日本発祥のオリンピック競技として、2021年東京大会で初めて採用される空手の男女の形(かた)と組手の種目がありますが、自転車競技トラック種目の「ケイリン」もあります。これは、公営競技の「競輪」を基に誕生した種目で、男子が2000年シドニー大会、女子が2012年ロンドン大会からそれぞれ行われています。
日本発祥の競技・種目として、日本に最も多くの金メダルをもたらしている競技で、日本のお家芸ともいえるのが柔道です。柔道は1964年の東京大会から行われており、以降、日本男子柔道はかならずどこかの階級で金メダルを獲得していましたが、2012年のロンドン大会でその記録が途切れてしまいました。
「柔よく剛を制す」が理想ですが、ロンドン大会での外国人選手の圧倒的パワーにより、「剛により柔が屈した」という感じでした。
当然、外野で観ている私以上に当事者は危機感を覚え、柔道全日本男子代表チームの井上康生監督は、お家芸の復活のために体力強化を始めます。
当時は筋力トレーニング(筋トレ)のビッグ3といわれる「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」の正しいフォームも浸透しておらず、柔道そのものの練習以外は「ただ走るだけ」という認識だったそうです。
よって、ロンドン大会の翌年に開催された世界柔道選手権で道着を脱いだ外国人選手たちの写真を撮りまくり、日本代表チームの選手たちに見せたところ、身体の差に危機感を持ったそうです。
そもそも、柔道の創始者・嘉納治五郎さんは、海外から筋トレの著書を持ち帰り、翻訳出版しており、そのころから筋トレの重要性を説いていました。しかし、技術だけでも戦える時代があったため、筋トレはあまり重視されないままでした。
最初は食事面の改善も含めて、筋肉がなぜ必要なのか何度も講習会を開き、オフ明けには体重チェックもしていました。
そのなかで、大きな刺激を与えたのが七戸龍選手でした。筋トレを行うようになると、世界選手権の100kg超級で2年連続して決勝進出。当時の絶対王者ともいえるテディ・リネール選手(フランス=世界選手権10連覇、オリンピック連覇)をギリギリまで追い込みました。そんな七戸選手を見て、筋トレをしていなかった原沢久喜選手(100kg超級リオデジャネイロ銀、グランドスラム5度制覇)も取り組むようになります。
そして、2016年のリオデジャネイロ大会のころには、どの階級でも外国人選手と比べて身体で見劣りすることはなくなり、大野将平選手(73kg級)のように上回る選手も出てきます。同等の身体つきならば、技術で上回る日本人の方が有利になりますので、身体づくりの重要性を自覚するようになります。
こうして、4年間で身体づくりなどに取り組んできた結果、リオデジャネイロ大会では一気に巻き返し、全階級でメダルを獲得するようになりました。
さて、柔道などの身体的に重量を備え、筋力をつけることによってパワーアップできますが、体重階級のある競技においては、単に体を大きくすればいいというものでもありません。また、逆に体重を減らせばいいというわけもありません。
柔道の代表選手たちは1週間に400~500g程度しか落としません(早い話がダイエットが必要です)。試合直前の最終段階で水抜きをしますが、抜きすぎてもいけないそうです。試合前日の計量でリミットを下回るらなければいけないわけですが、翌日のリバウンドは制限体重の5%まで認められています。たとえば、60kg級なら計量の後に3kgリバウンドをしてもかまわないということです。
もちろん、私のようなどこからどう見ても善良な一般人に最後の水抜きは禁物です。ストレスを最小限にとどめて少しずつ進めるのが、ダイエットを成功させるコツだそうです。
一般の方へ推奨する日本柔道方式ダイエット法は次の3つだそうです。ただ、くれぐれも1つずつクリアしていくのが肝要になります。たとえば体脂肪を落とすと、最初は効果が大きいですが、だんだんと身体が慣れてくると止まってしまいます。そうしたら次の方法を試すことです。一気に落とすと、逆にヤケ食いを誘発し、リバウンドに繋がりるそうです。
1つめは、「食物繊維の摂取量を増やす」ことです。
筋トレすらしたくない人は、まず食物繊維の摂取量を増やした方がいいとのことです。これは柔道選手も一緒であり、何しろうんちがスムーズになり、腸の状態が良好になるそうです。これだけで痩せる人も結構いまるそうですが、野菜を大量に食べるのは難しいですし、野菜で摂取できる食物繊維の量にも限界があります。そこでお勧めなのが大麦だそうです。ビールではありません。大麦には高密度の食物繊維が入っているため、穀物からしっかり食物繊維を摂るだけで、だいぶ変わってくるそうです。
2つめは、「脂質を減らし、代わりにタンパク質を増やしていく」ことです。
ドロドロしたドレッシングを使っているならば、ノンオイルドレッシングにするなどは簡単にできます。また、魚のフライよりも、焼き魚にするだけで、脂質をカットできます。アスリートの場合、タンパク質摂取量は体重1kgあたり2gが目安とのことですから、70kgなら140gの摂取が必要です。ただし、一般の人はその半分が目安とのことです。とにかく、お腹がすいたらタンパク質にすれば、同じカロリーを摂取していても痩せるそうです。
そして3つめは、「単純によく噛む」ことです。
25回以上噛むグループと、それ以下のグループを比較し、前者のほうが代謝が上がったというデータがあります。丁寧に噛む人は太らない傾向がありますので、逆に噛まざるをえない食材を選べばいいとのことです。たとえば、鶏の胸肉、ブロッコリーなどです。
最後に簡単で効率的な運動です。
柔道選手が足腰を鍛えるのに最も効果的なのが階段ダッシュだそうです。私たちも、エレベーターやエスカレーターをやめて階段を上るだけで足腰が強くなるはずとのことです。
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