イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Polo Museale di San Francesco-Montefiore dell'Aso

2019年06月10日 16時08分01秒 | イタリア・美術

今日も雨。
もう1か所展覧会に行ったのですが、今日はちょっと頭を使って(イタリア語の資料を読むため)こちらのお話。
Marcheの話に戻ります。(こちらの続き)
Torre di Palmeを後にして、Pedasoで美味しい魚介ランチを堪能した後、いよいよ念願のMontefiore dell'Asoへ向かいます。
今回は車なので、なんの心配もありません。あとはちゃんと開けば…

ってドキドキです。
3時からなのに、10分前には開いておらず…
不安になりながらも中心街を散策。

ここが街の中心で、Duomo(大聖堂)と思われる教会が開いていたので入りました。

主祭壇

Politti di Montefiore(モンテフィオーレの多翼祭壇画)これをこれから見に行くのですが、こちらは地元の学生がモザイクで作った作品。
どうか本物見られますように!!
ドキドキしながら坂を下って行きました。
すると…


ひゃっほ~
「美術館オープン。ドアをたたいてください」と書かれている。(すごい字だ、分かりやすいけど)


ドア開いてる~!!これでようやく何年越しのご対面~!!
入場料3.5€を払うとき、係の人に「前回来た時は閉まっていた」と恨み言を1つ言ってみた。
すると、「人がいなくてねぇ…」と悲しくなるお返事。仕方がない。
しかし、結局私たちが訪問中他に来客はいなかったので、この先更に開館時間が減らされるのではないかとちょっと心配。

目的のものを探しながら中に入る。
実は多翼祭壇画はもともとSan Francesco(サン・フランチェスコ)教会のために描かれたものだった。
教会はこのPolo musealeと呼ばれる複合美術館の隣にある。




しかし一時期Santa Lucia(サンタ・ルチア)教会に移され、2006年またこちらに戻って来たのだが、いつからだ?今は美術館の一室にひっそりと展示されている。

この複合美術館は13世紀に建設されたサン・フランチェスコ教会の修道院の利用している。1997年に起きた地震の後、修復し、文化・地域の遺産を促進させるために作られた。
Sala Crivelli(クリヴェッリの部屋)
Centro di Documentazione Scenografica Giancarlo Basili(ジャンカルロ・バジー二舞台装置収集センター)
Museo Domenico Cantatore(ドメニコ・カンタトーレ美術館)
Museo Adolfo de Carolis(アドルフォ・デ・カロリス美術館)
Musei della Civiltà Contadina(農民の文化博物館)
から構成されている。

クリヴェッリに話は次回に回し、他の博物館についてちょっとご紹介。
Centro di Documentazione Scenografica Giancarlo Basili(ジャンカルロ・バジーリ舞台装置収集センター)
Giancarlo Basili(ジャンカルロ・バジーリ)日本でも上映された「息子の部屋」「家の鍵」などで有名な映画監督で、この街の出身。
ここには舞台装置、記録写真、スケッチ、評論、ビデオフィルムなどが展示されている。

更に2010年の上海のエキスポ、2015年ミラノのエキスポのパビリオンの模型も展示されている。

Museo Domenico Cantatore(ドメニコ・カンタトーレ美術館)
Montefiore è nel mio cuore;qui ho potuto avere il luogo della mia serenità, del mio lavoro.
(モンテフィオーレ、私に落ち着きや仕事を与えてくれる場所に、常に私の心の中にある。)というくらいこの街を気に入っていたプーリア出身の画家ドメニコ・カンタトーレは1989年パリで客死。
後に彼の奥さんが、作品をMontefiore dell'Asoに寄贈。その作品がここに展示されている。

