さぶい…急激に寒くなりました。
いやいや、たぶんこれが平年並みで、今年はかなり暖かかったからなんですよね。
さて、今日は先週に引き続き映画を観に行ってきました。
というより今日のやつが観たくて、色々探していたら、先週の映画も発見して、先週は観に行ったんんですけどね。
観たのはこちら
私なら「スカラ座、栄光の日々」と訳したい。
そうだなぁ、サブタイトルに「12月7日までの道のり」とでも入れますかね?
まぁ、その名の通り、スカラ座の栄華を映した古き良き時代のドキュメンタリーと
毎年オペラシーズン初日に当たる12月7日をいかに迎えるかというリアルタイムなドキュメンタリーを合わせた作品になっています。
いやいや、音楽素人の私でもものすごく引き込まれました。
と同時にやはり今のオペラの低迷は見る側が作り出しているのかもしれないと、残念な気持ちになりました。
こういう映画を見に来ているのもどう見ても平均年齢60歳以上の方たちばかりだし…
往年のスター歌手、指揮者だけでなく、いちオーケストラ団員とか舞台制作に従事する韓国人女性などに焦点を当てたのも興味深かったし、
日本に初めてスカラ座がやって来た時のエピソードや映像も面白かった。(確か1981年?)
日本人は「イタリアオペラ=スカラ座と思っている」と痛いところ言い当てられちゃいました。
会場内で苦笑いをしていたのは勿論私だけですけどね。
こんなエピソード織り込んでいるので、日本での上映は確実ですね。
エジソンが電気を発明した2年後に、スカラ座にランプが灯ったとか。(1883年。あれ?エジソンが発明したのは1879年になってるけど?一番初めは2400の電球が使われていたとか言ってたけど)
そういえばこの映画とは関係ないですが、このCMを思い出しちゃった。
これは「スカラ座に電球を付けるよ」「ガスを全ての家に引くよ」「太陽の力で冷蔵庫を使えるようにするわ」、
そして最後に男の子が「電気で飛行機を飛ばすよ」というと女の子が「(それよりまず)シートベルトを閉めなさいよ」というエネルギー会社のCMなんですけどね。
1776年に火事で焼失した劇場を2年余りで再建、戦争で爆撃を受けた時も1年ちょっとで再建しています。
世界有数のオペラ座が全て首都に有るのに対し(例えばパリ、ウィーンのオペラ座、ベルリンの国立劇場などなど)
ミラノはこれだけの名声を馳せているのに、首都ではなく、一都市の劇場。
それだけ、ミラノ市民とのつながり、どれだけ市民がこの劇場を愛しているのか、すごく良く伝わってきました。
Verdiが亡くなった時の話とか、Verdi亡き後のPucciniとToscaniniの話とか、19世紀から20世紀初頭のイタリア・オペラ隆盛期にあって、ベッリーニ、ドニゼッティ、ヴェルディそしてプッチーニの楽譜出版をほぼ独占していたGiovanni Ricordiの妻が当時流行っていた、今でこそミラノの代表的な料理となっているrisotto alla milaneseを作ったりとか…
マリア・カラスや若き日のパヴァロッティ、ドミンゴのエピソードなどなど
とにかく知らないことが盛りだくさんで面白いドキュメンタリー映画でした。
「偉大なアーティストの魂が息づく」場所。
イタリア、いや世界のオペラ界の頂点。
勿論この映画を観たら、またスカラ座に行きたくなりました。
今は望めばかなうことなんですよね。
なんて贅沢なことなんでしょうね。
そして次回は是非平土間席で。
何故かというと、昔は音楽が聞きたかったらPlatea(平土間席)と言われていたんですって。
なぜならミラネーゼは、Palchi(ボックス席や天井桟敷など)では政治の話をしたり、揚句は賭け事をしていたんだそうですよ。
2016年初日まで2週間を切りました。
今年はRiccardo Chailly指揮でGiovanna d'arco(ジャンヌダルク)で幕開けのようですね。
勿論行けはしませんが、チケット見て見たらび~くり。
初日は最低でも約1700€、他の日でもいつもの倍以上だわ…無理無理。
それにしても最近スカラ座本当に高くなっちゃったなぁ。
外に出たらお月様がとってもきれいでした。
Palazzo Vecchioの肩にも乗っていました。
嫌だなぁ、とうとう冬が来ちゃったよ…
P.S
分かった分かった。
エジソンの元に行ったGiuseppe Colomboが1882年ヨーロッパ初の電気施設をミラノに建設。
翌1883年のSanto stefanoつまり12月26日、スカラ座に電灯が灯る。
電灯は2800個だったらしいです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます