1.郵便住宅
普通の住宅のコンクリート塀に、
「郵便切手類・印紙」
と書かれたおなじみの看板がかかっていた。
ヤクルトジョアの広告すら載っている。
看板自体がそんなに新しいものではない。
しかし、針金で頑丈にくくりつけられているのだ。
この看板のある家は、私には覚えがある。
もう何十年もの昔には、ここはたばこ屋さんだったのである。
子ども向けの駄菓子も売っていた。
私も駄菓子を買った覚えがある。
2.いきなり木造塀
住宅街を歩いていたら、ふと目につくものがあった。
住宅の塀なのであるが、
コンクリート塀が続いていて、
部分的に木の板が塀に使われているのである。
木の板塀は、すごく几帳面に丁寧に作られているし、
コンクリート塀から続く瓦まで頂いている。
普通は木の板塀には瓦はつけませんよ。
これは変だ。
しかも木の板塀の下の方には、
波形ビニールトタンも顔を覗かせている。
謎解きは簡単であった。
昔は、木の板塀のあった方から、
車の出し入れをしていたもようである。
今は車に乗る人もなく、
ただ、縄とシースルーのビニールシート(?)で囲まれた、
一種のトマソンとなっているのである。
3.純粋階段
ひょんなことから、純粋階段を見つけた。
路上をうろうろと歩いていて、
ありそうでなかなか見つからないトマソンが、
純粋階段である。
見た目は汚いのであるが、
これは刈った草が放置されているからである。
純粋階段として、人の手厚い保護が入っていると見てよかろう。
こちら側からも、向こう側からも、
川に降りられるようになっているのである。
だとして、なんか役に立つ階段なのだろうか。
きれいじゃない小川が流れているばかりである。
一望できる写真をお見せしたい。
この川は昔はきれいな川だったのだろう。
階段を下りきったところに、
コンクリートの洗い場らしきものがあり、川の水に接することができる。
おそらく、収穫した野菜等を洗っていたに違いない。
洗い場であるコンクリートの洗い場が、変に新しそうなのが気になるが……。
約40年ほど前には、汚い泥の川だった覚えがある。
そのころはとてもじゃないが野菜を洗ったりはできなかったはず。
この新しそうな洗い場のコンクリートは、
いったい何なのだろうかと考えこんでしまった。
とにかく、放置はされているが、草が刈られて乾いている。
今もなお、手入れされているのが関心をそそる。
4.建築中建造物
もうすっかりおなじみとなってしまったが、
フジテレビのお台場社屋を見ていまだに独特の印象を受ける。
これを見て、近代的な……、とは、言いがたい。
遊び心に溢れているという方がしっくり来るからである。
中央の丸い部分の中はどうなっているのか、誰か知りませんか?
こんなところに会議室があったら楽しいな。
素朴に思うことは、
「このビルはいつ完成するのだろう」
ということ。
いまだに工事中の印象を持ってしまうのである。
そういう遊びに満ちた建築なのである。
ところでです。
わたしも「目下建築中」と見えてしまう建物を発見したのです。
建物の外部を走る鉄骨が生々しい。
なぜこの鉄骨の作る直方体通りに、内部を作らなかったのであろうか?
見当がつかない。
やはり、
「現在なお建築中」
に見えてしまう建物である。
上の階の方には、原爆タイプがあるのにも注意しなければいけない。
フジテレビの社屋は、
金がかかってるんだろうなとか、
ぜいたくな建て方だなと思ってしまう。
この建造物は、あり合わせの建材で作ったのかなとか、
とりあえず間に合えばというふうに作ったのかなとか、
かなり貧乏な背景が見えてきてしまうのであった。