鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

メリアの遺産ーヤマト2199星巡る方舟外伝ー

2019-10-27 11:02:16 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝




メリアの遺産
ー宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟外伝ー

前編


ー天の川銀河・大マゼラン銀河 銀河間空間七色星団宙域(海峡)ー


西暦2199年8月半ばを過ぎた頃、宇宙戦艦ヤマトは、ガミラスとの決戦とも云える戦闘に突入した_。

「コスモレーダーが…コスモレーダーが全く使い物にならない…。」
「…艦長!レーダー反応消失!」
森船務長の交代要員、西条が心細く成る中、その気持ちを押し殺し、艦長沖田へ報告した。

「うむ。」

「有視界航法へ切り替えよ!」
「対空戦闘を"厳"とせよ!」

「古代戦術長。右舷、左舷の監視を強化せよ!」

「了解。対空戦闘を"厳"とし、右舷、左舷の監視を強化します。」

「戦術長古代より通達!戦術科甲板員は右舷、左舷に別れ監視にあたれ!」

レーダーが使えないという極めて厳しい状況の中、不馴れな有視界による戦闘を余儀なくされたヤマトのクルーたちは、何処と無くぎこちなく、ワサワサとしていた。
そんな中、ガミラス急降下爆撃機スヌーカー隊がヤマト上空にワープアウト、第一波攻撃を仕掛ける。


激しい揺れと爆発音がヤマトを包み込む。
怒号と悲鳴が混ざり合う。
艦橋組は艦橋組で、度肝を抜かれた感じでうろたえていた。

「うろたえるなッ!」
ヤマト第一艦橋の後部、一段高めに設置された艦長席に腰を下し、眼光を鋭く沖田は激を飛ばした。

「古代、各部署の状況確認を急がせろ!」

「相原。"隼"からの連絡はまだか?」
※隼=コスモファルコン

「はい。まだ、ありません!」

沖田は胸の前で腕を組、目を閉じた。
「隼とすれ違う事もなく、ヤマト上空にそれも直上に接近…」
「どうやったら…」

「古代!後方展望室にも監視を配置せよ!」
沖田の命令と入れ替わるように、今度はヤマト上空右舷に姿を現したスヌーカー隊の第二波攻撃を喰らう。

「…何処から一体?」
「敵は、ガミラスは大艦隊を展開してるのか?」
ヤマトの舵を握る島航海長が、呟くように口を開いた。




「バーガー少佐隊が発艦する!」
「甲板クルー及び誘導クルーは発艦体制に入れ!」
「繰り返す!第三波攻撃隊バーガー少佐隊が発艦する!甲板クルー及び誘導クルーは、発艦体制は入れ!」

バーガーは甲板クルーに右手で合図を送り、発艦した。

「バーガー少佐!ご武運を!」

「おお。任しておけ!」


「よし。攻撃は成功した!」
「全機、帰投せよ!ヤマトにはまだ沈まれちゃ困るからな。」

「此方バーガーだ!ランベア聴こえてるか?ヤマトの耳を奪う事に成功した!これより、帰投する!」

第三波攻撃を成功させたバーガー少佐隊は、母艦ランベアに帰投する。
帰投したバーガー少佐隊と入れ替わるように今度は、第三空母シュデルクから発艦したカリス・クライツェ少佐率いるガミラス雷撃機ドルシーラ隊による攻撃が開始された。
艦隊指揮官ドメル上級大将の立案した物質転送攻撃と地の利を生かした暗黒ガス雲海を味方に着けた波状攻撃作戦は、勝利まであと一歩のどころまで来ていた。


だが、"死中に活を見出だす"という信念をぶれる事なく貫く沖田に、勝利の女神は微笑んだのだった。

「此方、加藤隼航空隊隊長の加藤だ!」
「敵ガミラス艦隊を目視、確認した!」
「座標を送る!砲撃戦に備えられたし!」
「繰り返す!敵ガミラス艦隊を目視、確認した!」
「座標を送る!砲撃戦に備えられたし!」




◆◆◆◆




「今日は、あのヤマトと戦いから五年か、そして、メリア。お前の命日で七回忌だな。」
フォムトはメモリーホログラムを眺めながら口を開いた。

七色星団会戦で奇跡的に生還したあの日は、元恋人メリアの命日だった_。


ー六年前
小マゼラン銀河外縁部ゴルニ宙域ー


「野郎!チョロチョロと!」

「ん!?」
「どうした?」

「バーガー大尉!見て下さい!」
「奴ら蛮族がまた、この宙域に出没です!」

「隣ん家の芝は青く見えるかんな。」
「何せ。この八つに割れた惑星(ほし)の浮遊する大陸には、伝説と云われた"アケーリアスの遺跡"が存在するからな。」
「奴らも必死なのさ。」
「アケーリアスの遺跡を奪って来い!とケツでも蹴られてんだろう。」
鋭い眼差しで監視モニターを覗くフォムト・バーガー。
だが、今、攻め込んで来る蛮族=ガトランティスは今までと違い、数段も上の輩だと感じていた。




「おう。お前ら!ウェルカムパーティーはじめんぞ!」
「バーガー突撃小隊!斬り込めッ!!

※イメージ曲

血気盛んなバーガー突撃小隊だが、先行する一番、二番艦が立て続けに轟沈させられたのだ。

「あの重武装の大型戦艦が、奴らの旗艦か…」
「ちーとばかし厄介かも知れんな。」
フォムトは呟くように云った。

◆◆◆◆

後編へ
つづく。


使用している画像はイメージです。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟》の二次創作です。