お気楽海外生活 → 帰国して子育て中

イギリスボランティア留学&アフリカオーバーランドツアーの後はアメリカ移住。今は日本で子育て中です。

桜風堂ものがたり

2024-02-04 12:00:45 | 映画とか本とか
本への愛が溢れている物語でした。
出てくる人がみんないい人で、そういう意味では現実離れした夢みたいな世界です。
何冊かシリーズが出ていますが、続けて2冊読んだら夢の中で書店員になってました(笑)。

 桜風堂ものがたり 村山 早紀 (著)

主人公の書店員は古くからある百貨店にある本屋さんで働いています。
少し陰のある優しい彼が、ある事件をきっかけにバッシングを受け書店を去り、
田舎の書店である桜風堂を知人から引き継ぐことになります。
彼が退職まで追い詰めらられたことに胸を痛めた本屋の同僚・百貨店のスタッフと、
書店を引き継ぐことになる彼の再生の物語です。

登場人物が多くて、それぞれのエピソードが沢山ちりばめられています。
主人公が紙面に占める割合って、かなり少ないと思う。
でも、素敵な人たちが沢山出てくるので楽しく読めます。
オウムの船長や猫のアリスもかわいいし、桜風堂店主の孫もかわいい。

同じ書店で働く仲間だけではなく、書店を超えた連携で本を売っていく。
そんな様子がとても素敵で、うるうるしながら読みました。

昔は乗り換え駅でよく書店に寄ってたなぁ。
そこの書店のポップがきっかけで全国的に売れた本があったなぁ。
本が大好きな書店員がいたんだろうけど、そのお店はもうありません。
中学生の時下校時によく寄っていた商店街の小さな本屋もありません。
そんなことを思い出しました。
今はチェーン店しか身の回りにありませんが、リアル書店は大事にしたい。
でも、通勤時に寄れる場所でないと日常的に行けない。
そうなると思い立った時に買える場所って、ネットになっちゃうんですよね。
書店の棚を楽しめる人になりたいなぁ。


 星をつなぐ手 桜風堂ものがたり 村山 早紀 (著)

こちらは続編です。
田舎の書店、桜風堂で奮闘する主人公が描かれています。
駅前百貨店の本屋から田舎に移ったら営業から無視されるとか、本が入ってこないとか。
現実的な問題に、本の作者や町に埋もれた人材とともに立ち向かいます。
もといた書店も味方になり、最終的には一大イベントが開かれることに。
展開は都合がよすぎますが、この幸せな世界が好きなのでこれでいい。

実は同僚の女の子だったネット友達(主人公は同一人物だと知らない)が気になります。
この優しい世界でもがいてる感じがする。
文庫版で読んだので、あとがきに彼らのその後も書かれていました。
単行本に追記されている完全版らしいので、読む方はぜひ文庫をどうぞ。

この物語はもう少し続くので、おいおい読んでいきたいです。
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