのだろう。
外出制限が伸びたイタリア、キリストのように復活する日はいつになるのだろう…
いや、現在他人事ではなく、ここ日本だって、いつイタリアのようになるのか。
今私たちに出来ることは、外出を控え、人との接触を避ける事。

さて、復活祭なので、本日はそれにふさわしい絵画をご紹介。
まず一番最初に頭に浮かんだのはこれだった。

Sansepolcro(サンセポルクロ)にあるPiero della Francesca(ピエロ・デッラ・フランチェスカ)
それからこちらはGiotto(ジョット)

これはキリストが復活して、空になった墓を指差す天使。
キリストが復活したことを知らずに墓の前で眠りこける戦士たちは、ピエロ・デッラ・フランチェスカと同じ。
とそれに続くNoli me tangere(私に触れるな)を同じ画面に描いて、まるで漫画のように時間的な経過を表現している。
Padova(パドバ)のCappella degli Scrovegni(スクロヴェーニ礼拝堂)で見られる。

そして、今年はやっぱりRaffaello(ラファエロ)

これ初めて見た~と思ったらブラジルにあるらしい。この作品の以前の所有者であるロード・キネアードにちなんで「キネアードの復活」とも呼ばれているそうだ。

実はこれらの「キリスト復活」、私がよく見ているイタリアの美術サイトに出ていたもの。
他にも

Andrea Mantegna(アンドレア・マンテーニャ)
フランスのトゥール美術館(Tours, Musée des Beaux-Arts)所蔵。
前部で12点出ているので、興味がある方はこちらから。

昨年のパスクアは久しぶりでフィレンツェだったんだよなぁ。(その時の様子はこちら
本来なら今頃イタリアだったのに…
航空券も全てキャンセル料無料で解約手続きをした。(支払いまでに最低でも1か月はかかるが)

キリスト教徒ではない私が言うのもなんですが、
Buona Pasqua
Happy Easter
復活祭おめでとう…世界中の復活を祈りながら。

ちなみにパスクアにちなんでAndrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)がミラノ大聖堂でその歌声をイタリア時間 12日 19:00からライブ発信するそうだ。
残念ながら日本時間は13日 深夜2:00。時差が痛い!
予告はこちら
Music For Hope LIVE - April 12th 10am LA | 1pm NYC | 6pm UK | 7pm CET
配信チャンネルは
https://www.youtube.com/watch?v=huTUOek4LgU



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4 コメント

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詳細な情報ありがとうございます。 (fontana)
2020-04-16 10:31:40
むろさん
今回も詳細な情報ありがとうございます。
これが来日していたとは、驚きです。(1982年!?まだラファエロの存在もしらなかった頃です。)
私も初めて見た時は「ラファエロ???」と思ったのですが、専門家もそういう感じなんですね。分かりやすい説明を頂き非常に参考になりました。
やはりRizzoliなんですね。図書館が今は休館していて確認できませんが、新型コロナ騒動が落ち着いたら、是非確認したいと思います。そしてイタリアに行くことが出来るようになったら、そちらも見てみたいと思います。

またのコメントお待ちしています!!
よろしくお願いいたします。
返信する
こんな時期だからこそ… (fontana)
2020-04-16 10:16:25
カンサンさん
精神的に落ち着かない時期だからこそ、家でゆっくり音楽を聞いたり読書をしたり出来る余裕を持ちたいですよね。
私はこの機に長年段ボールに入ったままだった、イタリアから送った荷物を開けました。なんとそこにはマンゾーニの「いいなづけ」の原本が!?買ったことすら記憶になかったです。(笑)
返信する
ラファエロのキリスト復活 (むろさん)
2020-04-15 13:49:03
昨年末頃にサン・ジミニャーノの受胎告知(フィリッピーノ・リッピ作)の来日展示について初めてコメントを書きましたが、今回もまた同じような投稿をすることをお許しください。

ブラジルのラファエロ作「キリストの復活」ですが、30年以上前にサンパウロ美術館展で来日しました。ブラジルに行くことなど一生ないだろうと思ったので、この絵1枚のために見に行きました。絵ハガキぐらい買っていただろうと思って探したのですが、昔のことなので見つからなかったためインターネットで検索しました。サンパウロ美術館展というのは過去数回開催されていて、そのうち1982年に新宿で開催されたものが私の行った展覧会でした(下記URL)。ラファエロのキリストの復活が来たのはこの1回だけです。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t572007348

この絵はラファエロの初期作品ですが、同じ頃の初期作品で比べると、2013年の上野ラファエロ展で来日したブレシャの天使像断片やベルガモの着衣の聖セバスティアヌスのような誰が見ても間違いないラファエロの真筆と比べて、少し手が落ちるという感じがします。

手持ちのラファエロの本で確認したのですが、この絵が掲載されている本は少なくて、カラー図版が出ていたのは小さな本2冊だけで、それも解説はほとんどなし。唯一詳しく載っていたのはリッツォーリ集英社版美術全集のラファエロ(カタログ部分)だけでした。それによると、リッツォーリ版独特の真筆判定のマークで黒色の右下だけが白い「異論はあるが多くの研究者が真筆とする作品」と判定されていました。解説文ではオックスフォードのアシュモレアンにある兵士4人の準備素描やヴァチカン絵画館にあるペルジーノのキリスト復活と関連づけられているそうです。確かにキリストの両側で空を飛んでいる天使2人はペルジーノ風だし、「最もペルジーノに近いラファエロ作品」とされている同時期のモンドのキリスト磔刑(ロンドンNG)の天使とも近いものを感じます。また、RizzoliのL'Opera Completa Del Perugino(伊語版)のカタログページでヴァチカン絵画館のキリスト復活の所を見ると(イタリア語は読めませんが)、このサンパウロ美術館のラファエロ作品について言及されているので、このラファエロのキリスト復活はラファエロ初期のペルジーノとの関係を研究する上では重要な作品だと思います。(リッツォーリ版ラファエロの「多くの研究者が真筆とする作品」という判定はちょっと高く評価し過ぎという気もしますが)
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イースター (カンサン)
2020-04-13 19:43:58
fontanaさんへ、イースターと言ったら、美しく彩った卵なんですが、今年はそういう話題が出る幕がありませんね。
fontanaさんのブログを見て、久しぶりにヴェルディ、モーツァルト、フォーレのレクイエムを聞きました。外出自粛なので---。
関西で行われる展覧会の前売券を買っていたのですが、会期中に見にいけるでしょうか。
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