心の手帖…風通しの良い繋がりを求めて

心を精一杯広げて、現代社会を味わう方法を探していくために、心を整理する手帖のようになれば…

エーリヒ・フロムの言葉 第2弾

2013年12月18日 20時31分42秒 | 個人的名言集
自由からの逃走 新版
日高 六郎
東京創元社

評伝エーリッヒ・フロム
Gerhard P. Knapp,滝沢 正樹,木下 一哉
新評論


 今日も、エーリヒ・フロム氏のカチッとした言葉を、今回は著作『愛と性と母権制』からご紹介したいと思います。
 「自分が好きでない人、自分自身を認めていない人は、自分自身に関して、絶えず不安を感じている。本当に自分が好きであることと、自分自身を肯定することを基盤としてしか存在し得ない内なる安定がない。基本的に自分自身に安心と満足がないから、自分のことに貪欲にならなければならない。利己心やナルシズムは、自己愛の根本的欠如の過剰補償なのである。」

 「自分自身の血肉となっている思想を守るために、或いは、自分が愛している人の為に、自分の生命を投げ出す必要がある場合、この自己犠牲は自己肯定の極端な表現と言えるだろう。勿論、肉体的な自己の肯定ではなく、自分のパーソナリティ全体の核という意味での自己肯定である。この場合、犠牲自体は目標ではなく、自分自身の自己実現と自己肯定に対して支払われる代価なのである。」

 「民主主義が成し遂げていないことは、個人に自分自身を愛させること、すなわち、個人の知的・情動的・感覚的潜在能力の全てを使って、個人の自己に対する深い肯定感をもたせることなのだ。」

 「生は常に、団結し、統合しようとする。換言すれば、生は、必然的に不断の成長と変化の過程である。」

 「愛のアプローチは、力によるアプローチの逆である。愛は理解し、確信させ、鼓舞しようとする。そうすることで、愛の実行者は絶えず自分自身を変革してゆく。愛の実行者は、感受性が強くなり、よりよく観察し、より生産的になり、自分自身が大きくなる。愛は感傷や弱さとは無縁である。愛は影響を与え、変えていく方法であり、力の行使のような危険な副作用を伴わない。愛は、忍耐、内なる努力、そして何よりも勇気を必要とする。愛によって、問題を解決する道をとることは、挫折に耐え、敗北しても我慢し続ける勇気を必要とする。愛は力よりも潜在力に対する信頼を必要とする。」

 …実は、まだまだご紹介したい言葉があるので、また次回に第3弾をと考えています。
 自分自身を振り返ってみると、どうもバランスの悪い、自己評価に陥ってしまう傾向があるのですが、エーリヒ・フロム氏の人間分析力を、勝手ならが個人的解釈に転用させていただくと、均衡の取れた自己イメージを心の支柱にできる感じがします。自己満足ですが…。
 先ずは、この一年間の自分の歩んできた道筋を、自分自身がしっかり肯定してあげられたら、新年に向かって、清々しい年越しができそうですよね。