ガウスの旅のブログ

学生時代から大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。現在は岬と灯台、歴史的町並み等を巡りながら温泉を楽しんでいます。

旅の豆知識「新交通システム」

2019年11月13日 | 旅の豆知識
 旅先で、新交通システムの車両に乗ったことはありませんか?20~60人乗りの小型車両がライン状又はループ状の軌道をコンピュータ制御により自動走行(有人走行もある)するシステムで、従来の鉄道とバスの中間の輸送力といった感じです。高架軌道上を走る場合が多いので、見晴らしがよく、都市部がよく見渡せて、気分も爽快です。東京都のレインボーブリッジ上を走る「ゆりかもめ」は有名で、東京港を見渡せるので人気の路線ともなっています。都市部を旅行した時に一度乗ってみることをお勧めします。

〇新交通システムとは?

 1960年代以降の高度経済成長の中で、モータリゼーションの進展により、都市部において自動車交通の著しい渋滞や騒音、大気汚染の問題等に対応するために研究・開発された新しい交通システムのことです。
 広義には、モノレール、エアクッション艇、動く歩道、リニアモータカー、磁気浮上鉄道などを含みますが、狭義には、省エネルギー、経費節減をはかりつつ、快適で機動性のあるサービスを提供する目的で開発された都市型交通機関の組合せとされてきました。
 遊園地の遊戯施設としてですが、京成電鉄沿線の谷津遊園内で、1972年(昭和47)に走ったのが最初で(1982年谷津遊園廃止に伴い廃止)、その後、1975年(昭和50)に沖縄で開催された国際海洋博覧会で、開催期間中限定で、乗客輸送を行いました。恒久的輸送機関としての最初は、1981年(昭和56)2月5日に開業した、神戸新交通ポートアイランド線となります。
 その定義は、「都市モノレールの整備促進に関する法律」2条及び3条に基づき定められている都市モノレールに準じ、次のように定められています。
1.「桁上に設置された走行路(床版)の上を、車両が案内レールに従って走行するシステムで、人又は貨物を運送する施設であること。
2.一般交通の用に供するものであること
3.軌道桁は主として道路法による道路に架設されるものであること
4.その路線の大部分が都市計画区域内に存するものであること

〇新交通システムのお勧め路線

(1)埼玉新都市交通伊奈線[愛称:ニューシャトル](埼玉県さいたま市・伊奈町)

 埼玉県さいたま市の大宮駅~伊奈町の内宿駅間の12.7km(13駅)を繋ぐ有人式の交通システムです。埼玉県とJR東日本が出資する埼玉新都市交通株式会社が運営しています。東北・上越両新幹線の建設に伴い、建設地域の住民への見返りとして建設されたもので、路線は東北・上越両新幹線の高架の脇や下に施設されました。1983年(昭和58)12月22日に大宮駅~羽貫駅間が開業、1990年(平成2)8月2日に羽貫駅~内宿駅間の全線が開通しています。地域住民の交通手段やさいたま市大宮区にある「鉄道博物館」の利用者の足としても利用されてきました。

(2)東京臨海高速鉄道臨海線ゆりかもめ(東京都港区・江東区)

 東京都港区の新橋駅~江東区の豊洲駅間の14.7km(16駅)を繋ぐ無人(早朝などは有人)式の交通システムです。1995年(平成7)11月1日に新橋駅~有明駅が開業、2006年(平成18)3月27日に有明駅~豊洲駅が開業しました。新橋からお台場や臨海副都心の各施設や観光地を繋ぐ路線として利用されています。レインボーブリッジ上を走るので、眺望がすばらしく、東京港を見渡せるので人気の路線ともなってきました。今後、豊洲駅から勝どき駅までの延長が計画されています。

(3)横浜新都市交通金沢シーサイド線(神奈川県横浜市磯子区・金沢区)