そしてMuseo Adolfo De Carolis(アドルフォ・デ・カロリス美術館)はこちらも地元出身の画家で、ここに1900年代半ばからこの画家に捧げた広間が有り、市が収集していたデザインやデッサン、版画などを含むおよそ500点の作品を随時展示していた。中には1959年Francesco Egidi(フランチェスコ・エジディ)に寄贈された、Bologna(ボローニャ)のPalazzo del Podestà(司法長官宮殿)のSalone dei Quattromila(4千人の広間)に描かれたフレスコ画の油彩画の下書き69枚やデ・カロリスの家族によって1974年に寄贈された100枚以上の版画も含まれている。

多くの作品はデ・カロリスの間に展示されている。また2006年デ・カロリスの家族から寄贈された重要なおよそ250点のデッサン、スケッチ、下書き、2005年Giovanni De Carolis(ジョバンニ・デ・カロリス)によって寄贈されたボローニャの書斎に有った家具や2011年Bozzoli家によって市に寄贈された、130の版画の版木なども展示されている。

Musei della Civiltà Contadina(農民の文化博物館)

こちらは1984年から。
コレラのコレクションは大抵市民の寄贈によるもので、主に中学生たちの教育のために作られた博物館。
当初は学校(Collagiata di Santa Lucia)の中に展示されていたが、こちらに移された。
現在展示はl'aia(麦打ち場)、la casa(家)、il lavoro(仕事)、il campo(畑)の4つに分かれていて、家庭の仕事や畑仕事に関するおよそ400点の道具が展示されている。これらも全て地元の人々から寄贈されたものである。

館内は写真撮影不可のため、写真は全てパンフレットより拝借しました。
Polo museale di San Francesco, Montefiore dell'Aso

まぁ、正直どの美術館も特に興味があるものではないけど、せっかくだからぐるっと見て回る。
この記事を書いていても、「そんなだった?」とほとんど覚えていない。
そしていよいよ待ちかねの多翼祭壇画のお目見え~
ということで続きは次回。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
イタリア (カンサン)
2019-06-10 20:00:50
fontanaさんへ、イタリアではあちこちお出かけだったご様子ですね。
ブログの右側に音楽というのがあったのて、そこをクリックしてみました。2015年にベネツィアのオペラ劇場(フェニーチェ)に行ったときのブログを見ました。
私はここは外観の写真を撮って、お土産売り場に入ったことがあります。ここへ行くときも、戻るときも迷路を歩いているようでした。
リアルト橋の中央付近から見た運河は最高でした。
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秘境 (山科)
2019-06-10 20:35:35
私にとっての秘境 モンテフィオーレのレポートありがとうございました。
ううん、はるかに現代化近代化されてますね。モンテフィオーレまでいく交通手段も知りたいと思いました。レンタカー運転されたのですか?
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フェニーチェ劇場 (fontana)
2019-06-11 11:33:02
カンサンさん
今回、フェニーチェ劇場で「トゥーランドット」を観ました。感動で最初から泣いてました。(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=cajkW9CbDPI
イタリア国内数ある歌劇場の中でも、スカラ座、フェニーチェ劇場はやはり別格です!
今回は半々でしたが、最近は予算の都合上、舞台や衣装を簡素な現代風にすることが増えてきているのが少々残念です。
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秘境です! (fontana)
2019-06-12 13:45:42
山科様
前回は公共交通手段で行きましたが、(https://blog.goo.ne.jp/fontana24/e/4145301e7eff15daea82173a590f92d3)今回は友人が車を出してくれたので助かりました。
バスの運行状況は、以前とほとんど変更がないため、美術館が土日の午後しか開いてない現状ですと、公共交通手段行くのは不可能です。また、街に泊まれば、と思って調べたのですが、ホテルが一軒もないようです。今流行りのB&Bでも有れば良いのですが…
この辺りは山ばかりで道も悪いので、よほど海外での運転に慣れていない限りレンタカーもおすすめではないですね。友人も道が悪くて文句言っていました。
近くの大き目な街でタクシーを手配してもらうのが一番かと思います。
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