鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

前衛武装艦アンドロメダ

2018-11-16 22:49:51 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝


地球連邦航宙艦隊・前衛武装艦アンドロメダ


西暦2199年末。
地球は宇宙戦艦ヤマトの帰還と共に、大気は浄化され、赤土をむき出しにした大地と、かつて海だった場所は、それぞれ、木々が生い茂り、また、蒼き海は、その姿を戻した。
死滅した海洋生物も"イズモ計画"で保管された遺伝子から創られた人工ではあるが、元の姿を現していた・・・

時に西暦2200年初頭。
旧地下都市に本部を置く、地球国連本部は、新たに地球連邦政府と呼び名も中身も一新され、人類の地上での生活、復興を最優先としたプロジェクトが、スタートした。

同時に日本で一番深い海溝が存在した小笠原海溝。(世界で五番目に深い海溝)に、これもヤマト帰還と同時に出現した不思議な空間、時間の流れが異様に早く、通常空間の十倍もの速さで時が流れる空間の研究がスタートした。
この研究については、"トップシークレット"とされ、口外は無用と戒厳令までが敷かれた。

そして、もう一つ同時に行われた事、それは、ガミラスと正式に終戦協定を結ぶ事であった。
ガミラスとの終戦、同盟協定を正式に結んだ地球連邦政府は、失われた復興には欠かせない、資源を譲渡して貰う事と、ガミラスの科学技術を提供して貰う事、この二つに重点が置かれた。
そこで、一握りの軍上層部以外はほぼ壊滅した軍を"地球連邦防衛軍"と称し、譲渡された資源と科学技術を導入、"時間断層"と名付けられたあの不思議な空間を利用し、巨大な軍需工場を建設に着手した。
研究の結果から人間では一時間が限度である時間断層空間に戦闘A.Iを取り除いたガミラス製アンドロイド通称ガミロイドを作業員とし、この建設作業に当たらせた。
そして、このガミラスとの戦争で壊滅した宇宙艦隊(防衛艦隊)再建に乗り出すのであった。

ガミラスの艦艇の中でも、優れた量産型戦艦ガイデロール級を提供された地球連邦政府と連邦防御軍は、少数精鋭部隊の要として、"波動砲"装備の艦隊の創設を立案、着手した。
勿論、この波動砲構想に反対する者も、けして少なくはなかった。
だが、賛成多数で、この案件は成立した。


【ガミラス航宙戦艦ガイデロール級】

【地球連邦防御軍ドレッド・ノート級】

こうして、ガミラスから提供されたガイデロール級をコンパクトに纏め戦闘力に置いては、ガイデロール級を上回る量産型ドレッド・ノート級が完成した。

さらに連邦防御軍は、このドレッド・ノート級の特別仕様として、防御力・戦闘力を向上させたアンドロメダ級を開発、完成させた。

【地球連邦防御軍アンドロメダ級】

宇宙戦艦ヤマトをも凌ぐ、巨漢とオートメーション化、二門の波動砲をはじめとする武装、波動防壁の使用可能時間の向上、そしてヤマトと同等の艦載機能を有する正に特別仕様であった。
(後に量産される事に成るが。)

このアンドロメダ級一番艦を旗艦とし、先行量産型の十四隻のドレッド・ノート級から成る前衛武装艦隊が産声を上げた。


◆◆◆◆


その頃、銀河系辺境の宙域では、ガミラスとガトランティスによる約六十日にもおよぶ戦争が、繰り広げられていた。
この戦争には密かに地球もガミラスに加担する形で参戦していた。
ガミラス人捕虜と占拠された宙域の奪還、これが表向きの大義であった。

会戦当初、ガトランティスの艦隊は僅かに百隻余り。
ガミラスがその気に成れば、地球をはじめとする銀河系に駐留する艦隊を投入すれば、簡単に奪還出来る数であった。
だが、敢えてそれをしなかったのだ。
それは、時間断層空間を知ってしまった事によるものが、大きかった。
時間断層空間の使用権を一部であるが、得た事でガミラスもまた、失われた艦艇を補い、増大させる事が可能に成ったのである。
地球、ガミラス双方にとって、"損して特を取れ"に舵を切った始まりでもある。
ガミロイド兵のみで艦艇をコントロールさせ、総合指揮のみを血の通った人間で仕切る。
そして、攻めては撤退を繰り返した。
時間断層工場では一日、十隻余りが建造され、送り出されていた。
十日で百隻、その六倍である600隻余りが誕生した事に成る。


◆◆◆◆


地球連邦防御中央司令部


「"機は熟した"」

「一気に方をつける。」口髭を蓄える中年の体型ではあるが、軍で鍛えて来ただけはある、ガッチリした体格の上層部の人間、芹沢軍務局長が口を開いた。
その芹沢の横と後ろには、開発などに関わったガミラスの上層部や民間人の姿も見受けられる。

二十回目の奪還作戦の火蓋が切られた。








膠着状態の続く戦闘宙域。
当初、百隻余りのガトランティス艦隊も三倍程に膨れていた。
対する地球・ガミラス混成艦隊は二百隻余りと艦隊数では、負けていた。
それは、上層部の狙いでもあった。

"少数精鋭部隊"を投入するという隠された作戦の実戦データを収集するというものである。

だが、ガトランティスもまた、"新兵器"を投入してしたのだ。



「ガトランティス艦隊反転!!離脱して行きます!!」




ガトランティス"ガイゼンガン兵器群"カラクルム級を投入して来たのだ。
カラクルムの主武装"雷撃旋回砲"を撃ち放って来たのだ。
今までの実戦データには無い艦と計り知れない武装による攻撃に、疲弊してゆく地球・ガミラス混成艦隊。

「長官。これは好機かと。」中央司令部でモニタリングする芹沢が再び口を開く。

「被害を最小限に食い止めろ。それが、絶対条件だ。」防衛軍長官藤堂が告げた。






疲弊してゆく中、漆黒の宇宙を切り裂く一筋の閃光。
ガトランティス艦隊と占拠去れた宙域に浮遊する大陸を一瞬にして、呑み込む波動エネルギー群。

決戦兵器"拡散波動砲"によるものであった。
イスカンダルとの約束を反故にしてまで、造られ波動砲=波動砲艦隊構想。

地球・ガミラスの上層部の評価は上々であった・・・





この会戦から数日後、地球連邦防衛艦隊前衛武装艦隊が、完成した。


◆◆◆◆


だが、この地球連邦防御軍の象徴アンドロメダは最期を迎える・・・

本領を発揮したガトランティス。
滅びの方舟を持ち入り、地球艦隊殲滅の旗を掲げ、進撃を開始した。
その勢いは太陽系内にまで及んだ。
土星圏会戦にて、無敵を誇る波動砲艦隊は壊滅した・・・










波動砲で艦隊の数を減らすも、それ以上にガトランティスは艦隊を投入して来る。



テレザートの主エネルギーである反物質エネルギーを充填した破滅ミサイルで駆逐、アンドロメダは満身創痍の姿を現した。



アンドロメダが敗れた瞬間であった・・・


~fin~


私の解釈と設定が混ざった宇宙戦艦ヤマト2202の外伝的二次創作の物語りですm(__)m