 神奈川県横浜市磯子区の新杉田駅~金沢区の金沢八景駅間の10.6km(14駅)を繋ぐ無人式の交通システムです。横浜新都市交通株式会社が運営していて、1989年(平成元)7月5日に開業し、今後は金沢八景駅を京浜急行の金沢八景駅まで延長することが計画されてきました。八景島シーパラダイスの利用客などに利用されていますが、海辺を走る路線なので、相模湾の眺望が良いのが特徴です。

(4)愛知高速交通東部丘陵線[通称:リニモ](愛知県名古屋市・豊田市)

 愛知県名古屋市の藤が丘駅~愛知県豊田市の八草駅間の8.9km(9駅)を繋ぐ交通システムです。最高時速100kmで走る磁気浮上式(リニアモーターカー)となっているのが特徴で、注目されてきました。愛知高速交通の運営で、愛知万博(愛・地球博)を訪れる人たちのアクセス方法として建設され、2005年(平成17)3月6に開業しています。万博終了後は、地域住民の足として利用されてきました。

(5)神戸新交通ポートアイランド線[通称:ポートライナー](兵庫県神戸市)

 兵庫県神戸市の三宮駅~神戸空港駅に至る路線と、途中から分岐して北埠頭駅を経て中公園駅に至る2路線の10.8km(12駅)を繋ぐ新交通システムです。恒久的輸送機関としての日本最初の新交通システムで、1981年(昭和56)2月5日に開業し、博覧会ポートピア'81の会場への足として活躍しました。神戸新交通株式会社が運営しており、2006年(平成18)2月2日に神戸空港駅まで延長開通し、空港へのアクセスルートともなります。神戸港から瀬戸内海が見渡せ、眺望が良いのが特徴とさてきました。

(6)広島高速交通広島新交通1号線[通称:アストラムライン](広島県広島市)

 広島県広島市の本通駅~広域公園前駅間の18.4km(21駅)を繋ぐ新交通システムです。広島高速交通が運営しており、1994年(平成6)8月20日に開業しました。現在は市中心部と住宅地とを結ぶ足としての機能のほか、広島広域公園内に建設された広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島)へのアクセス路線としての機能をも有し、広島ビッグアーチの利用者の足としても利用されています。

〇現在の日本の新交通システム一覧

・埼玉新都市交通伊奈線[愛称:ニューシャトル](埼玉県さいたま市の大宮駅~伊奈町の内宿駅間12.7km・13駅)
・日暮里・舎人ライナー(東京都荒川区の日暮里駅~足立区の見沼代親水公園駅間9.7Km・13駅)
・東京臨海高速鉄道臨海線ゆりかもめ(東京都港区の新橋駅科~江東区の豊洲駅間14.7km・16駅)
・横浜新都市交通金沢シーサイド線(神奈川県横浜市磯子区の新杉田駅~金沢区の金沢八景駅間10.6km・14駅)
・西武山口線[通称:レオライナー](東京都東村山市の西武遊園地駅~埼玉県所沢市の西武球場前駅間2.8Km・3駅)
・ユーカリが丘線(千葉県佐倉市のユーカリが丘駅を起点とした4.1Km・6駅)
・愛知高速交通東部丘陵線[通称:リニモ](愛知県名古屋市の藤が丘駅~愛知県豊田市の八草駅間8.9km・9駅)
・大阪市中量軌道南港ポートタウン線[通称:ニュートラム](大阪府大阪市のコスモスクエア駅~住之江公園駅間7.9km・10駅)
・神戸新交通ポートアイランド線[通称:ポートライナー](三宮駅~神戸空港駅と途中から分岐して北埠頭駅を経て中公園駅に至る2路線10.8km・12駅)
・神戸新交通六甲アイランド線。通称六甲ライナー](兵庫県神戸市の住吉駅~六甲アイランドのマリンパーク駅間4.5km・6駅)
・広島高速交通広島新交通1号線[通称:アストラムライン](広島県広島市の本通駅~広域公園前駅間18.4km・21駅)