イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Lo schermo dell'arte(スクリーン・アート)

2008年11月26日 16時38分43秒 | イタリア・美術
今期はがんばって(というのもおかしい話だが)現代美術(contemporanea)の授業を取っているのだが、その教授から今週行われているドキュメンタリー映画のイベントのお知らせがあった。

Lo schermo dell'arte(スクリーン・アート)
Cinema Odeonで明日まで5ユーロ

今日2本見たのだが両方とも面白かった。
最初に見たのはイタリア人のカメラマン、Gabriele Basilicoその筋では有名だとか、もちろん私は知りませんが、のドキュメンタリーで本人も会場に来ていて、上映後質問に答えたりしてました。

そしてもう一つは村上隆のドキュメンタリーだった。彼のほうは現代アートの市場がテーマだったのですが、この映画を見てしまうと日本人がいかにおたくかというイメージを持ちかねない、という気がしてならなかった・・・

私は基本的に彼の作品は好きではないし、何であんなに高い値段が付くのかも分からない。この点では今も昔も全く変りは無いが、彼の本(芸術起業論)を読んでから少し考え方が変った。芸術とお金は切っても切れないものなのである。貧乏な方が芸術家として優れた作品を生み出せるという考え方は今では古く、より良いものを作るためにお金が必要という気持ちも分かる。映画の中で彼は「日本人が神や国を信じなくなってしまったのは人間の手で作り上げた原爆というものが私たちの国の全てを一瞬にして破壊してしまったことを知っているからなのではないか」と言っていた。それを聞きながら彼は私たちが考える芸術の基本理念みたいなものを覆し、世界に通用するようなアーティストになったんだなぁ・・・と思ってしまった。現代アートの根底は統一観念や一般常識の破壊に有ると私は思っている。

だからこそ現代アートを理解するのは難しい
何が芸術で何がそうではないのか、芸術的価値とはいったいどこから生まれてくるのだろうか???相変わらず何も見えてこない

ちなみに明日は北京オリンピック会場となった通称"鳥の巣"の設計をした建築家のドキュメンタリーなどが上映予定。
非常に興味深いのだが私は明日からしばらく(と言っても2日だけど)MostraめぐりにMilano,Parmaへ行ってまいります
今朝切符を買う時「金曜日はSciopero」という恐ろしい一言を聞いたんですけど、大丈夫だよね


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