心の手帖…風通しの良い繋がりを求めて

心を精一杯広げて、現代社会を味わう方法を探していくために、心を整理する手帖のようになれば…

犬養道子氏の言葉

2013年12月02日 16時15分44秒 | 個人的名言集
【出典:読売新聞 2007/5/2 論壇より】1921年生まれ(今年92歳!)で、在欧30年以上の作家。デビュー作の『お嬢さん放浪記(1957)』以来『人間の大地』、『聖書を旅する』、『一億の地雷 ひとりの私』等著書多数。'94、'95年ECにより「才能と良心」世界111人に選ばれ、表彰される。1983年日本で学ぶ海外の難民の学生への奨学金制度・教育支援として「犬養道子基金」を設立。
 
由緒正しい家系のお生まれにも関わらず、内紛地も含め世界規模で人類の平和を模索し続ける傍ら、自国にも著作活動により、ジャーナリスティックな問いを投げかけ続けておられる、お若い頃から変わらぬ真摯な眼差しが印象的です。
 今日は、『聖書の天地(1981)』・『幸福のリアリズム(1984)』から、犬養氏の情熱的な言葉をご紹介します。


 おのれを出ていく愛に生きよ。それが「個の開花」。生への希望、つまり光を生み得るのは、只一つ、共に泣き、共に在り、手をとってくれる人の「愛」の有無。誰かに自分も愛されていると感じ取った時、人間は、初めて物質の価値をも理解するに至る。
 愛を受け、与えるためには、第一に空でなければならぬ。影なく透明で、空で、自由で、他者や他の諸々の価値を受け得るもの:受けて成り、成って創り、創って他に惜しみなく与え、他からも与えられる存在、それが人間。
 すなわち、止まるところを知らぬ、ダイナミズム・ムーブメントが人間であり、人の生である。

 真の幸福とは、「ものごとすべてうまく行く」ことではなくて、包囲され閉鎖された心をまず、自由に向かって、開放する努力ー不断の努力ーと創造力に基礎を置く。言いかえれば、「新陳代謝」。

…痛みもまっくらも、私はあの貴重極まりない日々に、現実の体験として知ったのだが、ありのままに(ただしあきらめの心情は絶えず斥けて戦って)受け入れてまっすぐに見つめるとき、最大限十日という短い時間の後に、今まで考えていた「設計」とは全く違うが、もっと心にしみこむ「光明」に変り得ることを。

 ああ美しいと、驚きに満ちて感動する心のプレゼンス(*外界のすべてに向って開かれている心)は、それ自体、既に貴重この上ない「創造」なのだ。そのような心を持つ人は、天地万物を、日々、新しくする。…日々是好日の人は、生を真の意味で百パーセント生きる。


‥‥挙げれば切りが無いほど、私の手帳は、彼女の言葉に埋め尽くされている時代がありました。その言葉には、独特のカリスマが宿っているような…。真摯に生きたい思いに駆られていた青年時代、深刻過ぎると言われたくらいでした(笑)。
 今、どのような活動に献身されておられるのか、どなたかご存知でしたら、教えて頂きたいです。ご健康を心より願い祈りつつ…。