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1943?年 切り紙絵 『ジャズ2 サーカス』です。
解説より。息を吞むようなスリルと緊張感のなか、バランスをとって一歩ずつ綱を渡るサーカス芸人の姿がスポットライトに照らし出されている。その下には万一の落下に備えて布か網のようなものが張られているのが見える。
本作品は、もともとカバーとして構想されたという、画面はちょうど中央で折れるようなデザインになっていて、右側が表紙、左側が裏表紙となるはずだったようだ。(実際は製本されていない)。
最終的には『ジャズ』というタイトルで出版された。挿絵には直接ジャズと関係するものは1点もないが、原画制作に用いた切り絵の生き生きとした鮮やかな色彩、はさみによる造形の即興性やリズムを音楽のジャズになぞらえたと言われている。
わたしは思いました。印刷物になった原画は、それなりの価値がありますが、印刷されたグラフィックとしての作品として見ることは、それはそれとして楽しいのでは。
わたしは、美術展などのポスターを見るのですが、それは原画ではないのですが、原画と違ったポスターとしての良さがあり、マティスの切り紙絵は、ポスターとしてあるいはグラフィック(印刷美術)として気軽に見ることができるのではないかと思うのです。
下の作品『ブルー・ヌード』ですが、『ブルー・ヌード』アートポスターとして、広く販売されています。マティスは、もっとも現代的な作家の一人であるのですね・・・・。