何かと話題に上る機体である。
つい最近も,在日米軍司令が,
「沖縄へのF22の配備は,周辺諸国に対する抑止力になる。」
などといったことを述べていた。
「ラプター(猛禽類)」の通称を持つ自衛隊の次期主力戦闘機での最有力候補であるが,果たして導入されるのかどうか,暗雲が立ちこめてきた。
というのも,まず米国が禁輸を打ち出してきた。
さらには,自国での配備も凍結しそうな気配である。
というのも,不況による緊縮財政が迫られるご時世に一機140億円というとてつもない戦闘機の導入を大統領が渋っている。
おそらくF22を凌ぐ性能の戦闘機は旧東側諸国には存在しないだろうから,あくまでも冷戦時代の戦略思想に基づくF22は不要,との見方もある。
また禁輸の理由の一つとして,技術流出も取り沙汰されているとも言われる。
三菱なり川崎なりIHIなりでライセンス生産されれば・・・ということだろう。
そこでオバマ政権は,主力戦闘機として50億円安いF35(通称ライトニングII)の導入を考えているらしい。
景気や雇用対策への懸念から米議会は反対しているらしいが,F22の復権は厳しいようだ。
では我が国ではどうか。
先頃,イージス艦の情報漏洩があり,米国は我が国に対する印象を一層悪くした。
そうした中で,軍事機密の塊のような最新鋭戦闘機を売る筈がない,と見るのが妥当だろう。
さらに衆院選で自民党政権が危ないので,完全に赤信号がともった状況だと思う。
では米国同様,50億安いF35をというのはどうだろう。
対地・対艦攻撃ではF22を凌ぐ性能と言われるので,一見よさそうだが,F22とF35ではステルス性能に大きな開きがある。
またアフターバーナーが無いので,超音速巡航ができないのは致命的ではないだろうか。
Su27にどの程度対抗できるのか分からないが・・・。
有事を視野に入れれば,上述した在日米軍司令ではないがF22を保有してこそ,周辺諸国とのバランスで優位に立てるということになろう。
他の候補は,F/A-18E/Fスーパーホーネット(従来のF/A18のエンジンを換装しステルス性能を付加した),F-15FX(F15Eストライクイーグルの高機動型。空対空能力が向上している),ダッソー・ラファール,ユーロファイター2000タイフーンといったところだが,いずれも現代を代表するマルチロールファイターである。
JAS39グリペンが加われば,旧西側の代表がすべて揃いそうなラインナップである。
こうした中でのFX選定はさらに難航しそうだ。
過去3回の選定の際には,必ず疑獄・疑惑があったがその時代を代表する戦闘機を選んできた(F104J→F4EJ→F15J)。
次は果たして・・・。
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