心の手帖…風通しの良い繋がりを求めて

心を精一杯広げて、現代社会を味わう方法を探していくために、心を整理する手帖のようになれば…

エーリヒ・フロムの言葉

2013年12月16日 18時10分11秒 | 個人的名言集
愛するということ
Erich Fromm,鈴木 晶
紀伊國屋書店

 今日は、いつもより硬目に、ドイツの学者エーリヒ・フロム()の古典的名著『愛するということ』よりご紹介します。
エーリヒ・ゼーリヒマン・フロム(Erich Seligmann Fromm, 1900年3月23日 - 1980年3月18日)はドイツの社会心理学、精神分析、哲学の研究者である。ユダヤ系。マルクス主義とジークムント・フロイトの精神分析を社会的性格論で結び付けた。新フロイト派、フロイト左派とされる。 【出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】

「成熟した愛は、自分の全体性と個性を保ったままでの結合である。愛は、人間の中にある能動的な力である。人を他の人々から隔てている壁をぶち破る力であり、人と人とを結びつける力である。愛によって、人は孤独感・孤立感を克服するが、依然として自分自身のままであり、自分の全体性を失わない。愛においては、二人が一人になり、しかも二人であり続けるというパラドックスが起きる。」

「生産的な性格の人にとっては、与えることは全く違った意味をもつ。与えることは、自分のもてる力の最も高度な表現なのである。与えるというまさに、その行為を通じて、私は自分の力、富、権力を実感する。この生命力と権力の高まりに、私は喜びを覚える。…与えるという行為が自分の生命力の表現だから。」

「愛の本質とは、何かのために『働く』こと、『何かを育てる』ことにある。愛と労働は分かち難い。人は、何かのために働いたら、その何かを愛し、また愛するもののために働く。」

「愛する人は、自分自身に責任を感じるのと同じように、同胞にも責任を感じる。」

「尊敬とは、人間のありのままの姿を見て、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のこと。…愛する人が、…その人自身のために、その人なりのやり方で、成長していってほしいと願うこと。」

「『秘密』を知るためのもう一つの方法が愛である。愛とは、能動的に相手の中へと入ってゆくことであり、その結合により、相手の秘密を知りたいという欲望が満たされる。」

「成熟した人間とは、…純粋に生産的に活動からのみ得られる内的な力に裏打ちされた謙虚さを身につけた人。成熟した愛は、『あなたを愛しているから、あなたが必要だ』と言う。」

 「スピノザの言葉の引用:『徳と力とは、同じ一つのものであるという結論に至る。羨望、嫉妬、野心、貪欲などは情熱。愛は行動であり、人間的な力の実践であって、自由でなければ実践できず、強制の結果としては決して実践されえない。』」

 愛について、年末に改めて心に響かせておきたい、言葉の泉。個人的に、常に忘れずにいたいことは、「愛とは、愛する者の中に愛を生み出す力・愛する者の生命と成長を積極的にきにかけること。愛し合うということは、互いに相手の中に息づいているもの、芽生えているものを、心から喜び、それを互いに分かち合うこと。」という考え方です。ダイナミック且つ好循環なエネルギーを感じさせ、新しい年をイメージさせる勢いがあるように感じます。