イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

ロンドン3日目は大英博物館

2016年03月13日 00時23分17秒 | 他の国

あ~なんでも食べられるって幸せ。
調子、完全に戻りました。
でももう少しアルコールは控えておきますね。
調子が悪いと「あ~もうやることもないし、日本に帰りたいなぁ。」「私なにやってんだろう???」とちょっと落ちていましたが
元気になると、やる気も沸いてくるから不思議です。
今日は仕事もしたしね。

さてさて3日目は朝は、来ました雨。
こんなどんよりした天気が毎日、というのがロンドンなのかと本当は思っていたんですけどね。
よく「イギリス人は傘をささない」とよく聞きますが…事実でした。
これって雨がず~と降っていることがないからなんでしょうか?
結構降り始めは持っていてもささない人多いですね。
こんなに降ってるのに…というところまで。
不思議です。 

さて、この朝はオペラの当日券を手に入れるため朝9時から並び、
15分でチケットを手に入れた時は雨結構降っていました。
でも雨も中大英博物館へ向かいました。 

ここですね。写真は帰る時。(帰りは雨止んでいました)
そして

入り口入ると…
あれ?駅みたい。
イギリス人はこういう天井が好きなのかしら?
とりあえずコートを預けます。
クロークはここより手前、荷物検査済んだら少し戻る感じで左の売店の方へ進みます。
こちら入場は無料だけど、荷物預けるのは有料です。1ポンドか1.5ポンドくらいでした。
でもコートは邪魔なので預けます。
入場料が無料なので、それくらいは良いでしょう。
ちょっと寒いかなぁ…でも邪魔は邪魔。
ここら辺から風邪菌が蓄積された感が…

とにかく広いのでどうしよう。
とりあえず入り口で無料(寄付1ポンド)の簡単な地図はもらいましたが、あまりの広さにどうしよう?
ガイドブックとかも有るんですが、荷物が重くなるのは嫌…それに実際買って帰っても読まないことがほとんどだし。
ということでここではオーディオガイドを借りることにしました。
学割で4ポンド…だったかな?
でもこれすごくいいんですよ。
最後に自分が見たものをメールでまとめて知ることが出来るんです。
アフタヌーンティーをしながらメールアドレス入力しておきました。
あっ、アフタヌーンティーの話は既に書いたんだけど次回です。

正確には全部ではなく、自分が説明を聞いたものが記録されて、それがメールで分かるんですけど、それだけでも役に立ちます。

こんな感じ。
私が見たものにはギリシャ、ローマのものが一番多かったみたいで、75個の説明を聞いたようです。
オーディオガイドにはグーグルマップも入っていて、
番号で検索して地図まで出してくれたりしたので、てっきり全部入っているかと思いきや、そこまで優れてはいなかったです。

こんな感じで主なものは写真も付いてきました。
ついでに説明も見られればもっといいのに…さすがにそこまでのサービスはないか。
でもこれで4ポンドなら悪くないですね。
更に確か、大英博物館のTwitterとかにその場で投稿もできたはず。
ちなみにここだけではないですが、ほとんどの博物館、美術館はWifiフリーでしたね。
誰かも書いていたけど、ホテルのWifiよりよっぽど安定していました。 

え~この私が見た無数の作品に関してここで説明することなんてできないですし、そんなことは無意味なので、私が興味を持ったいくつかの作品だけ紹介しますね。
ただ、終わった時には自分が一体何を見ているのか理解できないくらい頭は疲れていました。
1つ分かったのは「私は絵画が好き」ということと、一度に大量に見るべきではないということでしょうか…ほぼ放心状態でしたね。

まずはやっぱろ大英博物館と言えばこれ

ロゼッタストーンですかね。
泥棒…いや、失礼。どうしてもそんな思いがよぎるわけです。
ここだけものすごく混んでいるので、近くに寄ってみることなんかできません。
じゃあ実物見た意味ないじゃんねぇ…
まぁ、そういうものですよねぇ…

ロゼッタストーンの裏側
とりあえずこれは見たぞ!という感じでした。
あまり興味ないなぁ…
一番興味が有ったのはこれ

エジプトの壁画
すごく良くできていますね~

このライオン狩りのシーンを描いた壁画が特に生き生きとしていて良かったんでよねぇ。
ライオンを狩れるのは王様だけだったんですって。
自分が檻に入って、檻に入ったライオンを放つ少年とか、すごくリアルでした。

次はローマ時代の彫刻

ギリシャ彫刻のコピーですが
この後ろ姿が色っぽくないですか?
これ水浴びをしているところに不審人物がやってきて、警戒しているビーナス(アフロディーテでした。さっきのメールで確認しました。なんて便利)らしいですよ。
昔はこういうふくよかな女性の方が美しいとされていたのにねぇ…

ネレイド記念堂
こちらも盗品ですよねぇ、もう盗品博物館だな。(失礼)
でもね、以前も言ったけど、悪口もいいますが、こうしてアメリカやイギリスで遺跡を保存していなかったら朽ち果てる一方だったのは事実ですから感謝もしているんですよ。
更に今改めて大英博物館に納められたいきさつを読みましたが、これ下手したら破壊されていた可能性も有りますね。

19世紀に駐トルコ英国大使エルギン卿トーマス・ブルースがオスマントルコの役人に賄賂をばらまいて美術品を手に入れ本国イギリスにこれだけの遺産を送ったわけですが、
それが出来たのはオスマントルコがイスラム教国で、ギリシャの異教の神の彫刻に興味がなかったから。
今の時代だったら下手したら見せしめに…
そう考えるとイギリス人の蛮行も役に立ったのではないでしょうかねぇ。

