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ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第十五話
死闘を繰り返す土星沖会戦。
その土星圏にワープアウトするヤマト。
大艦隊戦を横目にヤマトは白色彗星に闘いを挑む。
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「さぁ。私のしもべよ。時が来たわ。」
「やるのよ。」"隊長さん"(斉藤)に入手させた"反波動格子コントローラーをしもべと成った加藤に手渡した。
加藤の手が小刻みに震える。
「貴方は妻子をも裏切ったのよ。」
「今さら、出来ません。では済まないのよ。」
「成功させれば、約束の治療薬で地球で苦しむ人々と貴方、そして貴方の妻子は助かるのよ。」
「正義の為の行動なのよ。」私はそう云いながら加藤の太ももに私の膝を着け、私の右手を置いた。
一肌の温もりが伝わったのだろう、加藤の小刻みに震える手は、震えを止めた。
だが、加藤はまだ、私の横から立ち上がろうとしない。
"雄"を目覚めさせるしかない。
私はそう思い、加藤に身体を密着させ、耳元で「雄に成るのよ。」と囁いた。
私の手の掌に感じる雄の鼓動。
「これで貴方は二度も奥様を裏切ったわね。」無言でうつむく加藤。
身体は正直に反応している。
ヤマトが墜ちるまであと少しの時がある。
「このつづきは成功させてからね。」
「うふふ。」
「お預けよ。」
息を荒くし、顔を赤くした加藤は、おもむろに立ち上がると、夢遊病者のように歩き出す。
彼が艦内をどれくらい歩き回ったかは解らないけど、彼は、加藤は悪魔に魂を売った・・・
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白色彗星の真正面に制御スラスターを噴きながらヤマトは、"トランジット・波動砲"の発射体制に入った。
ヤマトの鼓動がひしひしと伝わる。
彷徨う加藤。
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「真琴、翼……。」
「ごめんな……。」
「地獄にゆくわ……。」
波動エンジンが完全に動きを止めた・・・
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「波動エンジン沈黙!」何が一体?とざわつく第一艦橋内。
緊急措置を施そうにも、全ての計器が異常を示す。
「補助エンジンも動かない!」
「安定翼、展開出来ない!」
私の頭の中には、大帝の笑みを浮かべた顔が浮かんでいた。
高笑いする大帝の顔が浮かんでいた。
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◆◆◆◆
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「怯むなぁぁぁぁぁーーーッ!!」
「奴らとて、無限に艦隊が在る訳ではない!!」
「通信オペレーター!後期型ゴストーク級の援軍を要請しろ!」
「この宙域を陥落さねば我々に還る場所など無いと思えッ!!」
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「バルゼー提督!地球艦隊が新たに出現!!」
「……それと、ヤマト級が彗星内へ引き込まれているとの情報が!」
慌ただしく告げられて来る報告にバルゼーは、焦りを隠せずにいた。
「くっ!」
「今はヤマトなど、どうでもよいッ!!」
「提督!破滅ミサイル群!急接近!!」通信オペレーターのその言葉に安堵の表情を覗かせるバルゼー。
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「バルゼー提督!地球旗艦艦隊を壊滅!!」
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「山南艦長……アポロノームは持ちません……。」
「離脱を!」
「まだ、艦隊を立て直すチャンスが残っているうちに……。」
第十六話へ
つづく。
使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。