『縫物のお稽古』 1874年
室内の人物と彼らの背後の異常に大きな窓の外の景色とのふたつの部分から成るこの作品は、ミレーの晩年の画風をよく伝えている。
窓外の風景が先に描かれている。前景は未だ色の調子が決まった程度であるが、順番としては次に人物が完成されるのであろう。しかし既に彼らは2人とも、未完成ながらしっかりと三次元的に配置されている。
おわりにかえて
本棚に眠っていた『田園の抒情と祈り・ミレー展』を見直すことによって、改めてミレーの絵が好きになりました。
敬虔な祈りの画家ミレーですが、描かれた作品からは、親子のあたたかなふれあいや、羊飼いと羊のふれあい、夕暮れの田園風景などどれもがあたたかな郷愁を誘います・・・・。が、描かれたのが百年以上も前ですが、21世紀の今それらミレーの絵をみても、なぜか古さは感じず、21世紀の今、ミレーが描いたのだといわれてもスムーズに受け入れることができる私です。
中学生の頃、ミレーの『落穂拾い』を漠然とみていた私は、ミレーといえば『落穂拾い』しか頭になかったので、私のなかでミレーは古い画家の一人でしかありませんでした。それが今回、『田園の抒情と祈り・ミレー展』を見直すことによって、ミレーの絵が古臭いのではなく、むしろ21世紀の今でも色あせない新鮮な絵であることを思ったのです。
私のミレーについての紹介でしたが、いかがでしたか。これからも、手前味噌ですが、自分がいいなあと思った絵など紹介していけたらな・・・・。