盗品つながりでこの博物館の目玉の1つ
ここはパルテノンギャラリーでございます。

ギリシャに行ったうちの両親は、これ見にイギリスに行った方がいいかな?と言っていましたが
私はこれだけならドイツベルリンのペルガモン博物館の方が良かったですね。
ああ、ペルガモンはギリシャではないですけどね。
とにかくすごい数です。

1980年前後からギリシャがこれらの返還を要求していますが、イギリス側は合法で手に入れたとものと突っぱね、「修復保管して世界の文化に貢献してる」という理由で返還拒否を続けています。
この問題は当事国以外には分かりませんよね。
まぁギリシャ人はこれらを返してもらって観光の目玉にしたいのでしょうが、
今のギリシャの国の状態では返せたものではありません、
それは勿論イタリアにも言えることで、イタリアの場合は今あるものでもう手一杯なんだから、ここはもう100歩譲ってありがたく保管しておいてもらいましょう。
ここでこうして大切に保管されていた方が、遺産達は幸せだと思います。

こちらとはうって変わって小さなものですが、こちらもギリシャ人

”走る女”ですって。
これ、当時のオリンピックって男性しか参加できなかったんですが、何年かに一度(ごめんなさい忘れました)女性だけの運動会が行われていたんですって。
でも競技は徒競走だけ。
こんな感じでスカートをたくし上げて走っていたのでしょうか?
で、その大会の勝者にこの像が贈られていたのではないか?ということです。
面白いですねぇ。
これ1体しか現存しないそうですよ。


これは…なんだろう?
メールにはなかったんです。
面白い装飾品だなと思って写真撮ったんですけどね。

次はヨーロッパからかなり離れます

ヤシュチランの楣
マヤ文明の遺跡です。
これ王妃が自分を傷つけているところ。
自分を傷つけて先祖と交霊するんですって…こわこわ。
でも彫刻の方は素晴らしいです。


そしてこちらは日本
これ去年”情熱大陸”で偶然見ました。
小松美羽さんの作品ですね。
ちょっと室内が暗すぎて、うっかり見落とすところでした。
30歳にして、作品が大英博物館に収蔵ですからね、すごいですね。
この作品に関してはこちらのニュースで詳しいことが分かりますよ。 
個人的には…彼女を取り上げていた番組を見た時は、あまり感じなかったけど、彼女が言うように作品が変化しているからか、結構好きかもって思ってしまいましたね。
通り過ぎようとした時に、何かひきつけられるものを感じたのは事実です。

この日本コーナーには

久しくお見かけしなかった立派な埴輪とか

縄文土器を説明する手塚治虫の漫画なども展示されていました。
もうこの辺りで既に頭がぼ~としていましたが、このあとミイラを見に行ったけな。
でもミイラ…「日本人はなぜかここに集まっている」とガイドブックには書いて有りましたが、私はあまり興味ないので、チラ見で素通り。

それよりも

手の込んだチェスとか

なんだこの手を挙げる鳥は?
そして、死海文書もかろうじて見て(もうどうでもよくなっていて抜け落ちるところだった)
3時も過ぎたので、「よし、アフタヌーンティーへGOOOO」と頭が冴えた瞬間に目に入って来たのがこれ

箱?
この装飾がすごいんです。
確かシリアとかそこらへんのエリアのものだったと

おっ、メールに残ってた。
これ”ウルのスタンダード”って言うんですね、メソポタミア…だからあながち間違えてないよね?(ん?地理弱いんだよね)

ウルのスタンダード(英語: Standard of Ur)は、紀元前2600年ごろのシュメールの古代都市ウルの遺跡から出土した工芸品。
発見者であるイギリスの考古学者レオナード・ウーリーの説にしたがって「スタンダード(Standard、旗章、軍旗)」と呼ばれているが、その実際の用途は明らかになっていない。
高さ21.6cm、幅49.5cm、奥行4.5cmの横長の箱で、前後左右それぞの面にラピスラズリ、赤色石灰岩、貝殻などを瀝青(ビチューメン)で固着したモザイクが施されている。
大きな面の一方には戦車(チャリオット)と歩兵を従えたウルの王が敵を打ち負かす「戦争の場面」、その反対側の面には山羊や羊、穀物の袋などの貢納品が運ばれ王と家臣が宴会を楽しむ「平和の場面」(「饗宴の場面」)が描かれている。
大英博物館に所蔵されているシュメールの代表的な美術工芸品である。(Wikipediaより)

モザイクだったんだぁ…
とにかく何か惹かれるものが有ったんだよね。
大英博物館展で日本にも来ていたの!?
そのサイト
大英博物館の有名な謎の「箱」
メソポタミアの古代都市ウルで、王家の墓から見つかった「箱」。贅沢な素材が使用され、ウルが経済的に豊かで盛んな交易を行っていたことがわかる。「スタンダード(軍旗)」と通称で呼ばれているが、用途は不明。
片面には祝宴の様子が、もう片面には戦争の様子がモザイクで描かれている。豊かさが階級社会を生み出し、また豊かさを保つために近隣部族との覇権争いが繰り広げられたことが読み取れる。

と書かれてる。
やっぱり「箱」だった…記憶力かなり低下してると思ったけど、そうでもなかったみたいです。
それほど大きな作品ではないし、全然人を集めるような作品ではないように見えるけど、これはかなり面白いなぁと思ってしまいました。

ということで他にも興味のある作品はありましたが、こんなところで止めてアフタヌーンティーへ参りましょう。
ということでそれはまた次回のお楽しみ… 



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