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左パネルの『エデンの園』より。
エヴァの誕生の場面ですが、中央の神は2本指を立てて祝福のサインのようです。その美しいエデンの園ですが、足元の大きな穴には、ちょっと気味が悪い生き物たちの姿があります。
上の場面では、天地創造の後の、一角獣やキリンや象などの生き物は楽しそうに綺麗に描かれています。
最後は、『地獄』の場面です。
顔をこちらに向けている人の頭の白い台の上には、バグパイプがあり、その下では、リュートに裸の男が縛られ、もう一人はハープに串刺しになっています。
淫欲の罪を犯し肉欲に支配され、人間が堕落した『音楽地獄』の様子が描かれているということでしょうか。
以上、ヒエロニムス・ボス『快楽の園』の簡単な紹介でしたが、『エデンの園・天国』、『地上の楽園・現世』、『地獄』の三つのパネルに描かれた人間の姿は、生と性と死を現しているのでしょうか。様々な画面には様々な寓意が隠れているのでしょう。
私は思うのです。これだけの奇想天外な絵を描いた画家ボスは、明晰な理性と、万物に対する深い愛を持っていたのだと・・・・。
・これからも、時々、気になった画家について、何か書いていけたらな・・・・。