最近何かで読んだけど、一度国外に出た日本美術がコレクターの死後、日本に戻ってくる、というパターンが増えているという。
1月24日の朝日新聞の夕刊に大きくこんな記事が出ていた。
私は経済とか経営とか全然興味がなくて、このドラッカーという人をよく知らないが、「経済学の神様」と称される方の別の顔を持っていて、水墨画のコレクターだったようだ。
経済学と日本絵画に接点はない。
しかしドラッカーは美術を通じて日本の特質を論じる文章を発表したり、大学で美術史を教えたりもしていたというから驚きだ。
しかしドラッカーは「マネジメントのためには、人間の本質を深く理解することが不可欠だと考えていた。絵が描かれた背景や思想に思いをめぐらし、人間についての洞察を深めていた」のではとドラッカーが教えていた大学で現在も経営学を教えている日本人教授が語っている。
最近ビジネスマンも美術史の知識が必要だということがしきりと新聞などで取り上げられているが、仕事とは一見全然違う分野が、本職を助けることもある。
ドラッカーの死後、コレクションが日本に戻って来たようだ。
浮世絵などの展覧会に行くと、これほど優れた作品が国外に流失していることを残念に思うこともある。
しかし、残念に思う気持ちと同じくらい、外国人のコレクターに渡ったことで、日本に残っている以上に大切に保管されていたことをうれしく思う。コレクターたちの手に渡らなかったら、日本に残っていたら作品は今の時代まで残らなかったかもしれない。
しかし、コレクター亡き後、保管が難しい多くの日本美術は行き場を失う。
悲しいかな、問題はいつもお金。
今回のケースは、4年前に千葉市や山口県がコレクションを使って展覧会を行い、それを機に日本の企業が購入現在は千葉市美術館が委託を受けている。
これらの作品が4月13日から千葉市美術館の所蔵作品展で一般公開されるという。
一度海を渡った作品たちは、何を語ってくれるのだろうか…
千葉市美術館公式HP:http://www.ccma-net.jp/
いつも情報ありがとうございます。
山科様のお墨付きも有るし、新聞にも、派手さはないけど、渋いいい作品が多いと書かれていたので見に行ってみようと思います。
学芸員の人が優れた英文日本美術解説書
Discovering the Arts of Japanを書いた
バーク・コレクションはMETとミネアポリスに分かれておちついたようです(URL)。